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【サマースクール2026】Your Ideas, On Screen! Let’s Translate Together – English Subtitles Edition

AIの時代だからこそ、翻訳はもっと面白い
「JVTAサマースクール 2026」開催!

2026年8月21日(金)19:30-20:30 JST ※日本時間 
オンライン開催/参加無料

あなたならどう訳す?日英字幕翻訳にチャレンジ!(初心者~経験者大歓迎)

大好評の「みんなで字幕」日英版が帰ってきました!
日英字幕版の第2回目となる今回は、事前に提出いただいた皆さんの翻訳をもとに、日本の短編映画のワンシーンに英語字幕をつけていきます。
JVTAの日英映像翻訳講師2名が課題のシーンや英語字幕の作り方も解説。日本語特有の表現や日常会話をどう英語に落とし込むか、参加者の皆さんとその場で考え字幕を作り上げていくインタラクティブなセミナーです。日英映像翻訳学習者だけでなく、日英翻訳未経験の方も大歓迎!皆さんのアイデアをお待ちしています。
※本セミナーは英語で行います。


How would you translate this? Come test your skills! (All levels welcome)
Our popular seminar series is back – for our second Japanese-to-English installment, we’re diving into a scene from a Japanese short film, and we want to build the subtitles with you! Participants are asked to hand in their own translations beforehand. Two JVTA J-E translation course instructors will break down the scene and provide on-the-spot feedback on your translations. You’ll explore the technicalities of the subtitling process and discover how to handle uniquely Japanese expressions and casual slang. Complete beginners and current/past JVTA students are all welcome.
*This seminar will be conducted in English.

【こんな方におススメ!】
・日本語から英語への翻訳にご興味がある方
・英日の受講生、修了生で日英にご興味がある方
・日英の受講生、修了性
・英語表現力をアップさせたい方
・翻訳力をもっと磨きたい方 など

This seminar is for:
– Those interested in Japanese-to-English translation
– Graduates of our English-to-Japanese course who are interested in Japanese-to-English translation
– Current students and graduates of our Japanese-to-English course
– Those looking to improve their English writing skills
– Those looking to improve their translation skills etc.

【当日の内容(予定)】
・課題作品について解説
・課題のシーンから読み取れることは?
・課題のポイントと、取り組む際のベストアプローチとは?
・参加者の皆さんと字幕を完成させよう!
※本セミナーは英語で行いますが、日本語での質問が可能です。


What we’ll cover:
– About the film
– About the assigned scene
– Tricky sections in the assignment: what is the best approach?
– Using participants’ translations to subtitle the scene

【登壇者】

横山治奈
(日英映像翻訳者・通訳者、JVTA日英映像翻訳科講師)

カルフォルニア州出身の日系アメリカ人。小学〜高校は、現地校に通いながら日本人学校へ。大学はUC Riversideにて経済を専攻に学び、卒業後ロサンゼルスにある貿易会社に就職。その後、JVTAロサンゼルス校にて字幕翻訳の勉強を始め、東京校に留学するため、2011年に来日。英語講師などのアルバイトをしながら2013年に日英コースを終了し、プロの字幕翻訳者デビュー。現在は、様々な分野の日英翻訳、通訳、ネイティブチェッカー、スクリプト起しなどの仕事に従事している。

Haruna Yokoyama (J-E Instructor and Translator)
Haruna is a Tokyo-based media translator and instructor. She began her career at a Los Angeles-based import-export company, and began studying subtitling at JVTA’s Los Angeles campus and moved to Japan in 2011 to finish her studies at the Tokyo campus. In 2013, Haruna completed the J-E media translation course and made her debut as a professional subtitle translator. As a freelancer, she now works on J-E translation projects and also does interpreting, editing, and transcription.

麻野祥子
(JVTA日英映像翻訳科講師、映像翻訳ディレクター)

小学生時代をドイツ、中学・高校生時代をニュージーランドで過ごしたのち、JVTAの日英映像翻訳コースを受講。修了後、フリーランスの映像翻訳者を経て、映像翻訳ディレクターとしてTSG(翻訳事業推進部)に所属。英日・日英コンテンツのディレクションを担当。

Shoko Asano (J-E Instructor and Translation Director)
Raised in Germany and New Zealand, Shoko completed the J-E translation course at JVTA, and went on to work as a freelance audiovisual translator before joining the Translation Support Group (TSG), where she now manages both E-J and J-E projects.

AIの時代だからこそ、翻訳はもっと面白い
「JVTAサマースクール 2026」開催!
2026年8月21日~2026年9月15日

語学学習者・プロを目指す人から現役のプロまで、必見のセミナー目白押し!!
~1セミナーごとに完結 無料セミナー多数 複数参加可能~


※無料セミナー有り ラインナップは▶こちら

日程:2026年8月21日(金)19:30~20:30 JST ※日本時間

参加費:無料
参加方法:オンライン(Zoom使用)
対象者:どなたでも参加可(海外からの参加も可)
申込方法: 以下の申し込みフォームからお申込みください。
参加受付期限:2026 年8月21日(金)18:30
その他:事前課題あり

課題提出期限は2026年8月17日(月)午前10時 ※日本時間/JST
※課題提出は任意のため、ご提出されない場合でもワークショップにはご参加いただけます。ご提出いただいた原稿はワークショップ内で講師が取り上げる場合がございますので、可能な限りお出しください。
※期日を過ぎての提出は受け付けいたしかねますのでご了承ください。
※お申し込み日の都合等で提出が間に合わない方は誠に恐れ入りますが、当日までにお手元で取り組んでいただければ幸いです。
– The assignment is optional. Participants can join the seminar without having handed it in. However, as the seminar instructors will discuss participants’ subtitles and give feedback during the seminar, we strongly recommend submitting the assignment if possible.
– Please note that we cannot accept late submissions.
– For those who sign up close to the due date and cannot submit the assignment on time, we still encourage participants to work on the assignment by the day of the seminar.



