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花と果実のある暮らしinCO

Vol.17
チェンマイの朝ごはん

Vol.17 <br>チェンマイの朝ごはん
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【最近の私】先日、ドライブ中にラジオから流れたエボラ熱の広告。女性の声:”ねえ、エボラ熱ってどんな病気なの?”男性の声: “唾液や血液から移る接触感染の病気だよ”女性:の声”なんだ!じゃあそんなに怖がらなくていいのね!”……と聞こえた気が。私のタイ語力の不足か?もし正しいとすると…こういうところにタイと日本の違いを感じるのでした。
 

「ヨーコ、持つべきものはラーンナー・ハズバンドよ!」
近所に住む3歳の双子のママが、離婚ほやほやの私に言いました。かつてチェンマイはラーンナー王朝の首都で、ラーンナー時代の男性のように昔ながらの古風なタイプの夫を持つといいよ!という意味。そう、彼女のご主人はほぼ毎朝、家族の朝ごはんを買いにバイクで出かけて行くような堅実な旦那なのです。
 

■「おはよう」の代わりは「ギンカオルーヤンカ?(ご飯食べたかい?)」
 

以前住んでいたところは昔ながらの村だったので、近所のおばあさんやお母さんたちが毎朝もち米を炊き、クロック(石臼)の音をコンコンと響かせながら朝食の準備をしていました。
 

チェンマイの朝の定番といえば、カオニャオ(もち米)、チェンマイソーセージ、ナンプリック(唐辛子の入ったディップ)、スープなど。でも実際は、前夜の残りのもののカレーや揚げ物が食卓に並ぶことも珍しくありません。皆、とにかく朝からしっかり食べます。 チェンマイの田舎では農家が多いこともあるせいか、「朝食はパワーの源」という考え方が定着しているのです。
 

チェンマイでは、”おはよう”や”こんにちは”という挨拶よりも「ギンカオルーヤンカ?(ご飯食べたかい?)」
と声を掛け合うのが一般的です。チェンマイに住み初めた頃、「ヨーコ、ご飯食べたか? 何食べたんだ?”」と知り合いの大工さんに声を掛けられました。素直に「うん、パンとコーヒー」と答えると「そんなんじゃ、力がでないぞー!」とお説教されました。ご飯を食べたかどうかが挨拶の言葉になるくらい、チェンマイでは”食べる”ことが重要な意味を持っているんだなぁと感心したものです。
 

タイ北部の典型的な朝食メニュー「チェンマイソーセージ、カオニャオ、ナンプリック、チェンマイ風納豆」など

タイ北部の典型的な朝食メニュー「チェンマイソーセージ、カオニャオ、ナンプリック、チェンマイ風納豆」など


 

■ファーストフード派の心強い味方とは?
 

しかし、日本同様、最近の若者はそんなに時間をかけて朝食を作りません。双子のパパがそうであるように、忙しい若い夫婦は、もっぱら出来合いのお惣菜を買ってきたり、屋台のお粥や豆乳などで朝食を簡単にすませます。そのため、朝早くから開いている市場やお粥のお店はチェンマイっ子の強い味方!朝の6時にはもう市場は活気づいています。
 

市場でそのまま味わえるあったかい豆乳と揚げパン

市場でそのまま味わえるあったかい豆乳と揚げパン


 

道端には焼き豚や豚の串焼肉、揚げ豚、唐揚げを売る屋台もちらほら。いわばチェンマイの”ファーストフード店”?!出勤途中に買って職場で食べたり、そんな時間もない人は車の中で頬張ったりするのでしょう。ちょっと車を止めれば出来立てのカオニャオや焼き立ての焼き豚が手に入るのです。チェンマイスタイルの“ドライブスルー”といった感じで、とっても便利です。
 

そんなチェンマイにも昨今は洋風のパン屋さんやマクドナルドなどチェーン店が進出中。それでもまだまだ地元の“ファーストフード店&ドライブスルー”はチェンマイっ子の胃袋をガッチリ掴んでいるようです。
 

道端のファーストフード&ドライブスルー!

道端のファーストフード&ドライブスルー!


 

さて、今の私は当時夢にも思わなかった「ラーンナー・ハズバンド」と出会い、ありがたいことに朝食の心配をせずに過ごしています。今日もチェンマイの納豆にお醤油をたらし、カオニャオと一緒に頬張りながら、1日の始まりを実感するのでした。そう、気づけばご飯党に戻ってるなぁ、朝からしっかり食べてるなぁ・・・。チェンマイの朝は元気です。
 

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Written by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美

 
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