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花と果実のある暮らしinCO

Vol.23 村の泥棒騒動!

Vol.23  村の泥棒騒動!
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【最近の私】 急な腰の痛みに襲われてまっすぐ立てなくなってしまいました。すぐさまチェンマイにある整体院に通い始め、ボキボキと骨を調整する荒治療開始! チェンマイのトクセン治療や圧力をかけるカッピング治療で背中に赤い水玉模様の跡がクッキリ! 涙、涙で痛みを我慢。そのおかげで血行もよくなり、まっすぐ立てるように! 辛かった…。
 

「ナリーン!」
 
夜の11時頃、隣の家に住む若いカップルが私のパートナーの名前をしきりに呼んでいるので、すぐさまかけつけました。
 
「泥棒に入られた~~!」
 
お隣さんは仕事がら家を空けることが多く、泥棒は堂々と正面ドアの鍵を壊して侵入したのです。
 

■もしかして、犯人を目撃したかも!?
人気も感じなかったし、犬たちも吠えなかったし…。(いつ頃に侵入したんだろう)とみんなで話しているとき、私の頭を昼間出会った一人の男の姿がよぎったのです。記憶がグルグルと逆回転し、昼間のことが少しずつ遡ってきます。
 

それはちょうど午前11時頃。お昼ごはんに何食べようかと考えていたら、愛犬ダムが吠えていたので外に出て見ました。ダムは見かけない白っぽいバイクの後を思いっきり追いかけていたのです。ですが、バイクを追いかけるのは毎度の出来事。気にすることもなく、家に戻ろうとしました。
 
すると、そのバイクがUターンしてうちの近くで止まったです。ヘルメットの奥には強面でなんだか嫌なオーラをまとった男の顔が…。
 
「ドイカム寺はどっち?」
 
この辺りで2つのお寺の行先に迷う人がけっこういるのですが、ドイカム寺はそのどちらでもなく、だいぶ離れたところにあります。なぜドイカム寺の行き先を聞くのだろう…と不思議に思いました。同時に(この人、関わりたくないなぁ)という直感が働いたので「あっち…」とだけ答えたのです。するとバイクは走り去っていきました。
 
もしかしたら、あの男か!!!
 

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■警察に‘捜査のためのガソリン代’を払う!?
お隣さんは防犯カメラを設置していたので、動画には押し入った泥棒の姿がバッチリ映っています。現場となった家で私も観ることができたので、映像の男が昼間の男かを確かめようと目を皿のようにしてチェックしました。
 

バイクはこんな感じだったけど、顔はハッキリとは一致しないなぁ。やっぱり違ったのかなぁ…。
 

時間が経つにつれてご近所さんたちがどんどんやってきて、カップルを慰めたり、事情を聞きながらそれぞれの推理を語り合ったりしています。警察が来る前にみんなで現場の家にどかどか入ってきて、指紋とかついちゃわないのか? などと心配しつつ、そわそわした気分でその場に留まりました。私の目撃情報も伝えたけれど、当事者はそれどころじゃない様子でほぼ無視…です。
 

泥棒が押し入った時間は午後3時頃。ちょうどスコールが降った時間で、番犬になるはずの犬たちも家の中にこもっていたのです。盗まれたのは、貯金箱の現金、カメラ、おしゃれな帽子やバックなどでした。
 

通報から20分くらいしてようやく警察が到着。泥棒の侵入経路を確認し、現場検証をちょこっとだけ(笑)して帰ってしまいました。「情報も多いし、これなら捕まるかもね」と励ましてはみたものの、お隣さんはそうは思ってないようです。
 

「警察は、ガソリン代とか払わないと動いてくれないからね」
「えっ、ガソリン代??」
 

警察は一人の泥棒を追うのに時間とガソリン代をかけるのを好まない、というのがこの地域の常識らしいのです。なんということだろう…。
 

警察が動かぬならば! と、お隣さんはフェイスブックやLINEで泥棒の動画を公開したり、自分でローカルテレビに情報を送ったり、逮捕に向けて約半月ほど自ら動き回っていました。そうした努力の甲斐あって、警察も動いてくれました。そしてついに!
 

犯人が捕まったのです。28歳の常習犯で、日本円にして額200万円の窃盗歴。泥棒稼業で生活していたそうです。よかった、よかった。チェンマイ市民の行動力と粘り強さに感心した一コマでした。
 

そうそう、昼間の男は犯人だったのでしょうか? 捕まった犯人の顔と白っぽいバイクの写真を見て、(やっぱり怪しいぞ)と密かに思い返しています。
 

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Written by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美

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