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発見!キラリ「遥か遠い異国で過ごした素敵な時間」

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11月のテーマ:遠い
 

 

これまで韓国、日本、カナダ、アメリカに住んできたが、それ以外の国には訪れた事がない。もちろん旅行を含めてだ。そんな私に転機が訪れたのは大学4年生の時だ。同期の友人より遅めの卒業であったので、一人で卒業旅行を行くことにした。‘学生最後の旅だ’‘せっかくの機会なので周りが訪れないような国に行こう’と悩んだ結果、決めたのは“キューバ”。中南米に位置しているキューバはこれまで訪れたどの国よりも遠く、未知数の国であった。
 

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言葉も通じず、誰に頼る事もできなく、文化もわからないキューバでの思い出は今でも忘れる事はできない。キューバに入国する前からトラブルが発生した。メキシコでの乗り換え便の遅延だ。言葉がわからないので原因もわからず、Wi-Fi難民であったためキューバのホストにも連絡が取れない。‘ホストも空港に迎えに来たのなら発着便の掲示板に遅延と書かれていれば待ってくれるだろう’とのんきな考えをしたものだ。結局当初より4時間遅れてキューバの首都ハバナに到着。待っていてくれるだろうとのんきな考えを持っていたが、夜中の1時が過ぎていたため、実際にホストに会った時は感動をした。しかし、最大のハプニングが翌日起きる事はこの時はまだ知る由もない。
 

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翌日、オールド・ハバナ(旧市街地)の周辺を散策していたら現地人に話しかけられた。もちろん、スペイン語がわからないので英語でのコミュニケーションだ。キューバの人はほとんど英語ができない。商品を売ろうとしている商人を除いてだ(この時はまだ知る由もなかった)。フレンドリーに話をかけられた商人からキューバ産の葉巻をお土産にどうだと勧められた。前日の深夜に到着をしたので、もちろん現地の通貨(ペソ)は持っていない。すると彼は優しく両替所まで案内をしてくれるというのではないか!営業がうまい彼に乗せられ旅費の大半を両替した。上等な葉巻2箱とサービスの葉巻をもらい、宿に帰ってから気づいた。葉巻に旅費の半分近くを使ったのだ。初日に半額を使った結果、行きたかった世界遺産のビニャーレス渓谷に行けないのはもちろん、羽振りよく遊ぶ計画は水の泡となった。
 

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絶望感に浸ったのも半日。せっかく地球の裏側まで遊びに来ているのだから何としても楽しもうと思考を転換。翌日から1日2食でハバナ中を駆け巡った。交通費を抑えるため交通機関を利用せずにひたすら歩いた。現地人のマーケットや住宅街など、非観光地では珍しそうに見られた。そのおかげで、観光ガイド誌に載っていない現地人の暮らしを間近で見られたのは良かった。
 

汗が噴き出る節約の努力が実り、念願の地方都市までの旅費を準備できた。訪れた街は世界遺産に登録されているトリニダ。街にはまだ馬が荷物を牽いている光景があちこちで見ることができる。トリニダの街は一枚の絵のように、コロニー時代の面影がきれいに残されていた。街の南側には青いカリブ海が、西側にはサトウキビ産業で一時代を築いたロス・インヘニオス渓谷がある。どの景色も気に入ったが、トリニダでの一番のできごとは友を作ったことだ。泊まっていた宿の息子フリアンは朝食の準備などの世話をしてくれた。朝食の後、彼から学ぶスペイン語講座は日課となった。
 

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彼と過ごした楽しいトリニダでの日々も終わりを迎えた。何か彼にプレゼントがしたいと思ったが、極力荷物を減らしたかったため日本的なものはゼロ。その時リュックから見つけたのはハバナで買った葉巻。おまけでもらった小さい1箱を彼にプレゼント。葉巻はとても高価なものなので現地でも吸える人は少ないらしくフリアンは大喜び。一時は葉巻の大量購入で悩んだが、おかげでキューバ人の友達と友情を深める事ができた。悔いよりは満足感があるのが本心だ。
 

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これまで訪れたことのない遠い国、キューバへの旅。コミュニケーションもまともに取れず、ハプニング続きの旅であったが、異国の地で築いた確実な友情は決して忘れることはないだろう。いつか遠い国にいる友と一緒に葉巻を吸う日を待ちわびながら…。
 

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Written by パク・ソンジュン
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新卒として日本映像翻訳アカデミーに入社。グローバル・コミュニケーション・サポート部門(GCS)で日→英、日→多言語の翻訳案件を担当。

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[JVTA発] 発見!キラリ☆ 11月のテーマ:遠い
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆ と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

 
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