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別所哲也さんインタビュー「映像翻訳は文化を伝える“懸け橋”」

別所哲也さんインタビュー「映像翻訳は文化を伝える“懸け橋”」
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ショートショート フィルムフェスティバル & アジアは、俳優の別所哲也さんが代表を務めるアジア最大級の短編映画祭です。16回目を迎える今年は、世界100カ国以上の国と地域から集まった約4000本の短編映画の中から選りすぐりの約200本を上映。当校はそのうちの約140本の作品の字幕を担当し、100人以上の修了生がこの映画祭をサポートしています。そこで今回は、米国俳優協会(SAG)の会員であり、アメリカ滞在経験が長い別所さんにショートフィルムの魅力や、映像翻訳者という仕事などについてお話を伺いました。

 
●ショートフィルムならではの魅力は?
ショートフィルムの魅力は、エスプレッソコーヒーのようにギュッと凝縮した魅力が詰まっているところです。画家で言えばデッサン画のようなものですかね。
僕もはじめは、「ショートフィルムなんて、実験映画やエンターテイメント性のないものだろう」という偏見と先入観をもっていました。しかし実際に見てみると、たった5分の作品で感動を与えることができるし、泣かせることもできる、そして忘れられないセリフや風景を残すこともできると分かりました。つまり、映画は長さでなく、短い時間の中でも映画の持つ小宇宙へと旅することができるんです。
ショートフィルムの楽しみ方のひとつとして言えるのは、バラエティに富んだ作品を見ることができるということでしょうか。(現在は)誰でも映像を安価で簡単に作ることができるし、YouTubeでその作品を「見せる場所」というインフラも整っています。玉石混淆とした多岐にわたる作品群から何を価値として見出すかは、見る人の解釈に委ねられていると思います。

 
●「字幕づくりをしてみたい」と思ったことはありますか?
映画の字幕づくりはまだですが、実は僕も絵本の翻訳には携わったことがあります。例えば小説でも翻訳者によって表現が変わりますよね。字幕をつける側の視点で言えば、「このセリフやシーンをどんな言葉を使って表現するのか」という点は最もやりがいのあるポイントだと思います。
映像翻訳者に求められるのは、想像力と自身の体験の豊富さでしょうか。映像作品には作家の特性はもちろんのこと、過去・現在・未来という時制や、作品のジャンル、製作された国と地域などなど無限のシチュエーションがありますし、また、それを見る側の国民性や文化にも配慮しないといけないでしょうから。

 
特にショートフィルムは余分なシーンがないので起承転結の展開も早く、見る側にその解釈をゆだねる作品が多くあります。たった一言の表現が見る側の心を大きく揺さぶるので、私たちにエンターテイメントの楽しさを伝えてくれるのはもちろんですが、文化を伝える懸け橋としても、映像翻訳者の皆さんはなくてはならない存在です。

 
●映画好き、英語好きな皆さんへメッセージを!
僕の世界を広げてくれたのはまさに英語でした。本格的に英語を学び始めたのは、大学での英語劇がきっかけでしたが、それによってハリウッド映画でデビューをさせてもらうことができましたし、このショートショート フィルムフェスティバル & アジアでは来日する様々な監督とのコミュニケーションもできます。
もし俳優という人生を選択していなかったとしても、「英語をマスターして商社マンになって世界中を飛び回りたい」、「どんな職業についても、英語を使って世界に出られるようになりたい」と考えていたことで、いまの自分があります。
早いうちから自分とは考え方も生活様式も人種も違う人達と出会い、付き合うということが、ものすごくいろいろな刺激となるだけでなく、自分探しにもなると思うので、皆さんもぜひ海外へ出かけるべきだと思います。英語をマスターして世界に挑戦してほしいですね。

 
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