修了生の鎌手美弥子さんは、名古屋を拠点に活躍する映像翻訳者です。2008年4月期のJVTA英日映像翻訳の実践コースを修了後、2009年から字幕や吹き替えの制作をはじめ、2012年にフリーの映像翻訳者として独立。これまで460本以上の作品を手がけてきました。そんな鎌手さんが先日、中日新聞で紹介されました！

 

 
この記事は、中日新聞の日曜版で毎週掲載されている「お仕事ファイル」というシリーズで、子どもの記者がさまざま職種のプロに取材をします。鎌手さんは映像翻訳者の代表として登場。1秒に4文字という目安の中での工夫や、専門的な内容はきちんと調べて視聴者の知識の度合いに合わせた言葉選びなど映像翻訳者の仕事について具体的に話しています。鎌手さんにこの取材のきっかけと当日の様子を聞いてみました。

 

★取材を受けたきっかけは？
私が以前勤めていた名古屋国際センターの職員の方のご紹介です。同センターが、新聞やラジオ、テレビなどの多くの取材を受ける中で、新聞社の方に「字幕翻訳者を知っているよ」と私を紹介してくださいました。今回の「お仕事ファイル」ではこれまで気象予報士やテレビ番組ディレクターなどさまざまな職種の方が紹介されています。

 
【鎌手さんが手がけた作品を紹介！（字幕）】　映画『招かれざる隣人』

 
★取材当日の様子は？
中日新聞社名古屋本社で、子ども記者6人から取材を受けました。1時間半という時間の中で子どもたちに映像翻訳の面白さを伝えるために、しっかり準備をして臨みました。

 
・まず私が実際に字幕翻訳をした番組（翻訳者名のクレジット入り）をチラ見せ。これは実感がわくので、子供たちの反応もよかったです。

 
・次に映像翻訳とはどういうものかを説明。
（字幕や吹き替えはどこで活用されているか、字数制限や尺合わせなどの特別なルールがあること、映像翻訳者に必要な力を5つにまとめて紹介）

 
★映像翻訳者に必要な力
・外国語（英語）を理解する力
・日本語の力
・物語の流れを読み解く力（情報の取捨選択）
・作り手の意図を読み取る力
・調べる力（背景、文化も含めていろんなことに興味をもつこと）

【鎌手さんが手がけた作品を紹介！（字幕）】『アジアズ・ネクスト・トップ・モデル』シーズン2～4』
S2は半分、S3とS4は全話を担当。
(FOXチャンネル、ファッションモデルのオーディション番組)


 

・こども記者からの質問タイム

 
・字幕制作の実演
以前私が担当したアニメ映画の1シーン（ハコ4枚ほど）を使い、全訳の意味を説明。その後、子どもたちにも使用可能な文字数内におさまる字幕を考えてもらいました。その後、その字幕を字幕制作ソフトに入力して、映像に合わせてみんなで見ました。

 
【鎌手さんが手がけた作品を紹介！（吹き替え）】『ホワイト・ラビット・プロジェクト』
偶数話エピソードの翻訳を担当。
(Netflix、科学エンターテイメント番組『怪しい伝説』(原題 Mythbusters)のスピンオフ作品）


 
★子どもたちの反応は？
実演はやっぱり好評でした！　質問タイムにも、たくさんの質問が出て、とても熱心に話を聴いてくれました。中には、「将来は映像翻訳者になりたい！」という子もいたんです！私自身もとても楽しめる取材でした。

 
映像翻訳者にスポットを当ててくれて、こんなふうに詳しく紹介できる機会は貴重なので、私もとてもうれしく思っています。

 
電子版の記事はこちら（閲覧には会員登録が必要）
http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=538716&comment_sub_id=0&category_id=577&from=life&category_list=577,578,579

 
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「やりがいは？」という質問に「映画祭で自分が訳した作品が上映され、子どもたちが笑ったり泣いたりする姿を見られたこと」と答えていた鎌手さん。鎌手さんが手がけた作品は過去にキネコ国際映画祭でグランプリを受賞しています。その時のインタビューはこちらをご覧ください！
https://www.jvta.net/?p=8285