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3月は人気声優による音声ガイドでアニメ映画を観よう!!

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バリアフリー映画鑑賞推進団体「シティ・ライツ」が運営するユニバーサルシアター“CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)”では「春のアニメ特集」と題して4作品を音声ガイドと字幕付きで上映しています。その中でも『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』と『秒速5センチメートル』では、それぞれ有名声優の戸松遥さんと梶裕貴さんが音声ガイドを担当しています。
ということで、音声ガイド制作の経緯について支配人の和田浩章さん(写真)とアドバイサーの安由美さんにお話を伺いました。

 

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JVTA 売れっ子の声優が音声ガイドナレーションを担当するのは珍しいですね。起用することになった経緯を教えてください。

 
和田さん『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-(以下、SAO)』は音響監督の岩浪美和さんがアスナ役の戸松遥さんに直々にご連絡してくださり、実現しました。出演者の方が音声ガイドをしたら話題になると岩浪監督も考え、戸松さんも少しでも貢献できるならと快く引き受けてくださいました。

 
秒速5センチメートル - コピー
© Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

 
『秒速5センチメートル』は制作会社のコミックス・ウェーブ・フィルムさんから梶裕貴さんのお名前が挙がりました。梶さんご自身も新海誠監督のファンだということで快諾していただきました。ガイドの制作にあたっては “視覚障害者の方にどのように届けられるか?”と深く考えて収録に臨まれ、僕らの中ではOKだったテイクも、自分からもっとこうしたい、もう1回やらせてもらえないですか? と何度もリテイクを重ねてくださいました。

 
JVTA 戸松さんはアスナ役とガイドの両方を担当されているので、声の判別ができるかな? と疑問に思っていたのですが、実際聴いてみると全く違いましたね。音声ガイドは淡々と話すのが一般的ですが、戦闘シーンでは戸松さんの“演技”が入ったガイドが印象的でした。

 
ソードアート・オンライン - コピー
(C)2016 川原礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project

 
和田さん 僕は“音声ガイドをエンタメ化する”という目標を掲げています。戦闘シーンを抑揚なくガイドするのはあまり面白味がないので、実況のようにガイドを読んでもらいました。健常者の方にも面白く聴いてもらえて、かつ視覚障害者の人が嫌な気持ちにならないガイドを作れたらなと。
今回、戸松さんには戦闘シーンに合わせて「○○%ぐらいのテンションでお願いします」と伝えながら収録を行いました。特に序盤の戦闘シーンではお客さんを引き込むような激しい音響になっていたので、ガイドも負けないように勢いのある言い方を戸松さんにお願いしました。また終盤のラスボス戦では、他の戦闘シーンと差をつけるために、中盤のガイドをあえて控えめにして作品本編の音響を聴いてもらうようにしました。

 

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◆チュプキは約20席のアットホームな空間です。

 
JVTA 和田さんはガイドの制作に加えて収録現場でのディレクションもやっていますね。

 
和田さん 一人でガイド原稿を書いて、録音して、ディレクションをやって、編集するのは自分くらいかと思います。一人でやっているからこそ、うまく作用することもありますが、今回のガイド制作で感じたのは“ファン目線”も大切だということ。全部一人でやっていると、どうしてもそういった視点が抜けてしまうので『SAO』好きの安由美さんからアドバイスをいただきながら進めました。その結果、実際に反響としてお客さんに、ちゃんと届いているという手ごたえを感じています。キャラクターの性格やしぐさの描写は重要なポイントとなる部分を入れて、キャラクターの良さを引き立てようと思いました。

 
安由美さん 今回の劇場版ではユイちゃんが妖精でフワフワ浮いているだけになってしまうので、ユイちゃんが唯一映るシーンは「ユイがいる」だけではなくて「ユイが敬礼している。両手を振っている」と、できるかぎりガイドを入れてくださいと要望しました。また敬礼のシーンはキャラクターに合わせて、ガイドの戸松さんにかわいく言ってもらいましたね。

 
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◆すべての座席にオーディオコントローラーが付いていていてここに個人のイヤホンを入れて楽しめます。

 
和田さん 健常者の方でも最後まで聴けるようにと後半の「ついにキタキタ! 今日が来た!」というテロップの部分はテレビ番組っぽくテンション高めで読んでいただきました。

 
JVTA 上映前にガイドで作品の事前解説がされたことには驚きました!