その他のお問い合わせはこちらのアドレスにてメールで受け付けております。
   seminar(at)@jvta.net
   ※(at)は@に置き換えてください。

◆【映像翻訳VODプログラムを2026年10月より開講!】
~VOD授業×個別サポートで、より効果的かつ効率的にプロを目指す~

10月からの新プログラムスタートに向け、リモートで無料の個別説明会を開催中。新たな映像翻訳VODプログラムの詳細はもちろん、映像翻訳業界の最新情報やプロまでの具体的な道のりなどをマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。
※詳細・お申し込みは▶こちら

◆【LAで活躍するプロ通訳者の授業を、日本からもリモートで受講可能!】
新・通訳(バイリンガル・コミュニケーター)養成講座 アドバンスを10月開講!「エンターテイメント」と「身近な医療」の2種のテーマで、通訳の基礎技術+専門用語・知識を習得。現在リモート個別相談を実施中です。詳細は▶こちらから






【修了生 加々美ヘナタさん】 映像翻訳者、字幕ガイドライターとして幅広く活躍中

修了生の加々美ヘナタさんは、英日映像翻訳科を修了後、字幕ガイド講座を受講、現在は、翻訳の日本語字幕と字幕ガイド(SDH、CC、バリアフリー字幕)の両方の分野で活躍している。

加々美ヘナタさん

◆乳児の育児中に字幕ガイドに助けられた
加々美さんは出産後、乳児がそばにいて、ドラマや映画を観るときに大きな音を出せない環境で邦画や日本のドラマを観る際に、字幕ガイドをよく利用していた。字幕ガイドでは、セリフだけでなく、話者名や音の情報も字幕にする。さらに「雨音」「ノック」などに加え、必要に応じて音楽の情報も入れることがある。加々美さんは、静かな部屋で映像の音が聞こえづらくても画面と字幕で作品を堪能できて育児の息抜きになっていたと振り返る。

「字幕ガイドは本来、聴覚障害当事者のために始まったものかと思いますが、私のように音を小さくして、もしくは無音で作品を見るしかない状況の人でも楽しめるのが魅力的だと感じました。翻訳字幕を一度習った私ならより習得しやすいのでは?と思い受講を決めました。」(加々美ヘナタさん)

◆聞こえる音すべてを字幕にすればいいというわけではない
映像翻訳や字幕ガイドの制作には、作品解釈のための念入りなリサーチと情報の取捨選択が欠かせない。字幕ガイドならではの難しさについて、加々美さんは音情報を挙げる。

「字幕ガイドだからといって聞こえる音すべてを字幕にすればいいというわけではなく、制作者はこのシーンで何を視聴者に伝えたいのか?という視点を常に持ちながら音情報の取捨選択をしています。また、字幕ガイドにおいては基本的に擬音語を使わないため、表現に悩むことが多々あります。例えば、ドアをドンドンと叩く音は(ノック)、ピンポーンは(チャイム)などと置き換えますが、どう言語化すればいいのか悩む時はインターネットで検索して適切な表現を探ったりします。」(加々美ヘナタさん)

◆字幕ガイド4割、翻訳字幕6割という割合で活躍中
字幕ガイドは、翻訳字幕とも親和性が高い。作品の魅力を余すところなく、視聴者に伝えるという役割は、映像翻訳も字幕ガイドも同じだ。加々美さんは現在、4割が字幕ガイド、6割が翻訳字幕という割合で、動画配信サイトのアニメ、ヒューマンドラマ、ロマンス、スリラー、アクション、お笑い、吹き替え作品のSDHなどさまざまな作品に携わっている。両方を手がけることで相互に役立つこともあるという。

「物語の展開をきちんと理解することが大事なのは両方に共通しています。翻訳ではここぞというシーンの訳文を練りに練って考えたりしますが、字幕ガイドではここぞという場面での、音情報を出すタイミングや表現に頭を悩ませます。どちらも、映像の隅々まで注意深く観察し、セリフ以外の情報や俳優さんの表情、演技からも制作者側の意図を汲み取って字幕に落とし込むようにしています。また、翻訳ではセリフがないシーンの映像は飛ばしながら作業しがちですが、字幕ガイドでは全編を注意深く見ながらどのタイミングで音情報を出すかという判断を下さなければならないので、翻訳の作業時も、セリフがない場面の映像の中に字幕に反映すべき情報がないか、以前よりも注意深く見るようになりました。」(加々美ヘナタさん)

◆海外作品の吹き替え版の字幕ガイドも手がける
さまざまなポイントを熟考しながら、作品本来の魅力をそのまま伝えられるように、効果的かつ自然な字幕作りを心がけているという加々美さん。字幕ガイドは、主に日本語の作品に日本語の字幕をつけるニーズが高いが、昨今は海外の作品の吹き替え版に日本語の字幕ガイドをあわせて制作するケースもある。映像翻訳と字幕ガイドの両方のスキルがある加々美さんは、こうしたニーズにも対応できる人材として着実に活躍の場を拡げてきた。

「海外作品の吹き替えにつける字幕ガイドでは世界中に注目されるような人気作品を任されることもあり、やりがいを感じます。注目度の高い作品であれば洋画や海外ドラマの吹き替え版にも日本語の字幕ガイドが付くことがまれにありますが、吹き替えがない翻訳字幕作品にも字幕ガイドがついたら、もっとたくさんの人が多種多様な映像作品を楽しめるようになるのになあ、と思う時があります。」(加々美ヘナタさん)

加々美さんのように、映像翻訳者のキャリアに加えて字幕ガイドライターとしてのスキルを身につければ、受注できる仕事は確実に広がる。言葉のプロとしてフリーランスを目指す人はぜひ、挑戦してみてほしい。

◆メディア・アクセシビリティ科 字幕ガイドコース
次期は2026年9月2日に開講

※コースの詳細はこちら
※無料説明会の詳細とお申し込みはこちら

明けの明星が輝く空に 第199回:夢幻のヒロインたち9:春日藤千代

登場作品:映画『ガス人間第一号』(1960年)
キャラクター設定:零落した日本舞踊の家元 “ガス人間”と運命を共にする

「幽玄」という言葉は、こんな光景のことを言うのだろう。『ガス人間第一号』の冒頭、銀行強盗犯を追った岡本警部補が、人里離れた夜の山中で鼓の音を耳にする。その音が聞こえてくる方向へ向かうと、やがて屋敷に辿り着いた。庭へと回り込む岡本。その目に飛び込んできたのは、戸が開け放たれた板の間で、般若の面を着けた女性が舞う姿だった。

