News
NEWS
voiceinTYO

修了生・小松原宏子さんが名作をモチーフに児童短編小説を執筆!

修了生・小松原宏子さんが名作をモチーフに児童短編小説を執筆!
Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page

児童書『名作転生』シリーズが6月13日に発売、JVTA修了生の小松原宏子さんが短編を執筆しています。『名作転生』は「だれもが知っている話をだれも知らないかたちで」をテーマに、『ハーメルンの笛吹き男』や『羅生門』、『人魚姫』など誰もが一度は読んだことがある名作をモチーフに創作された短編を収録。小学校高学年の読者をメインターゲットに、今回発売されたのは、脇役や悪役にフォーカスした『悪役リメンバー』と『脇役ロマンス』の2冊。小松原さんは『ディオニス王の孤独』(オリジナルテキスト『走れメロス』)と『ロザラインの憂鬱』(オリジナルテキスト『ロミオとジュリエット』)の2作品を執筆しました。小松原さんは、翻訳者だけでなく、児童文学作家としても活躍しています。
 

同書の編集を手がけた学研プラスの永渕大河さんと小松原さんにこの本の企画のきっかけや創作の工夫などを伺いました。
 

◆編集を担当した永渕大河さん
株式会社学研プラス (幼児・児童事業部 絵本・読み物編集室 読み物チーム)

 

●名作には多くの人を惹きつける力がある
昨今、大学のセンター試験の国語では、牧野信一の『地球儀』や、岡本かの子『快走』、井伏鱒二の『たま虫を見る』など近現代の名作から出題され、その設定やセリフがSNSなどで話題になっています。また、中学2年生の男子生徒が「メロスの全力を検証」という研究を発表し、メロスの“全力疾走”に疑問を呈して大きな反響を呼んだこともありました。誰もが知っている名作は共通の話題として多くの人を惹きつける力があると実感したことが『名作転生』の企画のきっかけでした。

2冊分の書影 - コピー
 

●あえて悪役や脇役にフォーカスした面白さを楽しんでほしい
小学生も5年生くらいになると少し背伸びをしたくなる年代であり、ただ勧善懲悪で分かりやすい物語よりもちょっと苦さや切なさもある物語を求め始めます。あえて脇役や悪役の視点にするなどして斜め横から物語を展開することで、王道のストーリーに馴染めない年代にも共感できるようにしたいと考えました。児童書から一般書への読書体験に続くための橋渡しとして、原典を下敷きにした物語の遊び方もあるのだと楽しんで欲しいですね。小松原さんにフォーカスしていただいた『ロミオとジュリエット』の脇役のロザラインという女性も、実は僕自身もあまり記憶になく、興味深かったです。他にもシンデレラの姉や古典落語『死神』の死神を主役にするなど、オリジナルを知らなくても読み物として面白く、オリジナルにも興味を持ってもらえる内容になっていると思います。昔の名作を現代に置き換えるとより親しみやすくなるというメリットもあります。この本がオリジナルを読むきっかけになり、子どもも大人も名作という共通の知識で語り合う楽しさを知ってもらえたら嬉しいですね。

ロザライン

◆2作品の執筆を担当したJVTA修了生 小松原宏子さん
 

●世界の名作の編訳の経験を活かし、新たな創作に挑戦
学研の編集者・永渕さんから『名作転生』のお話をいただいたのは、昨年の秋。ちょうど同社の児童書シリーズ『10歳までに読みたい世界名作』全24巻のうちの「若草物語』『あしながおじさん』『家なき子』の編訳を担当した半年後のことでした。

あしなが若草

「編訳」は、原作の物語性と品位を保ちながらボリュームを大幅に減らし、なおかつ小学生向けの平易な言葉で書き直すという困難な作業でした。そこにJVTAで学んだ字幕翻訳のスキルが大いに役立ったということは、以前に取材していただいたときもお話した通りです。

※参考記事
http://www.jvta.net/?p=8759

 
今回はさらに一歩進み、「古典作品を新たな視点でとらえた創作」。高いハードルでしたが、“10歳名作シリーズ”編訳の経験が最大限に活かせるのではないかと、わくわくする気持ちでお引き受けしました。

 
●メロスやロミジュリの脇役、悪役に中学生の女の子がキュンとする
ディオニス
『名作転生』の1巻『悪役リメンバー』では『走れメロス』のディオニス王を取り上げました。これは永渕さんの提案です。自分も教科書で読んだ覚えのあるこの作品が、今も中学校の国語で教えられていることを知り、懐かしさもありました。実際、物語にするのは大変でしたが、素敵な本に仕上げていただいたときは嬉しさ百倍でした。

 
ロア中
2巻『脇役ロマンス』では、本当は『オセロ』の妻のデズデモーナや『ハムレット』の母のガートルードをやりたかったんです。でも、これまた永渕さんが「同じシェイクスピアなら子どもでもタイトルを知っているロミジュリにしてください」と。結果的には大成功でした。セリフの中にしか出てこないロザラインというロミオの前の恋人を題材にしたのですが、中学生の女の子が「胸がキュンキュンした」と言ってくれて。

 
●字幕翻訳で鍛えたスキルが初の短編創作の武器に
ディオニス中
いずれにしても短編の創作は初めてだったのですが、私はもともと長編創作を得意としていたので、初めから短いものを書くのではなく、まず長いものを書いてから、ひたすらそぎ落として形をつくっていきました。この作業がスムーズにできたのも、文字制限との闘いである字幕翻訳で鍛えていただいたおかげかもしれません。

 
◆名作転生 1巻 『悪役リメンバー』
著 北野勇作、粟生こずえ、小松原宏子、森奈津子、小島水青、こざきゆう
http://hon.gakken.jp/book/1020463800
shoei1 - コピー

◆名作転生 2巻 『脇役ロマンス』
著 小島水青、小松原宏子、北野勇作、こざきゆう、森奈津子、粟生こずえ
http://hon.gakken.jp/book/1020463900
shoei.2 - コピー

JVTA東京校に展示していますので、ぜひ、お手に取ってご覧ください!

 

★小松原さんが過去に翻訳を手がけた
『スヌーピーと、いつもいっしょに PEANUTSを生んだチャールズ・シュルツ物語』
取材記事はこちら
シュルツ表紙 - コピー
http://www.jvta.net/tyo/snoopy_book/

Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page