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浅野一郎の「映像のバリアフリー化」ってどういうこと?第3回

浅野一郎の「映像のバリアフリー化」ってどういうこと?第3回
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第3回:お笑いDVDにも字幕がつき始めた!
~「サンドウィッチマンライブツアー2013」での試み~

 

バリアフリー講座の修了生5名が字幕制作を手掛け、現在発売中の「サンドウィッチマンライブツアー2013」「サンドウィッチマンライブツアー2013」。サンドウィッチマンのライブツアーのDVDには、昨年から聴覚障害者向けの字幕が入るようになりました。今回は、当校の修了生5人が手がけました。このDVDの字幕は「オープンキャプション」という種類で、映画本編やDVD・Blu-rayに付ける字幕のことを指すのが一般的です。
 
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実は、「サンドウィッチマンライブツアー2013」の字幕制作には、さまざまな難問がありました。音で情報を得ることが困難な方向けに“字幕”という表現手法を使って、セリフや音情報を提供するという概念はクローズドキャプション(CC)とまったく同じですが、ライティングのルールはかなり違うのです。
 

そのひとつが「色分け」です。
CCでは主人公から順番に、役柄の重要性に応じて「黄→シアン→緑」と字幕を色分けするのが一般的(局によってルールは違います)。
黄色の字幕は、話者名表記がなくても主人公のセリフだということがビジュアル的に分かるため、主人公の話者名表記は初出時のみということもあります。
CCに対してオープンキャプションでは、基本的に白一色しか使わないため、話者表記をこまめに入れる傾向にあります(制作会社によってルールは違います)。
 

今回は、伊達みきおさんのセリフを黄色、富澤たけしさんのセリフをシアン、他の人物のセリフを白にして、それぞれ字幕に色を付けています。
エッジを入れても、字幕制作ソフト上では4色しか見えていませんし、DVDプレーヤーやパソコンで字幕を再生しても目に入るのは4色です。
しかし、実際に使用されているのは①黄色 ②シアン ③白 ④エッジ(字幕の縁取り)の黒のほかに、⑤アンチエイリアス(字幕とエッジの中間色) ⑤字幕背景色(透明)の計“6色”。
最終的には1枚1枚の字幕のアンチエイリアスを字幕色と同化させるなどの工夫で、色数を4つまで減らし、色付き字幕を収録することができました。
 

DVDで色付きのオープンキャプションを見ることができる機会はほとんどありません。
皆さんもぜひ、「サンドウィッチマンライブツアー2013」で貴重な色付き字幕をご覧になってみてください。一度目は音を消して、二度目は音を出して、見るのも一興ですよ!
 

来週は、この字幕制作に携わった修了生2名のインタビューをお送りします。お楽しみに!
 

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□「MASC×JVTA バリアフリー視聴用 音声ガイド&字幕ライター養成講座」
※コースへのお申し込み・お問い合わせ:電話(03-3517-5002)またはメール(barrierfree@jvtacademy.com)でご連絡下さい(担当:浅野)。
 

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