 
和田さん 事前解説があると、より視覚障害者の方は助かるのではと思い、今回初めてシアターで事前解説のガイドを流しました。安由美さんには原稿制作とナレーションの両方を担当してもらいました。

 
安由美さん 最初はどこまで情報を入れていいか分からなくて、好きであるがゆえにいっぱい書いてしまいました。でも情報が多いとかえって分かりづらいので、バランスを考えながら作りました。

 
JVTA 私も過去のシリーズを全部観ていたわけではないので、とても分かりやすくてありがたかったです。
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和田さん『SAO』は“動”、つまり動きの部分でしたが、一方の『秒速5センチメートル』では“静”でありながらも音声ガイドの奥深いところを皆さんに感じてもらいたいなと。特にアカゲラの飛ぶシーンのような俯瞰的シーンや風景描写はどんな表現にしようかすごく悩みました。前倒しをして入れた箇所も多いのですが、映像が追い付いたときに時間差があっても美しいと思っていただけるように言葉を選びました。

 
JVTA ラストシーンは感動的で、主題歌(※)を聴かせながらガイドを入れるという、すごく難しいシーンでもありますよね。工夫された点はありますか?
※山崎まさよし『One more time, One more chance』


 
和田さん 音声ガイドを聴いた状態でもサビがちゃんと耳に残るように、余白を計算して制作しました。ここは力の見せどころだったので、気付きにくい一瞬のシーンにもスポットをあてて、今作の魅力でもある“誰しもが持つ普遍的な気持ち”になっていただけるよう注力しました。ラストシーンも楽しんでいただけたら嬉しいです。

 
JVTA アニメ作品に遊びを持たせてガイドをするというのは、とても新鮮でした。声優さんだからこそできる表現力豊かなナレーションだと思います。

 
安由美さん アニメ作品で声優さんがガイドもやっているから観に来るという方も実際多いですね。「思っていたものと違って楽しい」というお客さんもいました。音声ガイドを知らなかった方たちが音声ガイドを知る良いきっかけになっているなと感じています。

 
20180306 005 - コピー
和田さん 僕は、自分の人生の中に忘れられない映画がその人にできればいいなと思っていて、そういうきっかけ作りをどんな風にできるかなって常に考えています。だから今後も挑戦を続けていきたいと思います。

 
JVTA 可能性が満ちあふれていますね。ガイドの作り方もそうですが、1つの作品に対していくつかのガイドを選べるようになればいいですね。

 
安由美さん 私もそう思います。例えば『ドラえもん』も普通のガイドと子供向けガイドの2種類があって選べればいいのになって。

 
和田さん 皆さんそれぞれ求めるものが異なって、いろんな考え方や価値観があるので、その人に合った音声ガイドを選べる時代になったら一番いいなって思います。

 
JVTA ガイド多めや少なめなど、個人の好みに合わせた音声ガイドを選べる時代というのがまさに理想的ですね。これからのご活躍期待しております。本日はどうもありがとうございました。

 
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まとめ
「視覚障害者だけではなく、誰もが楽しんでもらいたい」とおっしゃっていた和田さん。
声優さんの音声ガイドを聴けるのは、シネマ・チュプキだけ!
是非シアターで“音声ガイドのエンタメ化”を感じてみてはいかがでしょうか。


 
◆上映スケジュールは、CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)の公式サイトをご覧ください。
http://chupki.jpn.org/

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