舞っていたのは、昭和の名優、八千草薫さんが演じる春日藤千代。凜とした風情が美しい日本舞踊の家元だが、春日流は弟子がみな離れるなどして落ちぶれ、発表会を開くことすら危ぶまれる窮状にあった。逃走した強盗殺人犯、水野は、彼女のために金を工面しようと犯行に及んだのだ。彼はある科学者による実験の犠牲者で、結果的に、自分の意思で体をガス化できるようになっており、その特殊な能力を使って犯罪を重ねる。

先月初旬、Netflixで配信が開始された『ガス人間』(全8話)は、本作のリブート版で、設定やストーリーは別物だ。画面から漂う緊迫感はさすがだが、オリジナルが持つ趣や幻想性には乏しい。個人的な意見ではあるが、60年以上前に公開された『ガス人間第一号』は、こんにちに至るまで、特撮史上最もロマンティックかつ、悲劇的な物語だ。

水野は彼女を愛している。彼の愛には、どこにも利己的なところがない。金の出どころを知った藤千代に対し、僕を利用すればいいとさえ言う。そんなふうに言われ、普段は感情を表に出さない藤千代も、この時ばかりは恋する女の目になり、水野の胸に顔を埋めている。ただ、彼女も水野を愛していたのか。映画は意図的に、それを明確にしていない。

藤千代は、事件を追う記者、甲野京子に、水野を愛しているのかと問われると、少し驚いた表情を浮かべてから目線を反らし、諦めたかのような口調で「どうにもならないんです」とだけ答えている。愛していることを認めたように聞こえるが、映画全体を観ても、彼女が水野を愛している確証になるようなシーンはない。藤千代にとっては、踊りこそ全て。だからこそ、強盗によって手に入った金だと知った後も、発表会をやり遂げようとする。水野の胸に顔を埋めたのも、彼女を苦境から救ってくれる唯一の存在が目の前にいる男だったという実情を考えれば、思わず心がなびいたという解釈も可能だ。

実を言うと、本作のメガホンを取った本多猪四郎監督も、ラストの悲劇的結末を生む藤千代の心境について、「情にほだされた」という表現を使っていたらしい。水野役の土屋嘉男さんが、水野は愛されていたと解釈していることに対して、水野から見ればそうだろうとも言っていたようだ。その悲劇的結末とは――。

発表会の劇場で踊り終えた藤千代。客席には水野ただ一人。「すばらしかった」と言って藤千代を抱きしめる。しかしこの時、劇場内には引火性のガスが充満していた。警察は、捕まえることが不可能なガス人間を爆殺しようとしていたのだ。水野はそれを察知し、発火装置を壊していたが、藤千代が彼の背に回した手にはライターがあった。一瞬の躊躇。恋慕の激情に流されるかのように、水野を固く抱きしめる。それでも、彼女は意を決する。涙を浮かべた目を見開くと、中空を見つめたまま、ライターに火を点けた。

『情鬼』――それが、藤千代が披露した演目のタイトルだった。架空の演目であるが、踊りを見る限り、道成寺に伝わる安珍・清姫の物語と類似の内容のようだ。すなわち、悲しみの淵に沈んだ女性が、恨みから人ではないものに変化(へんげ)する。当然、映画の作り手は、そこに何らかの意味を含ませているだろう。とすれば、情鬼とは藤千代自身のことだ。踊りの終盤、彼女は般若の面を被って舞う。手にしているのは、能の舞台で鬼や龍神役が使う打杖と呼ばれる小道具か。その先には藤の枝。まだ鬼へと変わる前、憎しみから花をむしり取った時のものだろう。それを狂おしく打ち振る。しかし、目の前の誰かを打つかのように振り上げたところで手が止まり、杖は足もとに落ちた。そして最後は、苦悶と悲しみの中に絶命する。(断っておくが、能や日本舞踊を見る目を僕は持ち合わせていないので、これは当てずっぽうに近い推測だ。ついでに言うと、女心を論ずるのも…。)

藤千代は、水野との心中を選んだ。彼女は、水野の犯行で得た金で発表会を開いた。もちろん、その罪は自覚していただろう。心中は贖罪のためだったのだろうか。同時に、狂気に染まった水野の魂を救済するという意味もあったかもしれない。それも「愛」のひとつの形だ。ただし、どちらかといえば慈悲の心に近い。いずれにせよ、映画は明確には語ってくれない。しかし、俳句の例を引くまでもなく、全てを説明せず余白を残した方が想像力は刺激される。そして人はそんなところにも、ロマンを感じるものだ。

春日藤千代の余白にも、ロマンがある。

参考:過去記事

第118回:特撮俳優列伝23 八千草薫 https://www.jvta.net/co/akenomyojo118/
第97回:特撮俳優列伝8 土屋嘉男 https://www.jvta.net/co/akenomyojo97/

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Written by 田近裕志(たぢか・ひろし)
JVTA修了生。子供の頃から「ウルトラセブン」などの特撮もの・ヒーローものをこよなく愛す。スポーツ番組の翻訳ディレクターを務める今も、初期衝動を忘れず、制作者目線で考察を深めている。

【最近の私】ジャン・リュック・ゴダール監督のことを描いた映画『ヌーヴェルヴァーグ』を観てから、ゴダール監督の長編デビュー作『勝手にしやがれ』を観ました。ちょっとだけ「映画通」っぽいことしてるなあと、自己満足した次第です。
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明けの明星が輝く空に
改めて知る特撮もの・ヒーローものの奥深さ。子供番組に隠された、作り手の思いを探る

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◆【映像翻訳VODプログラムを2026年10月より開講!】
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JVTAサマースクール 2026!無料セミナー多数、1回から参加可能

開催期間:2026年8月21日(金)~2026年9月15日(火)


AIの時代だからこそ、翻訳はもっと面白い
「JVTAサマースクール 2026」開催!

語学学習者・プロを目指す人から現役のプロまで、必見のセミナー目白押し!!
~1セミナーごとに完結  無料セミナー多数  複数参加可能~


■毎年多くの人が受講!本科授業とはひと味違う、気づきやヒントが満載
<ことばの仕事>のキーパーソンが多数登壇。AI、漫画翻訳、メディア・アクセシビリティ、フリーランスの働き方の最新事情から参加型字幕翻訳、新・通訳という仕事の魅力まで、ここでしか聞けないセッションが集結!!


