今週の1本 『きょうは会社休みます。』
12月のテーマ:終わり
今週の水曜日、最終回を迎えた日本テレビ系のドラマ『きょうは会社休みます』。初めはまったく興味がなかったけれども周りであまりにも話題となっていたのでシリーズ途中から観だしたらまんまとハマってしまった。日本中のファンが主演の綾瀬はるかの姿に、繰り返し“キュン死に”したことが、最終回でたたき出した視聴率16.9%につながったのだろう。
同作は、30歳にして彼氏いない歴30年のOL・青石花笑(綾瀬はるか)が、同じ会社でアルバイトをしている9歳年下の大学生・田之倉悠斗(福士蒼汰)との初めての恋愛に奮闘する姿を描いたラブコメディー。女性の気持ちは分からないが、福士蒼汰の女心をくすぐる口説きゼリフや“壁ドン”などの男前の仕草が女性視聴者を釘付けにしたのだと想像できる。そういう意味では僕はこのドラマのファンとは言い切れない部分もあるが、他にも注目すべき魅力が満載で最後は見入ってしまった。
まずは主演の綾瀬はるか。その演技に感情移入できたわけでも、演技が特別にすばらしいわけではないが(笑)。僕は単にファンだ。個人的には、冴えない花笑役には、綾瀬はるかは綺麗すぎる気がした。特にハイビジョン放送でアップのカットに耐えうるあの透き通るような美白肌が目立ちすぎていたのだ。この美白肌を保つためには、一体全体どのような手入れをしているのだろうか、とか、変なところが気になって目が離せなかった。
主演以外の登場人物が充実しているところも魅力だ。特によかったのはKAT-TUNの田口淳之介演じる花笑の同僚・大城壮。とびっきりポジティブなムードメーカーなので憎めないのだが、いけないところでついつい余計な一言を発してしまい、ひやっとさせられることが多い。しかし、張り詰めた場面で大城のこうした一言がコミックリリーフになってストーリーにメリハリを生み出していた。
あとは、槇原敬之・作詞作曲の主題歌『Fall』がとにかくすばらしい。毎回、クライマックスのシーンで絶妙なタイミングでかかるこのアップテンポの曲を、ここ数週間、毎日のように通勤時に聞いている。「あえてFallのあとにin loveとかつけてません(笑)」と自身は語っているが、その辺りも粋だと思う。“落ちる”と“堕ちる”は切っても切り離せない関係にあると僕は勝手に解釈している。
最後は予想を裏切ることのないハッピーエンドだったので、あとひとひねり欲しかった僕としては、続シリーズか映画化を期待してしまう。オンエアを見逃した方は是非DVDかオンデマンドで。
─────────────────────────────────
『きょうは会社休みます。』
演出:中島 悟、狩山俊輔ほか
出演:綾瀬はるか、福士蒼汰、仲里依紗、田口淳之介(KAT-TUN)
製作国:日本
放送:2014年
—————————————————————————————–
—————————————————————————————–
Written by 相原 拓(アイハラ・タク)
メディア・トランスレーション・センター ディレクター
—————————————————————————————–
[JVTA発] 今週の1本☆
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。