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発見!キラリ  英語で“おもてなし” 

発見!キラリ   英語で“おもてなし” 
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4月のテーマ:始まり
 

先週末、原宿で外国人観光客に英語で道案内をした。これはJVTAの新たなスクール、国際コミュニケーションアーツ学院(GCAI)が取り組んだ企画。英語でのコミュニケーション力を磨いた受講生の皆さんとスタッフがそのスキルを実践して“おもてなし”をするというものだ。東京で桜が満開となったこの日、花冷えの曇り空ながら多くの外国人が原宿に訪れ、約100人の質問に対応。確かな手応えを感じられるスタートとなった。
 

私たちが立っていたのは、原宿の駅を出て明治神宮へ向かう神宮橋の上。ENGLISH SPEAKING GUIDEと書かれたお揃いのビブスを着ていると「明治神宮の入り口はここでOK?」「竹下通りはどこ?」などと次々に声をかけられる。地図を見ながら立ち止まっている人たちにもビブスの文字を見せながら声をかけてみる。「ドラッグストアを探している」「まい泉(有名なとんかつ店)に行きたい」などと聞かれ、一緒に地図を見ながら案内すると、皆ほっとした笑顔を見せてくれた。中でも最も多く聞かれたのが、「代々木公園はどこ?」だ。確かに、駅前で周りを見回しても代々木公園への案内版がない。外国人はおろか日本人からも聞かれる始末で、初めて訪れた観光客には“優しくない”ことに改めて気づくことになった。
 

意外だったのは、「コスプレイヤーはどこで見られるの?」という質問がとても多かったことだ。「日曜にこの橋の上にコスプレイヤーがいるって聞いたんだけど…」と手書きのメモを見せてくれる人も。時々、1組、2組とコスプレ集団が現れるとあっという間に人だかりに囲まれる。一緒に写真を撮る人も多く、まるで有名人が来たかような熱狂ぶりだ。日本のコスプレイヤーがこんなに外国人から熱い注目を集めているとは…! やはり現場に立ってみないと本当のニーズは分からないと実感した。
 

【当日の様子はこちらをチェック】
https://www.facebook.com/gcai.jp/posts/1756447537922529
 

“おもてなし”で大切なのは流暢な英語力より、相手に寄り添おうとする気持ちだと思う。私自身、海外で何カ月も一人旅をしている間、本当に多くの人に助けてもらった。地下鉄の階段でスーツケースを運んでくれた紳士、乗換えのプラットホームまで連れて行ってくれた女性など数えきれないほどの恩がある。
 

中でも強く印象に残っているのは、ワーホリで知り合ったタイ人の友人を訪ね、タイに行った時のこと。待ち合わせたバス停留所に友人の姿がなく、30分以上待っても現れない(ちなみにこれは2000年の話で当時私は携帯もPCも持っていなかった)。不安になった私は、「このバス停留所はここでOK? 」と近くの人に聞いてみるが、誰にも英語が通じない。ここは友人の故郷である小さな町で観光地ではないからだ。それでもなんとか助けてくれようとして人が集まってくるのだが全く埒が明かない。「どうしよう?」と焦り始めたその時、ある男性が英語で話しかけてくれた! 聞けば、英語で通訳をしてほしいと頼まれ、私のために近くの店からわざわざ駆けつけてくれたという。彼は私の友人の家族にタイ語で電話をし、日本人がバス停留所で待っていると状況を説明。しばらく話してから「君の友達は仕事で遅れているが、ここで待っていれば大丈夫だ」と英語で伝えてくれたのだ。その後、無事に友人が到着して事なきを得たのだが、たった1人の旅人を多くの人が心配し、ここまでしてくれたことに本当に感激した。
 

帰国後、私は自らもJRの駅構内に立ち、旅行者の案内をする仕事を3年ほど経験した。成田エキスプレスの乗り場までスーツケースを持って一緒に走ったり、荷物を預けたロッカーの場所が分からないという人と一緒に鍵を頼りに探したり、時刻表を見ながら列車の乗り換えを教えたり…。異国の地での不安な気持ちがよく分かるからこそ、なんとか助けてあげたい。“おもてなし”の原点はいつも自分の実体験だった。今でも街中で地図を広げている人がいるとつい声をかけてしまうし、逆に道を聞かれることも多い。きっと私は無意識に“道聞かれオーラ”を発しているのだろう。
 

オリンピックを前に外国人観光客の“おもてなし”をしたい人はたくさんいるはず。今回も原宿で「自分もぜひボランティアに参加したい」という日本人から複数声をかけられた。GCAIではこれからも定期的に英語での案内をするボランティア活動を続けていく予定(参加対象者はGCAIとJVTAの受講生・修了生)。皆さんもぜひ一緒に始めてみませんか? あなたの小さなサポートで日本の旅がより素敵な思い出になります。お待ちしています!
 

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Written by 池田 明子
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[JVTA発] 発見!キラリ☆  4月のテーマ:始まり
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

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