2つの仕事を両立!兼業映像翻訳者の一日
映像翻訳者としてプロデビューした人の中には、翻訳と別の仕事を兼業している人もいる。JVTA修了生の児山亜美さんは、2024年1月にプロデビュー。平日は教育関係で事務職をしながら、映像翻訳者として難民映画祭やショートショートフィルムフェスティバル&アジアの上映作品の字幕、ドキュメンタリーシリーズの吹き替え台本の翻訳などを手がけてきた。
児山さんは地方都市在住。コロナ禍で在宅勤務が普及してきた頃に、JVTAで映像翻訳をオンラインで学べることを知った。地方在住という環境を変えず、学生時代から興味があった仕事にチャレンジできる点にとても魅力を感じたという。
「映像翻訳を学ぶタイミングで、月曜から金曜に10時から17時までの勤務(残業なし)という受講と両立しやすい職種に転職しました。現在、映像翻訳の作業は主に平日・休日ともに20時から0時頃まで(休日は日中も)をメインに行っています。納期が近い作品がある場合などは、夜中の2時、3時まで作業し、睡眠時間を削る場合もあります。」(児山亜美さん)

映像翻訳という仕事は基本、自宅で1人パソコンに向かって作業をする。それだけに自己管理をきちんとしないと不規則な生活になりがちだ。児山さんは、事務職勤務のために規則的な時間に外に出て、業務や休憩の中で同僚とコミュニケーションをとる、ということが健康面でもプラスになっていると話す。
「私自身、夜型の人間なので、作業をしているうちに意識が覚醒して寝不足になってしまうことはあります…。兼業をしていると、どうしても翻訳の仕事は夜になってしまうので、質のいい睡眠をとる方法を模索中です。ただ、慢性的な睡眠不足になってしまわないように、『疲れている時は寝る』とメリハリをつけて作業できる余裕はあります。」(児山亜美さん)
◆兼業にはスケジュール管理が必須
兼業では、両方のスケジュールの管理が重要となる。児山さんの場合、事務職の方は比較的作業が一定化しており、繁忙期などもない。それでも翻訳の仕事を受ける際には、その仕事のボリュームや、かかるであろう作業時間を細かく確認するそうだ。
「納期が近い作品の打診が来た場合は、平日の日中に作業ができなくても納品が間に合うか担当の映像翻訳ディレクターに確認するようにしています。また、作業時間に限りがあるため、2つの翻訳案件を同時進行するような日程になる場合は、受注できるかどうかを慎重に判断するように心がけています。」(児山亜美さん)
時には個人ではなく、フリーランスの翻訳者たちとチームで作業をすることもある。たとえば、難民映画祭の上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』などはチーム翻訳で対応した。
「チーム翻訳は複数人の翻訳者で分担してひとつの作品を翻訳します。すると内容に関するやり取りが随時メールで発生します。けれど私の場合、基本的に日中はパソコンを使っての作業ができません。そのため昼休みなどに必ず新着のやりとりがないか、スマホでチェックしていました。昼間のうちにチームの中で話が進んでいることもあるので、こまめに確認することが大切だと思います。」(児山亜美さん)
◆兼業だからこそ得られるメリットがある
兼業することで必然的に仕事をしている時間は長くなる。体力的には大変な部分があるものの、双方の仕事に良い影響もあるという。
「本業の事務職で英語の書類を作成する際などは、翻訳のスキルが生かされていると思います。また、本業の職場は地域の国際交流イベントや、マニアックな展示会などの情報が耳に入りやすい環境です。将来映像翻訳者として関連する作品を担当するかもしれないし、面白そうだから行ってみるか、と幅広い場所に足を運ぶきっかけになることがよくあります。」(児山亜美さん)
時間管理の大切さは、受講生時代から感じていた。授業を受ける上では、クラスの時間帯を平日夜や休日の午前中など、複数の選択肢から選べたことがありがたかったという。その一方で、授業の難易度が上がるにつれて、授業の復習と次回の課題に取り組むための時間の確保に苦労した。課題にじっくり取り組むために復習を授業直後に済ませるなど、受講生のころから作業リズムを自分の中で作ることを意識したそうだ。児山さんと同じように、まずは本業と両立しながらプロデビューを目指したいという皆さんへのアドバイスを聞いてみた。
「兼業で翻訳の仕事をしたい方にとって、時間管理は心配な点だと思います。私もまだまだ作業スピードが遅いので、納期前は睡眠時間を削ることもあります。ですが、JVTAの受発注部門の方々は、打診の際に担当できる尺や作業日数を細かく確認してくださるので、まずは自分の作業スピードを正しく把握することが大切だと、日々痛感しています。皆さんも授業の課題で作業スピードを常に意識していると、兼業でプロデビューした後の時間管理で役に立つかと思います!」(児山亜美さん)
「複業」という言葉が浸透した昨今、あえて2つ以上の仕事を並行する人が増えてきた。映像翻訳は基本的に自宅で取り組めるので、児山さんのように外での仕事との兼業もしやすいだろう。字幕や吹き替えを作ることに憧れを抱いている人はもちろん、「語学力を活かして何か新しいスキルを身につけたい」という方はぜひ、この機会に挑戦してほしい。
HPでは、プロデビューした皆さんの声も紹介しているので、これから受講を検討している方はぜひ、先輩たちの声を参考にしてほしい。
◆受講生・修了生のインタビューはこちら
児山亜美さん

大学では文化人類学を専攻し、イタリアに留学。暇さえあれば、撮りためた紀行ドキュメンタリーを見ている。大好きなオアシスの映画『オアシス:ネブワース1996』を見に行った際、字幕クレジットに「日本映像翻訳アカデミー」の文字を見つけたことからJVTAに入学し、2024年に映像翻訳者としてプロデビュー。現在は事務職とプロの映像翻訳者と兼業で活躍中。難民映画祭上映作品『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』は後に劇場公開となった。世界遺産検定2級を取得、近い将来1級を取得するのが目標。
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