◆1つから選べる各セミナー
※以下のカレンダーをクリックするとPDF版が開きます。

 【イベントラインナップ】

◆2026年8月21日(金)19:30 – 20:30 JST ※日本時間 
Your Ideas, On Screen! Let’s Translate Together – English Subtitles Edition
あなたならどう訳す?日英字幕翻訳にチャレンジ!(初心者~経験者大歓迎)

登壇:横山治奈(日英映像翻訳者・通訳者、JVTA講師)、麻野祥子(JVTA講師・ディレクター)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可 ※このセミナーは英語で開催します。


◆2026年8月25日(火)19:30 – 20:30 ※日本時間 
みんなで字幕 ~みんなで考えると、字幕はもっと面白い~
自分のアイデアから名ゼリフが生まれるかも?!(初心者~経験者大歓迎)
登壇:藤田奈緒(JVTA講師・ディレクター)、渡邊優那(JVTA講師・ディレクター)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可

◆2026年9月2日(水)19:30-21:00 ※日本時間 
「えっ、この人も難民だった?」――著名人の人生から考える難民問題
著名人の知られざる歩みを入り口に、難民問題について考える
登壇:芳島昭一氏(特定非営利活動法人 国連UNHCR協会 事務局長特命〔渉外・啓発担当〕)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可

◆2026年9月4日(金)19:30 – 20:45 ※日本時間 
「新・通訳」ってどんな仕事?
~通訳との違いは? 英語のレベルは? 収入は?~

「言葉と心の橋渡し役」を務める「新・通訳」について具体的に解説します。
講師:梅田実代氏(バイリンガルMC)、安永あこ氏(広島県地域通訳案内士)、藤田彩乃氏(新・通訳、JVTAロサンゼルス社外取締役)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可 

◆2026年9月7日(月)19:30-21:10 ※日本時間 
フリーランスの新・常識 2026 顧客と出会う!チャンスをつかむ!信用を積む!
様々な強みや悩みをもつプロに寄り添い、数十社の顧客を知るから見えてくる、最新の傾向と対策をJVTA代表が解説!
講師:新楽直樹(JVTA代表)
料金:1,000円
対象者:どなたでも参加可 

2026年9月10日(木)19:30 – 20:30 ※日本時間 
映画祭プロデューサーと考える!ユニバーサル時代の映像翻訳
映画祭プロデューサーの東野正剛氏を迎えてメディア・アクセシビリティの最前線を紐解きます。
ゲスト:東野正剛氏(SSFF&ASIA エグゼクティブ・プロデューサー)
進行:小笠原尚軌(JVTA メディア・アクセシビリティ科​​ディレクター)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可

◆2026年9月12日(土)10:00 – 11:00 JST ※日本時間
How Manga Crosses Borders: Behind the Scenes of Localization and Publishing
Award-winning manga translation editor Sarah Tangney shares her experience and gives us an inside look into the world of manga localization and publishing. 
ゲスト:Sarah Tangney(manga translation editor)
進行:Jessi Nuss (J-E Course Director and Instructor at JVTA)
料金:無料
対象者:どなたでも参加可

◆2026年9月15日(火)19:30 – 21:00 ※日本時間
AI時代の翻訳者の倫理 ~Code of Ethics入門編~
オーストラリア・アメリカ・EU圏の制度を比較しながらCode of Ethicsの全体像と主要な遵守ポイントを解説し、AI翻訳・PE(ポストエディット)が急速に普及する現状を倫理規定に照らして分析します。
登壇:井上泉氏(沖縄国際大学総合文化学部 英米言語文化学科教授・学科長)
料金:1,000円
対象者:どなたでも参加可

花と果実のある暮らし in Chiang mai プチ・カルチャー集 Vol.104 近所のマッサージ屋さん

★「花と果実のある暮らし in Chiang Mai」
インパクト大の写真をメインにタイのリアルなプチ・カルチャーをご紹介しています。

タイといえば、タイ古式マッサージが有名ですが、最近ビジネスライクなところも増えて質も落ちてきている気がします。そんな中、近所にいいマッサージ店はないだろうかとGoogle マップで探して試したお店が一軒ありました。

初めて訪れた時、ドアを開け「マッサージできますか。」と尋ねると、小柄な女性は、「普通のマッサージを受けたい場合は隣の店へどうぞ。どこかお悪いのであれば治療マッサージはお受けします。」と言いました。はっきり言ってくれた所が気に入って、少し気になっていた腰をお願いしたいと言ってそこで施術を受けました。部屋は殺風景だけれど、きちんと整理されていて、清潔感もありました。話をするとシングルマザーで2人の子どもを育て上げたとのこと。もちろん資格を持って教えられる立場でもありながら、今でもきちんと勉強を続けているという。そんな彼女のマッサージを受けた次の日、テニスの仲間から、「今日動きがいいね。」と言われ、それ以来約一年、疲れた時には、彼女の元へ駆け込むという私にとってありがたい場所になりました。

イメージ
お気に入りのバーム

そんな彼女が最近、「娘も手伝ってくれることになり、お店を移転し、スパ要素も入れるのよ。」という。彼女の実直なマッサージが好きだったので、私の中では応援したい気持ちと複雑な想いが交錯してしまいました。こういう所からも娘に継がせていきたい、もっと広げたいという気持ちが生まれるように、発展というのはその手綱を持つ人で大きく変わるもの。彼女と娘さんを信じて、ビジネスライクな今時のスパマッサージ店という発展に向かわないことを願っている今日この頃です。

雨季の合間の晴れ間

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Written  by 馬場容子(ばば・ようこ)

東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美
バックナンバーはこちら

◆【映像翻訳VODプログラムを2026年10月より開講!】
~VOD授業×個別サポートで、より効果的かつ効率的にプロを目指す~

10月からの新プログラムスタートに向け、リモートで無料の個別説明会を開催中。新たな映像翻訳VODプログラムの詳細はもちろん、映像翻訳業界の最新情報やプロまでの具体的な道のりなどをマンツーマンでご説明します。お気軽にご参加ください。
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これがイチ押し、アメリカン・ドラマ 第141回 “MARGO’S GOT MONEY TROUBLES”(『マーゴのマネートラブル』)

