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スタローン版ダーティハリー ブライアン・トンプソン in 『コブラ』

【最近の私】キー・ホイ・クァンとミシェル・ヨーが、ゴールデングローブ賞を受賞しました。受賞作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の公開も楽しみです。
 

シルヴェスター・スタローンといえば、『ロッキー』(1976年)や『ランボー』(1982年)のような人気シリーズがある。そして彼の新たなシリーズとして制作された(と思われる)『コブラ』(1986年)がある。今回はその『コブラ』に登場した、ブライアン・トンプソンが演じた悪役を紹介したい。
 

マリオン・コブレッティ(シルヴェスター・スタローン)は通称コブラ、ロサンゼルス市警の特別捜査班“ソンビ班”に所属する刑事だ。『コブラ』は開始早々、ある男がスーパーマーケットで銃を乱射する場面から始まる。現場に到着したコブラは、銃を犯人に向けると、「お前は病気だ。俺が薬だ」と犯人を射殺する。コブラは優秀な刑事だが、事件を解決するためには手段を選ばない。そのため上司や仲間から批判を受けている。
 

『コブラ』は、クリント・イーストウッド主演の『ダーティハリー』(1971年)を意識している印象がある。例えば『ダーティハリー』で悪役を演じたアンディ・ロビンソンがコブラの上司として登場する。またハリーの相棒役のレニ・サントーニが『コブラ』でも主人公の相棒刑事を演じるなど、共通点がある。
 

主人公の名前がコブレッテイ、あだ名がコブラというのは、正直どうかと思うのだが、でも当時はスタローン全盛期だったので、このような設定でも1本の映画が作られていたのだと感じる。
 

『コブラ』では、スタローン演じる主人公は、いつも口にマッチをくわえ、自身の銃のグリップにコブラの絵が彫刻されているなど、キャラクターづけがされている。スタローン自身が脚本を書いているからかもしれないが。そしてヒロイン役には、当時スタローンの妻だったブリジット・ニールセンを登場させるなど、スタローンの主張がかなり強い内容である。
もともとスタローンは『ビバリー・ヒルズ・コップ』(1984年)の出演オファーがあったのだが、色々とスタローンが内容に注文を出してきたため、彼は降板させられる。その代わりにエディ・マーフィーが抜擢されたというエピソードがある。その時にスタローンが考えた刑事キャラを『コブラ』として作り直したのではないか。
 

主人公にはスタローンの思い入れがあるが、逆に他のキャラクターは、意外とあっさりというか、地味である。その中でも、殺人鬼ナイト・スラッシャーを演じたブライアン・トンプソンは、狂信的な殺人者集団のリーダーとして、悪の魅力を放っている。
 

ブライアンは『ターミネーター』(1984年)で、ターミネーターに殺されるチンピラを演じていた。その後、『コブラ』で演じたナイト・スラッシャー役でゴールデンラズベリー賞最低助演男優賞にノミネートされ、ある意味で注目を浴びる。その後はTVドラマや映画で悪役を演じることが多い。
 

ロッキー、ランボーに続くシリーズとなるかと思われたが、残念ながら続編が作られることはなかった。でもこの映画を観直すと、当時のスタローンはやっぱり恰好いい。個人的には今からでも遅くはないので、『コブラ』新作を作ってほしいです。
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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ようこそ、地上600mの絶望へ 『FALL/フォール』の予告編

【最近の私】『インディ・ジョーンズ』新作の予告編を観ました。過去のシリーズを思わせる予告編で、楽しみです。
 

映画には、高い場所で物語が展開する作品がある。例えば、山の中で主人公が孤立してテロリストと戦う『クリフハンガー』(1993年)、また超高層ビルを舞台に、主人公の警官が孤軍奮闘する『スカイスクレイパー』(2018年)などが思いつく。今回はその中から、『FALL/フォール』(2022年)の予告編を紹介したい。
 

予告編は、主人公2人の女性ベッキー(グレイス・フルトン)とハンター(ヴァージニア・ガードナー)が、とある場所に向かう場面から始まる。「今日は、とんでもない企画に挑戦します」と。行く場所は、規格外に高いモンスタータワー、テレビ塔だ。その高さは、何と600メートル。彼女たちは、2人でこのタワーの頂上を目指すという。ハンターは「心配しないで」と言うが、普通は心配しますけど。ちなみに、東京スカイツリーは高さ634メートルで、ほぼあのタワーに登るのと一緒である。
 

2人がこの塔に登るのには、理由があった。1年前に山でのフリークライミングで、夫を落下事故で亡くしたベッキーは、いまだに悲劇から抜け出せないでいた。そこで、友人のハンターが、新たにクライミングの計画を立てた。ハンターは、ベッキーを立ち直らせようとしているのだ。…ちょっと待ってください。こんな塔に登ることで夫を亡くしたトラウマから逃れることができるか?
 

