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発見!キラリ 輝き続ける華「浅田真央」

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12月のテーマ:華
 

フィギュアスケートの全日本選手権は毎年クリスマスシーズンに開催される。今年(2015年)は12月24日(木)~27日(日)、札幌の真駒内セキスイハイムアイスアリーナが舞台。五輪、世界選手権等への出場権の選考を兼ねたシビアな試合ゆえ、多くの選手達は長年クリスマスを楽しんだことがないという。かつてこの全日本選手権に小学6年生で特例出場したのが浅田真央選手。見事に3連続3回転ジャンプを決めたのは2002年、もう13年も前のことだ。
 

浅田選手は2014年春、ソチ五輪の終了後にさいたまスーパーアリーナで行われた世界選手権で優勝したのち休養を宣言。昨年ははじめてクリスマスを楽しんだのではないだろうか。復帰するか否かは「ハーフハーフ」だったが、再び競技の道を選んだのはご存知の通り。しかし、わずか1シーズン空けただけで、世界の有力選手も随分入れ替わってきている。先日12月初旬にバルセロナで行われたグランプリシリーズ(GP)ファイナルで優勝したメドベデワ選手(ロシア)は16歳、銀メダルの宮原知子選手は17歳。浅田選手の全日本デビューの2002年には、彼女たちはまだスケート靴を履いたばかりだったはず…。“幼いころから浅田真央に憧れていた”という少女達は今や強烈なライバルに成長し、浅田選手はこの試合で6位と大きく後塵を拝した。
 

かつて王貞治さんが引退を強く意識し始めたのは、自分がプロ野球に入ったあとに生まれた世代の投手と対戦するようになってからだと聞いたことがある。浅田選手も、今まさにそういう気持ちになっているのかもしれない。今回の全日本で浅田選手は、現在NHK杯、GPファイナルで好成績を挙げ、絶好調の宮原選手と競う。本郷理華選手、永井優香選手ら次世代の若手たちも猛烈に追い上げてきているだけに、表彰台はもとより、世界選手権代表の選に漏れる可能性もある。
 

そんな厳しい環境の中でも彼女が競技を続けているのは、やはり本当に心の底からスケートが好きだからではないだろうか。例えば2008年、ヨーテボリ(スウェーデン)の世界選手権では、冒頭のトリプルアクセルに失敗。リンクの上にうつ伏せに倒れ込んだ時は誰もがもうダメだと思ったに違いない。しかし、浅田選手は決してあきらめず、それ以後のジャンプを全て成功させ、世界選手権初優勝を飾った。この試合の解説をしていた長野五輪銅メダリストのキャンデローロ氏(フランス)は、「世界中の選手達、特に子供達に、彼女のこの演技を見てほしい」と語った。
 


 
 

さらにソチ五輪では、ショートプログラムの大失敗で16位と出遅れたものの、翌日のフリーでは会心の滑りをみせ、6位入賞という結果を残した。メダルには手が届かなかったが、彼女の不屈のチャレンジはメダル以上の感動を与えてくれた。
 


 
 

浅田真央選手のトリプルアクセルや芸術的な表現は素晴らしい。しかし、最大の魅力は、どんな状況でも決してあきらめない、投げ出さない心、そして何よりスケートが好きでたまらない、という気持ちにあると思う。今年の全日本選手権ではどんな演技を見せてくれるのだろうか。順位やジャンプの成否ではなく、彼女の演技そのものを全力で応援したい。
 
 

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Written by 筆谷 信昭
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[JVTA発] 発見!キラリ☆  12月のテーマ:華
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

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