“Viewer Discretion Advised!”
これがイチ押し、アメリカン・ドラマ
Written by Shuichiro Dobashi 

第141回“MARGO’S GOT MONEY TROUBLES”(『マーゴのマネートラブル』)
“Viewer Discretion Advised”は海外の映画・テレビ番組等の冒頭で見かける注意書き。「バイオレンスやセックス等のコンテンツが含まれているため、視聴の可否はご自身で判断して下さい」という意味。

今、アメリカ発のテレビドラマが最高に熱い。民放系・ケーブル系に加えてストリーミング系が参戦、生き馬の目を抜く視聴率レースを日々繰り広げている。その結果、ジャンルが多岐に渡り、キャラクターが深く掘り下げられ、ストーリーが縦横無尽に展開する、とてつもなく面白いドラマが次々と誕生しているのだ。このコラムでは、そんな「勝ち組ドラマ」から厳選した、止められない作品群を紹介する。
 
予告編:『マーゴのマネートラブル』 本予告

 
エル・ファニングの魅力が爆発する必見のドラメディ!
本作は、大御所ミシェル・ファイファーとニコール・キッドマンを尻目に、エル・ファニングの魅力が爆発するリミテッドシリーズ。
“Margo’s Got Money Troubles”はApple TVオリジナル。愉快痛快でセクシー、そしてハートウォーミングな必見ドラメディなのだ!
 
“I’m a hungry ghost” (“Margo”)
—カリフォルニア州オレンジカウンティ
マーゴ・ミレット(エル・ファニング)は、奔放でいい加減なフラートン・カレッジの新入生だ。小説家志望の彼女は、ピザ店でウェイトレスをして学費と生活費を稼いでいる。
 
美貌自慢の母親シャイアン(ミシェル・ファイファー)は、メガ教会の理事ケニー(グレッグ・キニア)を陥落させたところ。彼女はプロポーズされるのを待ち構えている。
マーゴの父親ジンクス(ニック・オファーマン)は当時妻子持ちの人気プロレスラーで、シャイアンとは彼女のバイト先フーターズで出会った。
浮気の結果マーゴが生まれると、ジンクスは自分の家族の元へ戻っていった。
 
マーゴは文学部の教授マークと不倫を始めた。論文を褒められて浮かれたのだ。やがて妊娠が発覚すると、母親とマークは中絶を勧める。だが自分の子供が欲しいという強い欲求が沸き起こった。
彼女は男の子を生んだ。
 
マーゴはマークとは縁を切ってカレッジも中退した。シャイアンは子育てに無関心だ。ベビーシッターを雇う余裕もなく、マーゴはウェイトレスの仕事を失う。さらに赤ん坊の騒音に耐えられず、3人のルームメイトのうち2人が引っ越してしまった。残ったのはプロレスおたくのスージー(サディア・グレアム)だけだ。
 
途方に暮れたマーゴは父親に助けを求めたが、返事はない。
 
2か月後、突然ジンクスが現れた。
父親は背骨を傷めてプロレスラーを引退していた。痛み止めが効かずヘロイン中毒になり、家族にも見放された。リハビリ施設を出たばかりだという。
マーゴとスージーは、ジンクスに同居を許した。
 
仕事が見つからないマーゴは、“OnlyFans”(実在する成人向けコンテンツ中心の有料SNS)に登録した。
フォロワーの‘投げ銭’がおむつ代の足しになるなら、セックストークやヌードになるくらい何でもない。
ハンドルネームは“hungry ghost”にした。
 
“I’m just terrible at everything, except being pretty” (“Shyanne”)
エル・ファニングはダコタ・ファニング(アメリカの安達祐実)の妹。「姉はエグいほど演技が達者だけれど、妹も上手いなあ」と感心していたら、何と今年のオスカーにノミネートされていた(『センチメンタル・バリュー』で助演賞候補)。
マーゴ役は天職かと思うほどハマっていて、彼女の魅力が作品全体を支配している。
 
ジンクス役のニック・オファーマンの代表作はメガヒット・コメディ“Parks and Recreation”。反政府主義者の公園緑地課長ロンを全7シーズン演じた。最近では、ディストピアドラマの傑作“The Last of Us”(本ブログ第101回参照)でエミー賞ゲストアクター賞を受賞。今回は強面だが根は優しい元プロレスラーを熱演する。
 
スージーを演じたサディア・グレアムは、シャーロック・ホームズ譚に登場する「ベイカー街遊撃隊」をドラマ化した“The Irregulars”に主演した。気のいいルームメイトのスージーは、本作で唯一の癒し系キャラだ。
 
ベテランアクター3人が、脇に回ったふりをして思い切り自己主張をしているのが笑える。
ミシェル・ファイファーはケバい(死語か)化粧で身勝手なシャイアンを怪演する。
グレッグ・キニアは寛容で信心深くて退屈な堅物のケニーを大真面目に演じる。
さらにニコール・キッドマンがプロレスラー出身のタフな弁護士レースに扮して、ド派手なコスチュームで華麗なるプロレスシーンを披露する!(このシーンはいまだに信じられない。)
 
「ミシェル・ファイファーの夫」と呼ばれた男
原作はベストセラーとなったルフィ・ソープの同名小説(2024、未訳)。
ショーランナー(兼共同脚本)はデビッド・E・ケリー。かつては‘著名な脚本家’というより、‘ミシェル・ファイファーの夫’のイメージが先行していた。
だが弁護士資格を持つケリーは’86年の“L.A. Law”でブレークすると、硬軟を使い分けた一連のリーガルドラマで一世を風靡。“Ally McBeal”でキャリスタ・フロックハートを見出し、“The Practice”とそのスピンオフ“Boston Legal”ではジェームズ・スペイダーをトップスターに押し上げた。
 
ケリーはその後も“Big Little Lies”(本ブログ第45回参照)、“Mr. Mercedes”(本ブログ第50回参照)、“The Lyncoln Lawyer”、“Presumed Innocent”などを手掛けている。エミー賞を12回、ゴールデングローブ賞を3回受賞しており、その圧倒的な力量でみれば、ケリーは史上最強のドラマメーカーと言えるだろう。
 
ドラメディの難しさは、ドラマとコメディが互いに干渉し合い、中途半端に終わり易いことだ。その点本作は、両者の切り替えがシームレスでストレスがない。コメディの比重が絶妙なのだ。
 