2人はテレビ塔を登り始める。鉄製の古びたハシゴを使い、頂上を目指して登っていく。ハシゴは劣化しており、かなり不安になる。登っている途中で、2人は下を見る。高所恐怖症の自分からすると、こんなタワーに登ることすらありえない。さらに途中で下を見るなんて、それだけで眩暈がします。
 

2人は頂上に到達する。だがその時、ハシゴのネジが外れて、2人は落下していく。命綱をつけていたので一命をとりとめるが、ハシゴが崩れて、2人は頂上に取り残されてしまう。降下することは不可能だ。タワーは砂漠の真ん中にあり、誰にも見つかることはない。さらに、スマホも圏外になり、使用はできない。ケータイが圏外になり、主人公たちが孤立してしまうのは、ホラーやサスペンス映画ではお約束の展開ですね。さらに、水がない。
食糧なし…電波なし…充電なし…そして救助なし…。絶望的である。
 

ここで、「『海底47m』のスタッフが贈る、新たな恐怖」のナレーションが入る。『海底47m』(2017年)は、水深47メートルの海に沈んだ檻に閉じ込められた姉妹が、人食い鮫に襲われる恐怖を描いたパニック映画である。この作品はヒットを記録。続編『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(2019年)が制作された。
 

場所を限定したサスペンス映画というと、低予算だが、様々な危機的状況にあう作品がある。例えば『[リミット]』(2010年)は、地下に埋められた箱に閉じ込められた主人公が、何とかして助かろうとする物語だった。今回も、タワーの頂上に残されたベッキーとハンターが、サバイバルしようと知恵を絞るストーリーになっているようです。2人が無事に助かるのかどうか、映画館で確認してきます!
 

今回注目した予告編
『FALL/フォール』
監督:スコット・マン
出演:グレイス・フルトン、ヴァージニア・ガードナー
2023年2月3日より公開
公式サイト:
https://klockworx-v.com/fall/#smooth-scroll-top

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
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クリスマスに再び登場するテロリスト ウィリアム・サドラー in『ダイ・ハード2』

【最近の私】Netflixで配信中のドラマシリーズ『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』を観ています。今まで観たエピソードはどれも怖くて面白いです。
 

クリスマスになると、観たくなる映画がある。それは『ダイ・ハード』(1988年)だ。クリスマスのロサンゼルスを舞台に、緻密なプロットと迫力あるアクション、最後まで途切れることのないサスペンス、そして魅力的な悪役…。この作品に登場した悪役は、当コラムでも紹介した。(https://www.jvta.net/co/cinemach-die-hard/)。今回は続編『ダイ・ハード2』(1990年)でウィリアム・サドラーが扮した悪役を紹介したい。
 

物語は前作から1年後のクリスマス。マクレーン(ブルース・ウィリス)が妻ホリー(ボニー・ベデリア)を迎えにワシントンDCのダレス空港に向かう。ホリーはダレス空港に向かう飛行機に搭乗しているのだ。同じころ、元アメリカ軍大佐のスチュワート(ウィリアム・サドラー)と彼が率いる謎の集団も空港に集まっていた。スチュワートたちは空港の管制システムを乗っ取り、さらに空港の滑走路のライトを消灯し、飛行機が着陸できないようにする。
 

スチュワートの目的は、逮捕されて南アメリカからダレス空港に挿管される麻薬王エスペランザ将軍(フランコ・ネロ)の奪還だ。空港の完成システムを乗っ取ったスチュワートたちは、着陸できない飛行機の乗客を人質に、将軍を引き渡すように求める。もし抵抗すれば、乗客の命はない。
 

テロリストから管制機能を取り戻すためにSWATチームが出動するが、待ち伏せていたテロリストたちの返り討ちにあう。そこに登場したマクレーンがテロ集団に銃弾を放つ。だが自分たちに抵抗した代償として、スチュワートは残りの燃料がわずかになった飛行機に誤った着陸情報を伝え、その飛行機は滑走路に激突して爆発する。乗客全員が死亡という大惨事を引き起こす冷酷なスチュワートに、思わず部下もひいてしまう。
 

