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【コラム】JUICE #15「春だからかな。伝えたいという思いがあふれ出してしまいました。」●浅川奈美

【コラム】JUICE #15「春だからかな。伝えたいという思いがあふれ出してしまいました。」●浅川奈美
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浅川もまだまだだ。甘い。そう痛感することがあった。だいぶ落ち込んだ。
 

この出来事は私に「働くことの意味」「学び続けることの意義」を改めて考えさせるまでに及んだ。逡巡の期間、しばらくモヤモヤしていた。
 

私は努力をしているのか。努力しきれているのか。
 

毎日自問自答している。
 

本科の講義を担当させていただいている浅川は受講生・修了生の集まりにしばしば呼んでいただく機会がある。先日、ある刺激的なメンバーが顔をそろえるクラスの二次会のバーでこんなことを聞いてみた。
 

「朝、目覚めて14歳に戻っていたらどうしますか?」
 

この質問は漫画家・山田玲司氏の著書「キラークエスチョン ~会話は『何を聞くか』で決まる~」(光文社刊)にあったもの。
 

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多くの人がこう答えた。
 

もっと勉強がしたいと。
 

ある人は、もっともっと英語を勉強する。ある人は、今はさっぱり分からない理系に進む。ある人は、14歳で留学して世界を見る。ある人は、もっとポジテイブに生きる。
 

改めて気づかされる。
 

すごい人たちに出会えたのだと。心の底から学びたい人。学ぶことに価値を感じる人。
 

心から学びたい。そういう本気の、真剣な思いをもって、JVTAのドアを叩いてくれていたんだな。
 

そして、そう学び続けたいと純粋に思っている人たちに囲まれて生きることの、心地よさ。
 

私の知的好奇心。この人たちの「学びたい」に全力で、精一杯応えたい。
 

一人一人の大事な時間、労力、お金をかけて、JVTAを学びの場として選んでくれた。その人たちの“大事なもの”への対価として、私の講義は、私からの最高のプレゼントでなくちゃダメなんだ。そのためにも、私に必要なのは絶え間ない努力。ここではない次のステージに進みたい人たちへ、いつでも最大限サポートができるための自己鍛錬。いつでも明るく応援し続ける心。
 

講義を担当させていただくのは、自分の業務の一部ではあるけれど、私にとって「教える」という時間は最高の学びの場でもある。こんなにも強く、熱い気持ちで、それぞれの描く“なりたい自分”を叶えにきてくれる人たちとの毎回の出会いは、ありがたい。やっぱり、人が好きなんだな、浅川って。でも、引きこもりなんです。人前で話すのは苦手。だから講義の前日の夜から毎講義、緊張してよく眠れない。講義直前になると、手が震えたり、えづいたり。。。
 

本当にみっともない。自分がどんなに落ち込んでいても、仕事で失敗してトイレで泣くような事態があっても、講義の時間はやってくる。一度、みんなの前に出ればそこは一回一回が真剣勝負。受講生と私のセッションの始まり。やるしかない。それも毎回を最高のプレゼントを与えられるように。受講生からの「なりたい自分への情熱」というプレゼントのお返しとして。
 

さっきのクエスションのみんなの答え。
 

14歳に戻ったら、勉強したい。
 

本当に勉強したいんだよね。それをいまやっているみんな、すごいよ。かっこいいよ。毎週の課題、大変だと思う。仕事をしながら、家事をしながら時間を工面しながら睡眠時間減らしてやっているよ。学ぶことに思いを馳せ、それを実行している。このコラムを読んでくれているみんな。すごいよ。
 

修了していったみんな。みんなとの講義は毎回心が揺さぶられた。たくさん学ばせてもいただいた。一人一人の顔がよみがえる。一緒に“真剣しゃべり場セッション”した仲間の修了はすっごく寂しくなるけど、これからもみんなとはつながり続けます! JVTAファミリーだよ、みんな。応援し続けます!
 

「映像翻訳Web講座」のみんな。通学という環境ではなく、自分で時間をマネジメントしながら学んでくれているみんな、ありがとう! 一人なようで、一人じゃない。見てみて。周りには本当にいろんな本があり映像がある。どんなジャンルのものでも、全てが映像翻訳につながる。身の回りにあるもの全てが新しい価値観や、表現を教えてくれる、いわばクラスメートであり同期。面白い。私は一人で頑張り続けられるみんなを尊敬します! それでも“in person”の刺激が欲しい時、落ち込んじゃう時、そんな時はいつでも学校にきてください。電話してきてください。諦めちゃう前に、心のモヤモヤを吐き出して、JVTAに受け止めさせてください。
 

海の向こうの受講生のみんな、たった一度しか講義でお会いできなかったみんな、お会いしたことなくても私のブログを読んでくれて、私を好きになってくれたあなた、こうやって映像翻訳でつながることができて本当にうれしい。メールくれたみんな、いただいた時は涙が出ました! 距離も時差も関係ないですね。ちゃんと私たちは言葉のプロとしてつながっている。同志ですね! みんなとのつながりと、こうやって熱い思いを共有できることは、JVTAの財産です!
 

