2016年のUNHCR難民映画祭（現国連UNHCR難民映画祭）で日本初上映された『ソニータ』が、10月21日（土）から渋谷アップリンクで劇場公開されます！ JVTA修了生7名の皆さんがこの作品の日本語字幕を担当しました。映画祭のパンフレット表紙のメインカットになっていたほか、メディアを対象にした記者会見で先行上映された話題作です。

 

© Behrouz Badrouj

 
『ソニータ』は、マイケル・ジャクソンとリアーナに憧れてラッパーを目指す少女、ソニータの姿を追ったドキュメンタリー。彼女はアフガニスタンのタリバンから逃れ、難民としてイラクのテヘランで暮らしています。アフガニスタンでは古いしきたりにより、今でも多くの女性が強制婚を強いられています。アフガニスタンに住むソニータの両親も、16歳になった娘を見知らぬ男性に嫁がせようとしているのです。花嫁の値段は9,000ドル。女性が歌うことさえ許されないイランで、夢を叶えるために苦悩するソニータ。家族との絆も大事にしたい、夢も叶えたい…。そんなソニータの想いを吐露したビデオクリップ「売られる花嫁」（brides for sale）が人生を変えていきます。

 

© Rokhsareh Ghaem Maghami

 
◆日本語字幕を手がけた翻訳者の皆さん
先崎進さん（チームリーダー）
吉村朋子さん（サブリーダー）
廣澤万里さん
中島幸江さん
行本泰子さん
吉田朋世さん
岩﨑里香さん

 

© Behrouz Badrouj
劇場公開の知らせに、「一般公開になると聞いて大変うれしく思っています」「1年前に手がけた作品ですが、強く印象に残っています」「感動して泣きながら翻訳をしました」「あらためて、この作品のお手伝いができたことを、誇りに思います」「特に若い人たちに、是非見ていただきたいと思います」といった喜びの声が届いています。皆さん、お疲れさまでした！

 
◆リーダーの先崎進さんは毎年、難民映画祭の翻訳に参加。2016年、先崎さんに伺ったインタビューでも『ソニータ』のお話を伺いました。
https://www.jvta.net/tyo/2016nanmin-senzakisan/

 

© Behrouz Badrouj

 
約1年を経て劇場公開へ！　今回はサブリーダーの吉村朋子さんにコメントを頂きました。

 
◆サブリーダー・吉村朋子さんのコメント
「祭」と名が付くものには目がないもので、これまで数多くの映画祭に参加させていただきました。その中でも難民映画祭、特に今回携わった『ソニータ』にはとても思い入れがあります。字幕担当のチームメンバーは皆ボランティアですが、昼夜を問わず連絡を取り合い、作品に込められたメッセージをしっかりと伝えられるセリフにしようと推敲を重ねました。主人公ソニータは強制結婚から逃れようと、ラップを歌うことで抵抗します。過激な歌詞ではありますが、親を責めるだけではなく、「なぜ？」と訴えかける彼女の葛藤や10代の少女らしさを意識することと、ラップなので日本語の歌詞になってもリズムが損なわれることのないように気を使って訳出しました。彼女の魂の叫びが観客の皆様に伝わればと願っております。伝統といえども、ソニータは家族から物のように扱われているようにも見えますが、彼女はただ怒りをぶつけるのではなく、すねるのでもなく、周りを気遣いながら自分が進みたいと思う道をあきらめずに模索します。アフガニスタン出身の少女がラップを歌うだけでも相当なインパクトですが、そんなソニータの人生の切り拓き方こそ作品の大きな見どころだと思います。

 
「売られる花嫁」（brides for sale ）

 
『ソニータ』は10月21日（土）から渋谷アップリンクで公開。その後も神奈川、愛知、大阪、兵庫で順次公開予定です。どうぞご覧ください！

 

© Behrouz Badrouj

 

© Behrouz Badrouj

 
『ソニータ』オフィシャルサイト
http://unitedpeople.jp/sonita/
2017 年10 月21 日（土）、アップリンク渋谷他にてロードショー
フェイスブック
https://www.facebook.com/sonitajp/