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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『マッチスティック・メン』

今週の1本 『マッチスティック・メン』
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5月のテーマ:風

 
ニコラス・ケイジが好きだ。
しかし、女性にはあまり共感してもらえない…。

 
先日、主演作『オレの獲物はビンラディン』を劇場で観た時も客席は男性ばかりで、女性はごくわずかだった。確かにこの作品のニコラスは、役作りででっぷりと大柄になり、白髪とひげを蓄えて“キテレツオヤジ”を熱演。ファンである私でさえ「ちょっと気持ち悪い…」と思ってしまう“怪演”(いや、“快演”?)だった。

 
『ザ・ロック』や『コン・エアー』『フェイス/オフ』『60セカンズ』などアクションのイメージが強いので、男性ファンが多いのは頷ける。しかし、『天使のくれた時間』や『シティ・オブ・エンジェル』『コレリ大尉のマンドリン』といったラブストーリーもあれば、『赤ちゃん泥棒』や『アダプテーション』のようなコメディもありと、多彩な役どころをこなせるのが彼の魅力だと思う。

 
なかでも『マッチスティック・メン』は、アクション、サスペンス、コメディ、ファミリーなど、1本の中にさまざまな要素が盛り込まれている傑作といえるだろう。

 
ニコラスが演じるのは、やり手の詐欺師、ロイ。極度の潔癖症で几帳面、受話器は常に拭き、ドアや窓を「1、2、3!」と唱えながら規則正しく開け閉めしないと気が済まないという徹底ぶりだ。相棒フランクは、その病的な様子を心配し、知り合いの精神分析医クラインのもとに通うことを勧める。カウンセリングを受ける中でロイは十数年前に別れた妻のもとに離婚後、14歳の娘、アンジェラが生まれていたことを知る。そして、アンジェラとの出会いで、ロイの生活に新しい風が吹き抜けるのだ。

 
やがてロイとフランクは大金持ちのチャックを罠にかけるが、アンジェラも巻き込まれ、危機的な状況に追い込まれていく。真の詐欺師は誰なのか? すべてがひっくり返るラストまで目が離せない。

 
この作品でも、ニコラスはさまざまな顔を見せてくれる。鮮やかな詐欺師、家中をせっせと掃除する神経質な男、スーパーマーケットのレジ係の女性にときめく男…。なかでも娘のわがままなふるまいに苛立ち、困惑しながらも厳しさと優しさを秘めた父親の表情がいい。ニコラスファンならずともテンポよく楽しめるはずだ。

 
「そうそう、こういうハートウォーミングなニコラスを見たい!」という人には、『あなたに降る夢』もおすすめ。宝くじをきっかけに思わぬ夢をつかむ善良な警察官を演じている。

 
ちなみに、最近のニコラスの作品は『マッド・ダディ』や『ダークサイド』(いずれも来月6月に日本で公開)など、サスペンスやホラーの色が強い。園子温監督の初の英語作品『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(原題)/ Prisoners of the Ghostland』にも主演が決まったようだ。バイオレンスシーンに弱い私は予告編で怖気づいてしまい、なかなか本編を観られないのが残念。もっと安心して楽しめる娯楽作品にもまた出てくれないかな…。

 
『マッチスティック・メン』
監督:リドリー・スコット
製作総指揮:ロバート・ゼメキス
出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマンほか
製作国:アメリカ
製作年:2003年

 
★冒頭で触れた『オレの獲物はビンラディン』は、JVTA修了生の岩辺いずみさんが日本語字幕を担当しました。岩辺さんのメッセージを紹介した記事はこちらからご覧ください!
http://www.jvta.net/tyo/finding-binladen/

 
Written by 池田明子

 
〔JVTA発] 今週の1本☆ 5月のテーマ:風
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

 

 
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