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根岸季衣さん主演映画『まなざし』 卜部敦史監督インタビュー

根岸季衣さん主演映画『まなざし』 卜部敦史監督インタビュー
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根岸季衣さん主演の映画『まなざし』が8月27日(土)から渋谷アップリンクで劇場公開されます。罪を犯し疎遠になっていた父親を介護する娘の姿を描いたこの作品は、日本での公開に先駆けてタイやドイツの映画祭で上映され、話題となりました。この作品の海外上映のために、JVTAの修了生の仙野陽子さんが英語字幕を、同じく修了生の蔭山歩美さんが映画祭出品サポートのための翻訳を担当しました。監督は、自らも介護の仕事に従事している卜部敦史さんです。卜部監督は、日本での劇場公開のために自らクラウドファンディングを起ち上げ、目標金額70万円を大きく上回る220万円を達成し、今回の劇場公開が実現しました。そこで卜部監督にこの作品に込めた想いや、英語字幕や海外の映画祭出品の準備のエピソード、各国の反響などを聞きました。
 

クラウドファンディングのページはこちら
https://readyfor.jp/projects/manazashi/announcements/40373
 

◆卜部監督が介護というテーマを選んだきっかけを教えてください。

卜部監督 - コピー

卜部敦史監督 私は普段映像の仕事をしながら、介護の仕事をしています。私は介護の仕事に出会うまで、「死」というものに対して怖い、悲しい、避けたいなどネガティブなイメージしか抱いておりませんでした。しかし、私が勤務する介護施設にいらしたある終末期を迎えた方から頂いた「人生は少しずつ良くなる」という言葉にとても感動し、「死」に対するイメージが以前よりも恐ろしいものではなくなりました。もしかしたら「死」は誰かに何かを与える事のできる、とても穏やかなものなのかもしれない、と。数日後、その方は眠るように穏やかな表情で、スタッフ達に見守られながら息を引き取りました。
 

◆その方との出会いが映画の製作につながったんですね。

お祖母様と卜部監督

お祖母様と卜部監督

卜部敦史監督 はい。介護の仕事をした事で出合った「人生は少しずつ良くなる」という、前向きで希望的な言葉。これを何とか学生の頃から続けてきた、映画という表現手段で描きたい! そしてそれを沢山の人達に伝えたい! その一心でこの作品を制作しました。何とか多くの方に観ていただき、映画館を介護の希望について議論するきっかけの場にしていきたいです。そして、とかくネガティブなイメージがつきまとう介護の話を、もっと前向きに話せる社会にしていきたいです。
 

◆日本での劇場公開に先駆けて海外の映画祭に出品された理由は何でしたか?

映画『まなざし』より

映画『まなざし』より

卜部敦史監督 介護の話は家族の話。それは普遍的な話で、「超高齢社会を迎えた日本の介護を描いた今作は、国境を越えていろいろな方に注目・共感していただけるのでは?」という直感がまずありました。もちろん日本でも劇場公開はしたかったのですが、小さな規模の映画なので、まずは海外の映画祭に出品し、評価を得て箔をつける事が必要と感じ、英語字幕のできる方を探しました。そこで出会ったのが仙野陽子さん(JVTAの修了生)です。
 

◆仙野陽子(JVTAの修了生)さんと英語字幕を作った時のエピソードを聞かせてください。

映画『まなざし』より

映画『まなざし』より

卜部敦史監督 仙野さんには、何回も細かいニュアンスのやり取りや調整をしていただき、とても丁寧なお仕事をしていただきました。今作はタイトル通り、「視線」が非常に重要なコミュニケーションツールとなっております。作品全体を通してほとんど台詞も無く、逆に少ない限られた文字情報で、お客さんにどうやって正確な内容を伝えるか? そこが最も大事であると考えました。英題『The Look』も仙野さんに相談し決まったタイトルです。『The Look』には「特別な視線」というニュアンスもあり、邦題『まなざし』を昇華させる意味として現在も邦題の横に必ず表記しています。素晴らしいタイトルを付けていただき仙野さんには本当に感謝しております。
 

◆その後、海外の映画祭への出品へ向けて、蔭山歩美さん(JVTAの修了生)と準備を進めたんですね。

ドイツのニッポン・コネクションにて

ドイツのニッポン・コネクションにて

卜部敦史監督 蔭山さんには、映画祭との英語のメールのやり取りや、映画祭に送る英語の作品資料制作、現地の舞台挨拶で話すスピーチの内容等の翻訳をご担当いただきました。急な相談ややり取りにも迅速に対応していただき、本当に心強かったです。お二人の素晴らしい活躍のおかげで、作品はタイの第13回バンコク世界映画祭、ドイツのニッポンコネクション2016で上映され、大きな反響を呼びました。
 

◆海外での反響はいかがでしたか?

バンコク世界映画祭にて

バンコク世界映画祭にて

卜部敦史監督 タイもドイツも高齢化を迎えており、多くの方が日本の在宅介護を描いたこの物語に非常に興味を持って会場に観に来られたという印象がありました。介護疲れからやつれていく主人公の姿に自身の人生を重ね涙する方や、台詞ではなく映像本来が持つ画の力に魅せられたという方も多数存在しました。逆にこういった静かで説明の少ない映画を見慣れていない方からは、「退屈だった」「何故劇中音楽をかけないんだ」とストレートな意見も…。日本で上映する時は、日本人の性格なのかそこまで率直な意見が出なかったのですが、そこは文化の差なのかなと思いました。文化の差と言えば、タイはどんな映画でもエンドロールが流れるとすぐにお客さんは帰り支度をし始めます。『まなざし』はラストシーンの後のエンドロールにも制作者の想いが込められているので、ちょっとそこは残念というか、「あぁ〜、待って〜。余韻を楽しんでほしいのに‥‥(涙)」とちょっぴりジレンマがあった事も事実です(笑)。
 

◆日本ではぜひ、エンドロールまでじっくりと観てほしいですね。国内での反響も楽しみです。ありがとうございました。

卜部敦史監督 はい、ぜひ最後まで席を立たずにご覧頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。
 

メイン文字無し - コピー

『まなざし』
8月27日(土)から渋谷アップリンクで公開
(※この上映では英語字幕はついていません)
公式サイト
http://www.manazashi-thelook.com/

 
 

【関連記事】
JVTAの修了生が映画『まなざし』の英語字幕と映画祭出品サポートを担当しました!
http://www.jvta.net/tyo/manazashi-sennosan-kageyamasan/

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