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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本 『流れ星が消えないうちに』

今週の1本 『流れ星が消えないうちに』
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11月のテーマ:追憶
 

2008年に発売された小説『流れ星が消えないうちに』は、現在までに30万部を超えるベストセラーだ。大切な人を失った者たちの葛藤を描いたこの作品に私もキュンとしたのを覚えている。そんな『流れ星が~』が映画化され、今月11月21日(土)から公開されるという。主演は現在NHK連続テレビ小説『あさが来た』のヒロインとして話題の波瑠。早速予告編を見たが、原作にかなり忠実な印象だ。
 

主人公は、高校の同級生である本山奈緒子(波瑠)と、恋人の川嶋巧(入江甚儀)。そして奈緒子の幼なじみで元恋人、さらに巧の親友でもある加地径一郎(葉山奨之)だ。加地は1年半前、貧乏旅行に旅立ち、海外の小さな島で起きたバスの転落事故で命を落とした。旅先で知り合った女の子と一緒に…。物語は、加地の突然の死を乗り越えられないまま交際を始めた奈緒子と巧が加地への罪悪感を抱えながらも、再生していく姿が描かれている。ちなみに原作は章ごとに奈緒子と巧の視点から交互に語られる形で構成されている。
 

映像化されると聞いて私が気になるのは、原作の随所に出てくる高校の文化祭のシーンだ。科学部の加地は自らがつくったプラネタリウムに奈緒子を誘い、彼女の星座である牡羊座を解説しながら6年越しの想いを告白する。真っ暗な教室の中で、無数の流れ星を見ながら2人が心を近づけていく様子はどんな風に映像で再現されているのだろう? その後のキャンプファイヤーの場面で、フォークダンスで手を取る順番がくるのをドキドキしながら待ちわびる2人の表情はどうだろう? 実はこの告白作戦には巧も絡んでいるのだが、奈緒子はそれを知らない…。
 

奈緒子をめぐる加地と巧の男同志の友情が盛り込まれているのもいい。文化祭の準備のために深夜の学校に忍び込んでいた巧と加地は思わぬきっかけで友達になる。(泣けるシーンだが、ラストにつながるネタバレなのでここまで)。この作品が多くの人に愛される理由は、3人がお互いを心から大切にしている想いがじんわりと伝わってくることにあると思う。だからせつなくも温かい気持ちになれるのだ。
 

いよいよ公開は21日。個人的には本で読んだ時の印象がとても強かったので、映像で見たいようなあえて見たくないような…。まずは原作ファンのレビューを待つことにしよう。
 

『流れ星が消えないうちに』
監督: 柴山健次
出演: 波瑠、入江甚儀、葉山 奨之、黒島結菜、小市慢太郎
製作年:2015年
製作国:日本
 

2015年11月21日公開
公式サイト:http://nagareboshi-movie.com/
 

Written by 池田明子
 

[JVTA発] 今週の1本☆ 11月のテーマ:追憶
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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