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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 人は「変化を嫌う」傾向にある

今週の1本  人は「変化を嫌う」傾向にある
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3月のテーマ:チェンジ

 
※ネタバレを含みます

 
昨年12月15日に“衝撃のスター・ウォーズ”として『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開されたが、早いもので日本ではアメリカに続いて4月18日にデジタル配信が開始、4月25日(水)にはMovieNEXやブルーレイが発売される。『スター・ウォーズ』シリーズは、常に賛否両論になる作品であるが、今回はもっとも好き嫌いが分かれた作品ではないだろうか。その理由のひとつがキャラクターの変化である。「オリジナル・トリロジー」で主人公ルーク・スカイウォーカーは銀河に平和をもたらすため故郷を飛び出し、自分の運命と向かい合い、そして立派なジェダイへと成長していく。そんなルークが今作品では年を重ねて隠遁生活をしている。その姿に幻滅したファンも多いのではないだろうか。ルークを演じたマーク・ハミル自身もそんなルークの描き方に批判的な意見を口にしていた(その後、発言を軌道修正しているが)。それぐらいルークに変化があったということではないだろうか。ダークサイド側でもボス的存在であるスノークにも衝撃的なことが起き、若い世代へとバトンタッチされた。本作品では見事に世代交代が行われている。

 
初見ではいろいろ衝撃を受け疑問に思った部分もあるが、最終的な結論として本作品は傑作のひとつではないだろうかと私は思っている。もっと言ってしまえば実際は2019年公開予定の「エピソード9」が「シークエル・トリロジー」の締めくくりであるが、今回を完結としても良いのではないかと思える出来であったと思う(もちろん、レイやカイロ・レンがどうなっていくのかは観たいけど)。それぐらい「スター・ウォーズ」の本質をついていると思う。

 
ではその本質とは何かといえば、『「フォース」とは何か』ということである。今までヨーダやオビ=ワン・ケノービなどがフォースについて言及をしているが、あくまでジェダイ寄りの解釈である。今回、ルークはその考えを昇華してさらに上の高みに達した気がする。それこそが本当のルークの変化であり、映画の本質ではないだろうか。

 
ストーリー内だけでなく、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーが、ルーカス・フィルムを買収してから多くの変化が起きている。それ以前は過去の作品を何度も観直す日々しかなかった。それが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開から始まり、スピンオフや新たな3部作の制作、動画配信サービスへの参入によるテレビシリーズの制作(仮)、コミックの展開など、形を変えて今後も変化を続けていくだろう。私が生きている間は形を変えながら新しい「スター・ウォーズ」を楽しむことが確約された気がする。嬉しい(気持ち的に)ような悲しい(お財布的に)ような(笑)。

 
そう考えると変化は必要だ。変化があるからこそ新しいものが生まれ、次へと繋がっていく。そしてそこには多くの喜びと感動があるのではないだろうか。

 
どんなことであれ、今後も変化をポジティブに受け入れて楽しんでいきたいと思う。

 
Remember, the Force will be with you, always.

 
 
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
監督:ライアン・ジョンソン
出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライバーほか
製作年:2017年
製作国:アメリカ
https://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html

 
Written by 塩崎邦宏

 
[JVTA発] 今週の1本☆ 3月のテーマ:チェンジ
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

 
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