エル・ファニングは数々のヌードシーン、授乳シーンを飄々とこなす。セクシーではあるが、あまりに頻繁なため「またかよ」と思わず笑っちゃう。とどめは“OnlyFans”で披露される愉快なSF風エロティック・コンテンツなのだが、あけっぴろげでまったく嫌味がない。マーゴのしなやかで強く、正直で憎めないキュートなキャラは、本作最大の魅力だ。
 
さらに、ミシェル・ファイファーとニコール・キッドマンが、ノリノリの演技で狂言回しに徹して楽しませてくれる(2人はファニング姉妹とともに製作総指揮にも名を連ねる)。
 
全編を通して絶えることのない柔らかなユーモアが心地いい。赤ん坊を巡るマーゴの葛藤と成長、彼女の慌ただしい人生に絡むシャイアン、ジンクス、スージーとの絆には、ちょっぴり感傷的な気分になる。感動と笑いを呼ぶエンディングも申し分なし。
“Margo’s Got Money Troubles”は、愉快痛快でセクシー、そしてハートウォーミングな必見ドラメディなのだ!
 
原題:Margo’s Got Money Troubles
配信:Apple TV
配信開始日:2026年4月15日~5月20日
話数:8(1話 35-44分)
 
写真Written by 土橋秀一郎(どばし・しゅういちろう)’58年東京生まれ。日本映像翻訳アカデミー第4期修了生。シナリオ・センター’87年卒業(新井一に学ぶ)。マルタの鷹協会会員。’99年から10年間米国に駐在、この間JVTAのウェブサイトに「テキサス映画通信:“Houston, we have a problem!”」のタイトルで、約800本の新作映画評を執筆した。映画・テレビドラマのDVD約1300本を所有。推理・ハードボイルド小説の蔵書8千冊。’14年7月には夫婦でメジャーリーグ全球場を制覇した。
 

【『バーバリアン狂騒曲』がオンライン上映】字幕翻訳チームリーダー、青井夕子さんが翻訳裏話と見どころをじっくり解説

映画『バーバリアン狂騒曲』は、フランスの田舎町でシリアからの難民一家を受け入れることになったことから始まる騒動を描いた作品だ。主演・監督は映画『ビフォア』シリーズで人気のフランス人俳優のジュリー・デルピー氏。2025年の難民映画祭で上映され、一番人気を集めたという同作が現在、「世界難民の日」の関連企画としてオンライン上映されている。この作品の日本語字幕をJVTAの修了生11名がチームを組んで手がけた。

字幕翻訳チームでリーダーを務めた青井夕子さんは、難民映画祭の広報サポーターとしても活動し、翻訳秘話のコラムを執筆している。青井さんによると、101分の作品のなかで台本上のセリフは1571個。それを11人で割り1人あたり142~143個のセリフを担当した。10日ほどの作業時間の中でそれぞれが担当箇所の字幕を作り、全員で相互チェック。さらにリライトを重ねて、一つの字幕として完成させた。

字幕翻訳では、作品に込められた意図を正しく読み解くための入念なリサーチが不可欠だ。青井さんのコラムには、翻訳作業の中で知ったデルピー監督の想い、タイトルバックに映し出される絵画や人物の名前に秘められた意味、下ネタの訳し方…などチームでじっくり話し合った過程が丁寧に解説されている。青井さんは先日、文京シビックホールで行われた「難民映画祭パートナーズ上映会2026第2部」に翻訳チーム3人と共に参加し、初めて同作を劇場で鑑賞。エンドロール後に翻訳チーム全員の名前がスクリーンに映された時は、胸がいっぱいになり、両隣に座っていた翻訳チームの仲間と、小さく拍手を送りあったという。

◆ジュリー・デルピー監督のメッセージ動画はこちら
※こちらの字幕も青井さんが担当

青井さんが綴った『バーバリアン狂騒曲』の字幕翻訳秘話と視聴者のレビューは「難民映画祭広報サポーターの公式note『みて考えよう!難民映画祭』の中で紹介されている。作品をすでに観た人もこれから観る人も要チェックだ。そして字幕にもぜひ注目してほしい。

◆難民映画祭広報サポーターの公式note「みて考えよう!難民映画祭」
・「バーバリアン狂騒曲」関連記事まとめ
※青井さんのコラムや視聴者のレビューが紹介されています。

◆『バーバリアン狂騒曲』のチャリティオンライン上映は2026年7月31日まで開催中!
詳細・お申し込みはこちら

【関連記事】
・難民映画祭とJVTAの字幕制作のサポートの詳細はこちら
【難民映画祭20周年】わたしと難民映画祭(字幕翻訳者編)

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明けの明星が輝く空に 第198回:「ギャオ」なんて鳴いてない!

ガメラシリーズ第3作『大空中決戦ガメラ対ギャオス』(1967年)に登場した英一少年は、怪獣にギャオスと名付けた理由を聞かれてこう答えた。「鳴き声がギャオって聞こえるもん。」え?なに言ってんの?子供のころ、僕はそう思った。全然そんなふうに聞こえなかったからだ。ギャオスの出す音はもっと、「キャイコォォ」とか「キアオォォ」とかいった感じである。(怪獣の声ほど、文字で表すのが難しいものはない)

英一少年の発言は、怪獣対策本部でのものだ。制服姿の人々は、警察や自衛隊のお偉いさんたちだろう。もちろん、怪獣映画らしく博士もいる。英一少年はそんな大人たちの真ん中で得意げに怪獣の目撃談を述べる。誰かが「あの怪獣」と言えば、すぐさま「ギャオスだよ!」と間違いを正す。結局、皆が「ギャオス」と呼び始め、正式名称となった。鳴き声が「ギャオ」と聞こえなかった僕は、この現実的とは言えない流れに、子供ながらに違和感を覚えたこともあり、どこか偉そうな英一少年に対して大いに反感を抱いた。

昭和の特撮作品には、子供がしゃしゃり出てきたり、自分勝手な行動で迷惑をかけたりすることが多かった。そんな子供たちの見本市のような様相を呈していたのが、ガメラシリーズだ。「ガメラは子供の味方」という設定上、子供を中心に物語が進むのは当然ではあったが、映画の中の生意気そうな少年たちは虫が好かなかった。シリーズ第4作『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(1968年)では、停泊中の小型潜水艇に少年2人が勝手に乗り込んでイタズラ。そのせいで動かせなくなって困っている大人に対し、いけしゃあしゃあと自分たちなら動かせると言い放ち、再び乗り込んでまんまと水中遊泳を楽しんだ。2人はその後、異星人の人質となり、子供たちを助けたければ降服せよという要求が、人類に突きつけられることになる。

