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バリアフリー講座の修了生がスポーツ情報番組でデビュー

バリアフリー講座の修了生がスポーツ情報番組でデビュー
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バリアフリー講座修了生の岩佐さと美さんは今年2月に講座を修了したばかり。
翌月には早くも音声ガイドディスクライバーとしてデビューしました。「音声ガイド」とは、視覚障害者に映像を正しく理解してもらうために、元々入っているセリフや音楽、効果音などの音情報の合間に、画面上の登場人物の行動や、景色、場面の転換などの視覚情報を音声で解説する手法です。岩佐さんが担当したのは、スポーツテレビ局J SPORTSの情報番組『BOOMER』(約30分)。『BOOMER』は、スポーツを通じて「見る!」「知る!」「やってみる!」「楽しむ!」をテーマとした番組で、“BOOMERガール”が最新ギアやイベントなどを紹介していきます。収録現場で岩佐さんに、初仕事の感想やバリアフリー講座の受講中に感じたことを聞いてみました。
 

Jrogo小 - コピー
 

●音声ガイドの収録現場での岩佐さんのお仕事について教えてください。
 
このスタジオでは私が作成した音声ガイドの原稿をプロのナレーターさんが読み、映像と合わせて収録していきます。私はスタジオに立ち会い、本編のナレーションの発音との音声ガイドの発音の整合性がとれているか、ガイドの抜けがないかなどをチェックしました。ガイドの長さがどうしても収まりきらない時はその場で変更をすることもありました。
 

●音声ガイドの原稿をつくった時に苦労した点はありますか?
 
今回は、アメリカンフットボールやエアレースといったこれまで私には馴染みのなかったスポーツが紹介されていたので、まずはそのスポーツについて調べるところから始まりました。翻訳の場合は、元になる原稿がありますが、音声ガイドの場合は見たままの映像を伝えるためにイチから言葉を作らなければなりません。これは何というプレーなのかを一つひとつ確認しながら、選手や飛行機の動きを分かりやすく伝える表現を考えていきました。スタジオでの収録は緊張しましたが貴重な体験となりました。
 

音声ガイド収録現場 - コピー
 

音声ガイド収録スタジオイメージ - コピー
 

bg_sportsHead

『BOOMER』公式サイトはこちら
 
http://www.jsports.co.jp/boomer/
※この番組の音声ガイドをJVTAの修了生が担当。
公式サイトでは過去の番組映像が見られるのでぜひチェックしてみてください!(音声ガイドはついていません)
 

●岩佐さんは英日映像翻訳科、日英映像翻訳科のコースも受講されていますが、映像翻訳と違いはありましたか?
 
音声ガイド、バリアフリー字幕ともに目からうろこの講義でした。
日英、英日のクラスとは視聴者のターゲットが違う分、モチベーションが全く異なる、と感じました。「どのように工夫したら視覚や聴覚から情報を得ることができない人に映像の内容を伝えることができるだろう」と常に考えさせられる日々でした。
 

例えば、音声ガイドを学んだことでさまざまな表現に興味を持ち、船が水の上を通り過ぎた後に水面に残る波や泡の筋のことを「航跡」ということを初めて知りました。でも耳慣れないこの言葉をそのままガイドにしてもきっと視覚障害者の方もピンとこないはず。こんな視点を持ちながらより伝わる表現を徹底的に考えるのがこの講座です。映像翻訳とは違う視点が求められますが、作品全体の構成を踏まえた上で、情報をまとめていくという点では共通するところも多く、楽しめました。映像に一瞬映ったものを敢えて言葉で説明すると大げさになってしまい、ネタバレになることもあるので、その加減が難しいと思います。
 

●講義で習ったことがすぐに役に立ちましたか?
 
音声ガイドの最後の講義(モニターチェック)で、視覚障害者の方から直接お話を聴けたことが現場での仕事に役立ったと思います。この日はクラスに2人の視覚障害者をモニターとして迎え、実際に私たちが講座で作成した音声ガイドを聴いて頂きました。プロのナレーターさんが朗読する音声と映像を合わせて鑑賞し、率直なご意見を伺いました。その時、モニターさんが「音声ガイド付きの作品を初めて鑑賞したとき、こんな世界があったんだと思った」と嬉しそうに話すのを聴いて、皆さんともっともっと楽しい作品を共有したい、そのために自分もお手伝いをしたいと改めて感じました。当事者のお話を聞けたことは、バリアフリーの仕事に関わる上での原点になりました。
 

IMGP1946 - コピー
 

また、この講座で学び始めてからは自然とバリアフリー関連の情報に注意が向くようになりました。聴覚障害者の女性が主人公のマンガ『聲の形』に興味を持つなど視野が広がったほか、テレビや新聞で視覚や聴覚に障害のある方たちが利用できる新たな取り組みを知ると、心から良かったなと思うようになりました。
 

●今後、どんな仕事をしていきたいですか?
 
日英映像翻訳を学んだのは、日本の作品を世界の人に紹介したいという想いからでした。
外国人が日本語の作品に英語字幕が必要なのと同じように、目や耳から情報を得られない多くの人たちも音声ガイドやバリアフリー字幕を必要としていることをこの講座で実感しました。今後は、映像翻訳とバリアフリーの講座で培ったノウハウを活かして、すべての人がもっと多くの作品に触れられるためのお手伝いをしていきたいと思っています。
 

●バリアフリー講座の受講を検討中の方にメッセージをお願いします!
 
2016年の障害者差別解消法の施行で、今後、映像のバリアフリー化の需要が増え、世の中の関心も高くなるはずです。JVTAのバリアフリー講座は、こうした現場で活躍するために必要なノウハウを培うことができる貴重な講座だと思います。映像翻訳を学んだ皆さんにも、ぜひ挑戦してほしいと思います。
 

協力:J SPORTS

MASC×JVTA バリアフリー視聴用 音声ガイド&字幕ライター養成講座
講座の詳細はこちら
http://www.jvtacademy.com/chair/lesson3.php
 

無料説明会の詳細はこちらをご覧ください。
https://www.jvta.net/tyo/6806

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