だからこそ、浅川も努力し続けよう。磨き続けよう。そう思う。自分を人を比べて落ち込んでいる場合じゃない。
 

読書家でも知られる元伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎氏は、仕事に対して、特に自分に対して極めて常に厳しい見方をしてきた。彼の言葉には嘘がない。経験に基づいている。そして、「引退した自分はただのジイさん」と自身を呼びながらも、長年培ってきた珠玉の知見を後世に伝えたい愛情であふれている。
 

“人間の能力は99.9%同じなんだから、努力の違いが必ずあるはずだ。だからまず、いまの倍くらい勉強しろ。たくさんやっていれば勉強の仕方も自分で会得できる。そういうこともやらないで、私は勉強ができない、才能がないなんて簡単に言うな──。”
丹羽宇一郎著「仕事と心の流儀」(講談社刊)
 

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努力が、努力だけが自分の限界を破り能力を開花させる。誰にでも、努力していれば、いわば人間の“DNAのランプ”が点灯する時があるという。本書を紹介する記事で、氏はこうも言う。
 

“ヒトゲノム(人の生命の設計図)は約30億のDNAの塩基配列からなり、その99.9%は誰でも類似しているそうです。つまり、隣の人との個体差は0.1%。人間の能力の差も、それほど変わらないと思います。ですから、能力を開花できるかできないかの差とは、“努力の差”ということです。”
 

丹羽氏、きっびしいなー。でも、真理だと思う。心底思う。努力し抜いた人にはかなわない。
 

この4月。
落ち込んだ人、いるだろう。悔し涙を流した人。いるだろう。分かる。その気持ちはよく分かる。
諦めないで欲しい。安西先生*も言っている。諦めたら試合修了ですよ。
 

本当にそうなのだ。
励ますためだけに言っているのではないよ。見てきたんだよ。なかなか結果が出せず、苦しくて学校に来てくれた修了生。本棚の前の通路で、ロビーで、何人もの話を聞いてきた。涙を流しながら悔しがっていた。
 

諦めないで。大丈夫。なれるよ。
 

自分を信じて挑み続けて、いまプロとして活躍してくれている! 何人も見てきた。諦めなかったんだ。
 

それでも辛い、落ち込んじゃったら、簡単には上がらない。モチベーションが下がった。情熱がなくなった。これからの不安。
簡単じゃない。そんなの簡単じゃないのは分かる。立ち上がるまで時間もかかるかもしれない。
 

辛いんだよね。
 

ま、そんな時はこの曲を聞いてみて。
 

アーティストとしての絶頂期、ストレスから重度のうつを発症。全国ツアーも半ばで断念せざるを得ない異例の事態。絶望の中、自殺まで考えた極限の状態から出来上がった曲が「STAY DREAM」。
 

最近では、自分を俯瞰で見るような“セカイ系”歌詞が多い中、全く違うトーン。絶望の自分から逃げない。赤裸々に裸の自分を言葉でさらけ出す。それでも夢を見続けろよ、という自分へのエール。私は、熱狂的ファンではないのだが、この歌は、泣けちゃうんだよね。暑苦しいコラムだったよね。なんか、ごめん。
 

私の言葉が届くように、今回はお笑い要素なくて、ぶつけてしまった。ファミリーのみんな、応援しているよ!!
 

挑む、挑み続ける、挑み抜く。似ているようでだいぶ違う。心意気一つで決まる。全ては自分だ。自分が決めるんだ。
 

*井上雄彦による高校バスケットボールが題材のマンガ「SLAM DUNK」(スラムダンク)の登場人物。彼が勝利を諦めかけた選手に放った「あきらめたら そこで試合終了ですよ…?」は名セリフとして読者・世代の枠を越えて語り継がれている。
 

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Written by 浅川奈美
 

あさかわ・なみ●経営企画として、地方自治体、企業のグローバルパブリシティ(海外広報)にかかわるコンサルティングならびにPRコンテンツの企画開発、国内外の大学、高校でのグローバル人材教育カリキュラム開発など、多数のプロジェクトを手がける。海外映画祭とアカデミアの連携による日本コンテンツの海外展開も推進している。書籍『はじめての映像翻訳』(日本映像翻訳アカデミー著 アルク刊)の共著者。本科講師。明星大学非常勤講師。日本映像翻訳アカデミー修了生。
 

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「JUICE」は日々、世界中のコンテンツと対面する日本映像翻訳アカデミーの講師・スタッフがとっておきのトピックをお届けするフリースタイル・コラム。映画・音楽・本・ビデオゲーム・旬の人、etc…。JVTAならではのフレーバーをお楽しみください!
 

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