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【セミナーレポート】 アメリカの笑いを理解するには 文化や背景の理解が大切

【セミナーレポート】 アメリカの笑いを理解するには 文化や背景の理解が大切
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12月7日(水)に東京校で特別公開セミナー『アメリカの「笑い」の秘密 こはたあつこが語るコメディを訳すための極意』が開催され、61名が参加しました。
 

こはたあつこさんは、「王様のブランチ」(TBS系)で初代映画コメンテーターとして活躍し、多くのハリウッドスターへのインタビューを経験。その後、「アカデミー賞の現場を見たい」という思いから米ロサンゼルスに拠点を移し、取材活動などを続けてきました。そして、ここ数年で力を入れているのがスタンダップコメディです。アメリカ人を笑わせるテクニックを身につけようと学校にも通ったとか。そんなこはたさんが、コメディクラブのステージで観客からの反応を肌で感じできた経験を生かし、アメリカの笑いの特徴や、面白さを理解するためのコツなどを語ってくれました。
 

まず第1部では、スタンダップコメディの特徴、こはたさんが始めたきっかけ、代表的なスタンダップコメディアンを紹介。

こはたさんtop - コピー (2)

こはたさんがスタンダップコメディアンを始めたのは、執筆の仕事が増えてきた頃で、「マイクを持ってしゃべりたい!」と思った時、頭に浮かんだのが「スタンダップコメディ」だったとか。スタンダップコメディアンは男性が多いそうですが、最近では気軽に学校に通う女性も増えたそう。どんなスタンダップコメディアンがいるのか、こはたさんは代表的な4名をピックアップし、彼らのステージ映像を紹介。あまり日本では馴染みのないスタンダップコメディアンですが、それぞれ違った特徴と笑いのテクニックを持っていることをレクチャーしました。
また、アメリカと日本の笑いのテクニックに細かな違いはあるものの、理解する上で一番重要なのは「その文化や背景を知ることだ」とこはたさんは語りました。
 

◆こはたさんが選んだ代表的なスタンダップコメディアン
・Wanda Sykes(ワンダ・サイクス)
・Louis C.K(ルイス・シー・ケー)
・Chris Rock(クリス・ロック)
・Ellen DeGeneres(エレン・デジェネレス)

 

第2部のテーマは“シットコム”。シットコムとは、スタンダップコメディとドラマの間で、必ずストーリーの中に笑いの要素が組み込まれています。「シチュエーションコメディ」のことで、登場人物こはたさんはシットコムの学校にも通い、テクニックやその法則を学んだそうです。その1つがシットコムの設定に欠かせない8人のキャラクター。「常識的な人」、「失敗ばかりするけど憎めない人」、「神経質な人」、「おバカな人」、「常に意地悪な人」、「セクシーな人」、「世の中はお金だと信じている人」、「自分の世界に入っている人」が登場します。ちなみに、こはたさんが先生からピッタリだと言われたキャラクターは、「自分の世界に入っている人」だったとか。
 

こはたさんセミナー風景 - コピー

また、第1部でも語っていた「文化や背景の理解」はシットコムでも重要。そこで笑いの要素が入った3つのドラマのワンシーンを観ながら、その背景や面白さをこはたさんが丁寧に解説しました。また、コメディ作品を翻訳する時、キャラクターにあった言葉選びがどれだけできるかで面白さも変わってくるといいます。そこで、アメリカで人気のお笑いYouTuberの映像を見ながら、どんな言葉がぴったりなのか、参加者たちとアイデアを交換。“I”という主語に対し、「アタイ」「あたしゃ」「うち」など、さまざまなパターンが出ました。
 

◆こはたさんが解説したコメディ作品
・『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』(2007年~)
・『The Office』(2005年~2013年)
・『Key and Peele』(2012年~2015年)
・『Miranda Sings』(YouTuber)

 

質疑応答では、「日本語字幕を作るときに韻を踏むのが難しい」という参加者の悩みに対し、こはたさんは「笑いの構造を見ながら、どうオチを持ってくるのか考えるのが大切です。」とアドバイス。最後はこはたさんが最近読んで面白かったという書籍『インフェルノ』のペーパーバックのプレゼントを懸けてジャンケン大会が行われ、最後まで勝った方にサイン付きで贈呈されました。ちなみに見事、優勝した方は先日、映画『インフェルノ』関連の映像を翻訳したばかりだったそうです。
 

こはたさんプレゼント贈呈 - コピー

文化や背景を理解するにはコメディ作品を観たり、実際に現地に行ったりするのも手だというアドバイスで2時間のセミナーは締めくくられました。映画コメンテーターのイメージが強いこはたさんですが、スタンダップコメディアンとしての新しい一面を知る機会にもなりました。
 

セミナー終了後「笑いについて、まだまだ話せることはたくさんあるし、自分でももっと勉強していきたい」と意欲を燃やしていたこはたさん。セミナー第2弾の開催もあるかもしれません。その際は、ウェブサイトで発表しますので、お楽しみに。
 

◆こはたさんおススメのコメディ映画
・『This Is The End』(2013年)
・『The interview』(2014年)

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