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Tipping Point Returns Vol.1 コトバのプロは強く、美しい

Tipping Point Returns Vol.1   コトバのプロは強く、美しい
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「コトバの習得に人生を重ね、これからもそうありたいと願う人々が、その力を最大限に生かせる仕事に出会うこと――」。それが日本映像翻訳アカデミー(JVTA)のビジョンであり、その実現に向けて努力を重ねることが私たちJVTAスタッフのミッションです。
 
一方、この国の一部には語学に打ち込む人を「語学屋」と呼んで見下す傾向があります。コトバは何かを成し遂げるためのツールにすぎず、コトバそのものを究めたところでリアルなビジネスには役に立たない、コトバだけでは飯は食えないということなのでしょう。しかしこれ、なんとも浅はかな了見です。コトバは無形のインフラ(社会基盤)。コトバを学び、守り、育て、活用しようとする社会は豊かになり、コトバを軽んじれば社会は劣化する。私はそう信じて疑いません。それなのになぜ、「語学屋」などという蔑称が存在し続けるのか。
 
先日、JVTAでのインターンの受け入れをテーマに東京外国語大学世界言語社会教育センターの新井滋特任教授、同大学大学院総合国際学研究院の沼野恭子教授とお話しする機会を得ました。お二人はJVTAのミッションや映像翻訳の魅力と可能性に大いに興味を示され、様々な意見交換を行いました。私が最も感銘を受けたのは、沼野教授による次の言葉です。

 
「語学学習に打ち込む人は、ビジネスの舞台においても認められて活躍できる人材だと信じています。なぜなら、語学を学び続けるという行為は、自身で長期的なゴールを設定し(計画性)、粘り強く努力を重ねる能力(忍耐力・持続的成長力)がなければできないこと。そして翻訳ができるということは、創意工夫や柔軟な思考を駆使し自分なりの答えを導き出す力(問題解決力)を持っているということ。いずれも今日のビジネスで成功するためには欠かせない資質だと言われていますよね。だから、語学屋などという批判は当てはまりません」。

 
不覚にも涙が出そうになりました。

 
コトバを学ぶ途上では、今の努力は報われるのかと不安になることもあるでしょう。そんな時は沼野教授の言葉やJVTAのミッションを思い出してください。コトバの習得に打ち込む行為は正しく、強いのです。そして、コトバのプロがその力を社会に示す行為は、技を極めたアスリートの動きのように美しい。私の眼にはそのように映ります。だから全力で応援したくなるのです。

 
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Tipping Point~My Favorite Movies~ by 新楽直樹(JVTAグループ代表)
学校代表・新楽直樹のコラム。映像翻訳者はもちろん、自立したプロフェッショナルはどうあるべきかを自身の経験から綴ります。気になる映画やテレビ番組、お薦めの本などについてのコメントも。ふと出会う小さな発見や気づきが、何かにつながって…。
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