シリーズ第6作『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970年)でも、自由奔放すぎる少年2人が登場。彼らは、ジャイガーによって仮死状態になったガメラの体内に、無断で小型潜水艇を使って進入。偶然、ジャイガーの弱点を見つけるという“お手柄”を立てる。結局、勝手な行動をとがめられることもなく、「子供たちの持っている素朴な直感と汚れなき魂を、大人になっても失ってはならない」という、(とってつけたような)教訓を得た、と語るナレーションが入り、彼らの行動は見事な美談として映画は幕を閉じる。

こういった子供の登場人物は、ガメラシリーズに留まらない。もうひとり、『ウルトラマン』のホシノ少年を忘れるわけにはいかないだろう。彼の自由奔放さも、誠に目に余るものがある。第2話「侵略者を撃て」では、科学特捜隊の車に隠れて乗り込み、見つかると「へへへ、まともに頼んだら置いてけぼりにされちゃうからね」と屈託なく言い放ち、車の中にいたことについて「気にしない、気にしない」とごまかす。こういった――天真爛漫だとか無邪気だとか言えば聞こえはいいが――立場や状況を一切無視した言動に、僕は腹が立ってしょうがない。さらに、あろうことか彼は科特隊本部の作戦室に、なぜか自由に出入りする。第3話「科特隊出動せよ」では、そこから武器を拝借し、科特隊専用機に潜り込んで、怪獣のいる現場まで無断で付いていった。そして、ひとりで怪獣に攻撃を仕掛けるのだが、逃げる際に転んで気を失い、倒れているところを発見される。その時、うわごとのように「ウルトラマン、ネロンガ(怪獣の名前)をやっつけてくれよ」などと言い、それを聞いた主人公のハヤタ隊員がウルトラマンに変身して怪獣を倒す。なんという都合の良さか!

こういった子供が嫌いなのは、僕だけではなかったらしい。同じような意見はネット上で簡単に見つかった。いわく、「勝手な行動をして」見ていても「イラつく」とか、「大人の領分に子供が強引に入ってくるのが嫌」などなど。中には、「子供は子供らしいキャラが嫌い」というような、大人が映像作品に登場させる子供についての真理(?)をズバリ言い当てているものもある。

そもそも、なぜ怪獣映画やヒーロー番組に、子供の登場人物が必要なのだろう。考えられるのは、子供の観客や視聴者の感情移入のしやすさを狙っているということだ。実際、子供が登場しなかったガメラシリーズの第2作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966年)では、飽きてしまった子供たちが何人も席を立ったそうだ。また、作劇上の要請もあるかもしれない。子供がトラブルを起こせば、物語を展開させるきっかけとなる。さらに、ピンチに陥った子供を救い出すというエピソードを盛り込めば、その結末を誰もが見届けたくなるだろう。ちなみにSNS上には、足手まといの子供は、ヒーローの邪魔をしてはならないという反面教師として役に立っていた、という意見もあった。ふうむ。

ところで、ギャオスの名付け親となった英一少年だが、あらためて作品を観ると、なかなか愛嬌のある男の子だ。少しぽっちゃり気味のほっぺが愛くるしい。洞窟の落石で身動きが取れなくなるシーンなど、怖がっている顔を見ると守ってあげたい気分になる。「ギャオ」なんて聞こえないじゃないかとあの時は思ったが、彼に対するイメージは半世紀以上立ってようやく上書きされた。大人げないことを言うのはやめにしよう。こうして僕は今、英一少年との歴史的な和解に辿り着いた気分に(勝手に)なっているのである。

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Written by 田近裕志(たぢか・ひろし)
JVTA修了生。子供の頃から「ウルトラセブン」などの特撮もの・ヒーローものをこよなく愛す。スポーツ番組の翻訳ディレクターを務める今も、初期衝動を忘れず、制作者目線で考察を深めている。

【最近の私】サッカーのW杯やテニスのウィンブルドンなど盛りだくさんなスポーツ界ですが、僕は世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス一択です。今年はガリビエ峠もアルプ・デュエズも登場すると知って大興奮。酷暑なのが気がかりですが、今から楽しみです。

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明けの明星が輝く空に
改めて知る特撮もの・ヒーローものの奥深さ。子供番組に隠された、作り手の思いを探る 
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「TUFS Cinemaイラン映画上映会」が開催 検閲下のイランで人々が詩に託した想いを読み解く

7月4日(土)、東京外国語大学で「TUFS Cinemaイラン映画上映会 『捨てられたものたちの詩人』」が開催される。日本語字幕をJVTAで学んだ翻訳者5名(加藤きく美さん、鈴木詩乃さん、土方有希さん、彦坂貴美さん、松本悠里さん)がチームを組んで5つのパートに分けて制作した。主人公はイランで詩人を目指しながらも清掃員となった青年。想いを寄せる女性に匿名で手紙を送り続ける。イラン国内の検閲下で製作されたため、曖昧かつ詩的な表現が随所に用いられており、その解釈が作品理解の鍵となった。翻訳者はイラン社会に関するリサーチと作品の解釈についてチームで話し合いを重ねたという。

この作品の背景や見どころについて、翻訳者の土方有希さんと彦坂貴美さんはこう話す。

「この映画は、2005年のイラン社会を映し出しています。イランでは雇用不足が深刻で、失業者も多い時代でした。そうした社会の中で、将来の夢をあきらめざるを得ず、清掃員として働く若者たちの生き様が心を打ちます。また、人目を忍んでひっそりと暮らす詩人の姿から、言論の自由が制約された抑圧的な社会であったことが伝わってきます。」(土方有希さん)

「見どころは、希望のない中にも希望を見出して生きる主人公の姿だと思います。私たち日本人は恵まれた環境に生きていますが、外国に目を向けてみれば、明日の命の保証もない、そういう環境に生きている人々もいます。そんな中でも、この作品の主人公は、詩を愛し、愛する人を見つけ、ひたむきに生きています。作品のクライマックスで、主人公の愛は女性に伝わったのではないかと私は思っています。最後の女性の表情をぜひ見てほしいです。」(彦坂貴美さん)

