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『売買ボーイズ』が北米プレミア上映! 製作総指揮のイアン・トーマス・アッシュさんと英語字幕チェッカー、細谷由依子さんにインタビュー!

『売買ボーイズ』が北米プレミア上映! 製作総指揮のイアン・トーマス・アッシュさんと英語字幕チェッカー、細谷由依子さんにインタビュー!
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ドキュメンタリー作家、イアン・トーマス・アッシュさんが製作総指揮を手がけた『売買ボーイズ』(英題 Boys for Sale)が、ロサンゼルスのOutfest Los Angeles LGBT Film Festival で、2017年7月12日(水)に上映されます。この作品は、新宿2丁目で“売り専”として働く男性に取材した意欲作。“売り専”の多くはストレートの男性。なぜ、彼らは男性に性を売るのか? その職務や生活に迫ります。イアンさんは日本を拠点にしながら、原発事故直後の福島を取材したドキュメンタリー『A2-B-C』や、乳がんの友人の闘病を追った『-1287』(※マイナス1287)など、独自の視点で現代を切り取った作品を製作、海外の映画祭でも高い評価を得ています。また、JVTAでの課外講座やGCAIの動画制作のクラスに講師としても登壇するなど幅広く活躍しています。
 

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『売買ボーイズ』は、5月にドイツで行われたニッポン・コネクションで世界初上映、今回が北米プレミアとなります。海外での上映のため制作された英語字幕は、イアンさんが作成したものを、JVTAの修了生、細谷由依子さんが内容のチェックと字数制限の調整を行い、制作されました。イアンさんと細谷さんに英語字幕制作の様子を伺いました。
 

◆製作総指揮のイアン・トーマス・アッシュさんのメッセージ

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It was a great honour to receive the Nippon Visions Award at the 2013 Nippon Connection Film Festival in Frankfurt, Germany,for my documentary ‘A2-B-C’. The award, which was sponsored by JVTA, was to have the English subtitles fora future film provided. Four years later, I asked JVTA if I could use the award to have the subtitlescreated for a film I was producing called 売買ボーイズ (Boys for Sale).

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Working with Hosoya-san, who was being overseen by Jessi, was a wonderful experience that provided me with a whole new understanding of the intricacies of subtitling and a deepened respect for the process. The questions, suggestions and research provided by Hosoya-san demonstrated the importance of the role of the subtitler and how integral the subtitling process is to communicating the heart of a film to a foreign audience.

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I am grateful to know that the English-language subtitles of Boys for Sale represent as fully and respectfully as possible the extremely intimate and personal interviews of the young Japanese men who entrusted us with their stories.
 

※写真は今年5月、ドイツのニッポン・コネクションでのワールドプレミアの様子です。

 
◆英語字幕チェッカー、字幕調整の細谷由依子さんのコメント

JVTAディレクターのジェシーさんからご連絡を頂いて、この作品の内容に大変興味を持ち、二つ返事でお引き受けしました。
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チェッカー、字幕調整のお仕事は、すでに訳されたスクリプト(英語)と、原語(日本語)の間に齟齬(そご)がないかを確認し、字幕のルールに合うように字数の調整をしていく作業です。字幕翻訳者とはまた別の視点で、あくまで客観的に字幕を観るというチェッカーの存在は、作品作りにおいて、とても重要だと思います。今回、頂いた英訳は完璧でしたが、ニュアンスの部分で日本語を母国語とする私が見た時に、英語とのズレを感じる部分を指摘し、代替訳の提案などをいたしました。
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例えば、「(男性に)夢を与える仕事」という言葉が、「making men’s dreams come true」(夢をかなえてあげる)と訳されていましたが、「夢を与える」と「夢をかなえる」には違いがあるので、「giving men amazing experiences」などという方向性をご提案しました。また、ドキュメンタリー映画なので、事実確認やリサーチも行いました。特に気を使ったのは、HIV患者の先進国の罹患率、国の補償制度、赤線の歴史などについて話している箇所です。まず事実を確認した上で、訳出する際も慎重に言葉を選びました。

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本作は、アニメーションを使ったり、三味線を用いた斬新な音楽を駆使したりしたスタイリッシュな作品ですが、テーマはシリアスで繊細です。出演者の方々は、あっけらかんとした発言の裏に、それぞれ事情を抱えています。そういった、セリフだけでは分からないニュアンスが、細やかな編集によってあぶり出されています。社会の片隅に追いやられて目を背けられがちな現象と、その背景にある問題を捉えようとする、製作側の真摯な姿勢を無駄にしないよう、話者の目線や言葉の行間から感じられるニュアンスにも注意して、作業にあたりました。
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チェック・字幕調整が終った後、製作総指揮のイアンさんと、JVTAディレクターのジェシーさんと三人で、映像を観ながらの確認作業を行い、細かい調整ができたことも、大変有意義であったと思います。製作者の思いをできるかぎり実現していくというJVTAの柔軟な対応も、すばらしいですね。今後の各国での反応が楽しみです。

 
◆Outfest Los Angeles LGBT Film Festival
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『売買ボーイズ』(英題 Boys for Sale)
7月12日(水)17時~上映(現地時間)
https://www.outfest.org/

 
◆『売買ボーイズ』(英題 Boys for Sale)公式サイト
http://boysforsale.com/

 
◆イアン・トーマス・アッシュさん 公式サイト
http://www.documentingian.com/

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