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【80年代悪役メモリアル①】サヨナラ、ロボコップ! カートウッド・スミスin『ロボコップ』

【80年代悪役メモリアル①】サヨナラ、ロボコップ! カートウッド・スミスin『ロボコップ』
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【最近の私】気になっていた映画『ドント・ブリーズ』を観ました。怖くて面白い! ハラハラし通しで観終わって疲れました。事前に情報を入れずに観ることをおすすめします。
 

子どもの時、自分は主にテレビで放送される映画を観ていた。そして高校生になった1980年代後半から、映画館やレンタルビデオでさまざまな作品を観るようになった。そのせいか、1980年代に観た映画で記憶に残る悪役が多い。その中から、今回は『ロボコップ』(1987年)でカートウッド・スミスが演じた悪役を紹介したい。
 

映画の舞台は近未来のデトロイト。街は治安が悪く、警察は民間企業オムニ社に運営されている。この街の犯罪組織のリーダーが、カートウッド・スミス演じるクラレンスだ。彼は31人の警官を殺害した容疑で指名手配されている。デトロイトに赴任してきたマーフィ巡査(ピーター・ウェラー)はクラレンスを追うが、逆に彼らに捕まり、殺されてしまう。このシーンは凄まじい。クラレンスが「俺は警官とは相性が悪い」とショットガンを撃って、マーフィの右手を吹き飛ばしてしまう。激痛に苦悶の表情を浮かべるマーフィ。さらにクラレンスと部下たちが、ショットガンでマーフィに弾丸を撃ち続ける。このシーンは、子どもが虫の足をもいでしまうような残酷さがある。本作はこの場面をはじめ、バイオレンス描写が過剰なのが特徴だ。射殺されたマーフィは、オムニ社が進めていた「ロボット警官プロジェクト」により、半分人間、半分機械のロボコップとして蘇る。
 

本作のポール・ヴァーホーヴェン監督は、クラレンスを「ナチス親衛隊の隊長ヒムラーをイメージした」と話している。クラレンスは眼鏡をかけ、その慈悲のない言動は、冷酷な軍人のようである。これは彼の演技力によることが大きいだろう。中盤でロボコップがクラレンスを逮捕する場面では、クラレンスは「俺の黒幕はオムニ社の重役だ。そいつの名前を言うから」とあっさりボスの名前を口に出す。刑事を殺したり、自分が助かるためにはボスさえも売ったりするような卑劣な悪役で、申し分ないゲスなキャラですね。黒幕はオムニ社の重役なので、クラレンスは自由に強力な武器を手に入れることもでき、たとえ逮捕されても釈放されてしまうという、最悪な悪党である。
 

映画の終盤、再びロボコップはクラレンスと対峙する。追い詰められたクラレンスは「降参だ」と言いながらも、ロボコップを罠にかける。クラレンスは鉄の槍をロボコップの胸に突き刺し、「サヨナラ、ロボコップ」となぜか日本語で言う。そんなクラレンスに、ロボコップが腕に内蔵された大型のクギをクラレンスの首にグサリとえぐりこむ。「ぐえ~」と首からビューと血を流しながら、苦しそうに息絶えるクラレンス。自分の考える「悪役は強く、非情で、無残な最期を迎えるべし」という法則に沿っていて、観ていてスッとするのである。
 

スミスは本作のこの悪役で注目を浴び、以降は『いまを生きる』『ブロークン・アロー』をはじめ、多数の映画に出演、悪い役だけでなく、時には善人も演じている。それだけ強烈な印象を残したということだろう。自分も彼の代表作を上げるとするなら、やっぱりDVDで何度も繰り返して観ている『ロボコップ』になりますね。
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 

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