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[JVTA発] 今週の1本☆inBLG

今週の1本  『インターステラー』

今週の1本  『インターステラー』
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9月のテーマ:友情
 

まさしく恐るべき映画である。こんなストーリーが人の頭の中から考え出されたという事実。そして、そのイメージを他人をも魅了する映像という形にまとめられるという能力。こんなややこしくて規格外な物語を何百人というスタッフをコントロールしながら破綻なく映像に落とし込んでいくという作業は、常人にはイメージすることさえ難しい。監督であるクリストファー・ノーランの力量は尋常ではない。
 

クリストファー・ノーランはデビュー作の『フォロウィング』からいい監督だと思っていたけれど、『ダークナイト』で一気にファンになった。そして『インターセプション』『ダークナイト・ライジング』を経てこの『インターステラー』では、本当にイスから転げ落ちるくらいの衝撃を受けた。ながらく作品を観続けていた監督だけに、「あいつ、ついにやってくれたな」と親友の偉業を讃えるような気分さえ覚えた。J.D.サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』の主人公ホールデンが「いい小説というのは、読み終わったあとに作者に電話をかけたくなるやつだ」と言っていたけれど、それはきっとこんな気持ちなのかもしれない。
 

物語の舞台は、環境悪化と食糧難で人類滅亡が迫る近未来の地球。移住可能な星を探すため、家族と二度と会えないことを覚悟しつつ宇宙の果てに旅立つ男。果たして彼は人類が移住できる星を見つけられるのか? そして男がたどり着いた驚くべき場所とは…というのがこの映画のあらすじだが、こんな短いあらすじではこの映画の魅力の1%も伝わらない。とにかくまずは実際に映像を観てみてほしい。
 

僕が最初に鑑賞した時には、本気で「これは映画の歴史が変わる瞬間を目撃したな」と思った。そして「この映画は『ゴッドファーザー』や『スター・ウォーズ』みたいな映画史に残る作品にしていかなければならない」という勝手な使命感に駆られて、ことあるごとに周囲にこの作品がいかに秀でているかを喧伝して回っている(この記事もその一環である)。だが、残念なことに今のところこの活動の明確な効果は見えていない。個人的には、ロケットを飛ばして月面に着陸させるくらいの離れ業なんじゃないかと思っているんだけれど。
 

『インターステラー』
2014年 アメリカ
監督:クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、エレン・バースティンほか
 

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Written by 桜井 徹二
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[JVTA発] 今週の1本☆ 9月のテーマ:友情
 

当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。

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