冒頭のパートを担当した鈴木詩乃さんは、作品の舞台背景やテーマを観客に提示する重要な役割を担っていたため、宗教的・政治的な背景描写には最大限の配慮を尽くしたという。イランには古くから詩が深く根付いており、その音感や表現は、思わずうっとりしてしまうほど美しいと鈴木さんは振り返る。

「本作は、そうしたイラン特有の詩的な感性を駆使し、社会問題や政治的なテーマを間接的かつ秀逸に描き出しています。さらに社会に対する鋭い風刺を、視覚的な面白さを交えて軽やかに表現している点も面白く、とても魅力的な作品です。」(鈴木詩乃さん)

加藤きく美さんが担当したパートにも短い詩があった。解釈に特に悩んだのは、愛の詩の一節の「歯」という言葉だったそうだ。

「ペルシャ語の現代詩は、自由な芸術作品としてではなく、政治批判のための表現手段として使われることもあります。そのような背景を踏まえながら本作品を見ると、より深く理解できるのではないかと思います。この比喩表現は何を表しているのか、本当は何を訴えたいのかを考え、社会背景とともにイランで隠喩として使われる言葉を調べながら訳しました。」(加藤きく美さん)

「検閲下で『語らずに語る』構成にぜひ注目してほしい」と話すのは、松本悠里さんだ。直接的に語れない制約があるからこそ、詩やゴミの中の手紙といった間接的な手段を通じて、登場人物たちの愛や希望、絶望、社会への静かな怒りなどが浮かび上がってくるという。

「劇中で老詩人が語る蝶の逸話は、ギリシャの作家カザンザキスの小説『その男ゾルバ』からの引用でした。まゆの中の蝶を早く羽化させようとして息を吹きかけ、結果的に殺してしまうという話です。出典を確認したことで、この逸話が作品の中で『焦り』というテーマとどう結びつくかを意識でき、登場人物の語り口や言葉の重さを日本語に移す際の指針になりました。」(松本悠里さん)

この作品の翻訳にあたり、JVTAでは翻訳チームの特別トライアルを実施。今回は比較的納期に余裕があることや上映会単発の作品であること、調べものなど翻訳者にも学びが多い作品であることなどを理由に通常のトライアル(隔月で開催)とは別に本件限定でのトライアルを行った。合格した5名は、全体を5つのパートに分けて各自が翻訳後、全員ですべての字幕を精査し、1つの字幕に仕上げた。それぞれが重ねたリサーチ内容を共有し、5つの視点で考えた解釈の基に再校し、ワードやトーンの統一を図ることでより、字幕の精度を高めていく。一人では気づけなかったポイントをお互いに再確認できることが最大のメリットだ。

「チーム翻訳では相互チェックがあるので、なぜその言葉を選んだのか、自分の訳語を説明する必要があります。スクールでは『根拠をもって訳す』ことの大切さを学んできましたが、チーム翻訳を通して、根拠ある訳語選びをより一層意識するようになりました。」(加藤きく美さん)

「私の訳をチェックしてくださった方が、担当パートに出てくる詩の一節の出典を教えてくださいました。そのおかげで、さらに掘り下げて調べることができました。翻訳には丁寧なリサーチが欠かせないことを改めて実感しました。」(土方有希さん)

「一番苦心したのは、イランの文化や言葉を『どこまでかみ砕くか』というさじ加減です。分かりやすくしすぎると作品特有の空気感が消え、かといって説明不足では伝わらない。この難しいラインを他のメンバーと話し合い、何度もリライトを繰り返しました。物語の独自性を損なわず、かつ分かりやすくもある…その絶妙なバランスを追求して、最終的な訳に落ち着きました。」(鈴木詩乃さん)

「英語字幕自体がペルシャ語からの翻訳であるため、そこまで遡って検証し、前後の展開に矛盾が生じない表現をチームで探りました。原文をただ訳すだけでなく、作品全体の整合性を保つことの大切さを実感しました。」(松本悠里さん)

「この作品を通して、作品の美しい部分を視聴者にそのまま伝える手助けをするのが翻訳者の役割ではないかと思いました。視聴者の方々に、作品の美しさが伝わることを願っています。」(彦坂貴美さん)

この上映イベントでは、トークイベントで専門家による解説も予定されており、イラン社会を内側の視点から見ることができる貴重な機会となるはずだ。ぜひ、会場に足を運んでみてはいかがだろうか。

◆TUFS Cinemaイラン映画上映会『捨てられたものたちの詩人』
日時  2026年7月4日(土) 14:00開映 (13:40開場、16:30終了予定)
会場  東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール
公式サイト:https://www.tufs.ac.jp/event/2026/260704_c01.html

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花と果実のある暮らし in Chiang mai プチ・カルチャー集 Vol.103 オンラインショッピングの信用度

★「花と果実のある暮らし in Chiang Mai」
インパクト大の写真をメインにタイのリアルなプチ・カルチャーをご紹介しています。

個人的な話になりますが、先輩がもうすぐ59歳になるにあたり、還暦までの日めくりカレンダーを作ろうと奮起した私。これはテレビドラマ『続・続・最後から二番目の恋』で主人公の和平さんが千明さんにプレゼントしていたもの。いいアイデアだなあと思ったのがきっかけで、私も作ろう!と思った次第であります。

久々の工作気分。あまり考えもせず、ブロックメモに、先輩の誕生日からの日付と一言を添えていこうと、まずタイのShopeeというオンラインのショッピングサイトでブロックメモ400枚入りを購入。届いたメモに、さっそく数字のスタンプで日付を押していったら…なんと365日のうち50日くらい足りないではないですか!ここまできて足りないとは…。400枚と謳っているのだから、余裕分であるはずの35枚も合わせれば85枚も足りない!インチキーー!400枚入りといっても、ブロックメモが届いてわざわざ数える人は少ないし、ほとんどの人は足りないことには気づいていないのだと思います。しかし、私としては困った事態に。運よく予備に買っていた2ブロック目を開けて、「ちっ、やられたなあ…」と思いながら、ひたすら作業を続けるのでありました。

そういえば、先日頼んだフェイスカバーは色違いが届いていたし、タイのオンラインショッピングの信頼度は私的には60%です。

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Written  by 馬場容子(ばば・ようこ)

東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美
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