作戦を実行するためには犠牲もいとわないスチュワートだったが、今回は相手が悪かった。第1作目でビルを乗っ取ったテロリストたちを相手に、1人で戦ったマクレーンが、たまたま空港にいたからだ。マクレーンは今作で「なんでクリスマスに同じような目に遭うんだ」とぼやくが、スチュワートからすれば「なんでお前が、ここにいるんだ」と言いたくなるだろう。そしてテロリストとマクレーンの戦いへ。前作をしのぐアクションと、ありえないとツッコミを入れたくなる展開もあるが、頭脳と肉体と爆発を駆使したバトルは見ものです。
 

ウィリアム・サドラーは1950年生まれ。舞台俳優として経歴をスタートする。その後は映画やテレビに出演するようになり、『ダイ・ハード2』で注目を浴びる。いかつい風貌(ほめてます)から、悪役を演じることが多いが、『トレスパス』(1992年)では消防士、『ショーシャンクの空に』(1994年)では囚人など、幅広い役を演じている。またスティーヴン・キング原作の『グリーンマイル(1999年)や『ミスト』(2007年)にも出演している。キアヌ・リーヴィス出演の『ビルとテッドの地獄旅行』(1991年)では死神を演じ、その続編『ビルとテッドの時間旅行 音楽で世界を救え!』(2020年)でも同じ死神に扮していた。
 

今では脇役しても欠かせない俳優の1人となったウィリアム・サドラーだが、彼が注目された本作も、クリスマスに観る映画としておすすめです。
 
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最狂と最強の対決!「犯罪都市 THE ROUNDUP」の予告編

【最近の私】今回のコラムで取り上げた『悪人伝』のハリウッドリメイク版はシルヴェスター・スタローンが制作との情報も。
こちらも楽しみにしています。
 

マ・ドンソクは韓国出身の俳優だが、今やアジアのみではなく、マーベル・シネマティック・ユニバース作品『エターナルズ』(2021年)に出演するなど、世界的に活躍をしている。今回は、ドンソクの出演新作で韓国にて大ヒットを記録した『犯罪都市 THE ROUNDUP』の予告編を紹介したい。
 

予告編は、韓国クムチョン署の強力斑の刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)が、ベトナムに向かう場面から始まる。韓国からベトナムに渡った犯罪者の引き渡しを行うためだ。だが、そこで明らかになったのは凶悪犯カン(ソン・ソック)の存在だった。カンの起こした誘拐事件を調べるため、ソクトは現地警察が止めるのも振り切って捜査を開始する…。
 

刑事が母国を離れて外国で犯人を追うという作品はこれまでにも作られてきた。マイケル・ダグラス扮するアメリカの刑事が、逃亡した容疑者(松田優作)を追う『ブラック・レイン』(1989年)や、香港警察の警部(ジャッキー・チェン)が、ロサンゼルスで誘拐事件に挑む『ラッシュアワー』(1998年)などが思い浮かぶ。
 

本作は、『犯罪都市』(2017年)の続編である。第1作目は、ソクト刑事率いる強力班の刑事たちが、中国から来た犯罪組織を追う物語だ。激しいアクションとバイオレンス、個性豊かなキャラクター、それに随所にユーモアを交えて展開する。さらにドンソクが演じるソクト刑事が、張り手ひとつで犯罪者を叩きのめすワイルドな強さ。いかつい外見で強引な捜査は行うが、心優しい一面も持っており、ドンソクの当たり役ともいえる作品だった。
 

続編の予告編でも、ドンソクが素手で相手を張り倒す場面もあり、彼の強さは健在である。ドンソクの無敵さはトレードマークのようなもので、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)ではゾンビたちを素手でなぎ倒していた。また『悪人伝』(2019年)では連続殺人犯に襲われながらも、一命を取りとめ、犯人を捜す暴力団のボスを演じている。ちなみに『悪人伝』はハリウッドでリメイク化が進んでおり、ドンソクが引き続き出演するという。こちらも楽しみである。
 

予告編に戻る。今回ソクトと対決する凶悪犯カンは、かなり極悪なキャラクターらしい。
前作『犯罪都市』でも、中国から来た犯罪者が、これまた残虐非道で容赦なく人を殺害して、ソクトたち刑事たちも苦戦していた。自分は韓国映画と俳優にそれほど詳しくはないのですが、悪役を演じる俳優たちが、その役にハマっていることが多いです。先日観た『楽園の夜』(2021年からNetflixで配信)でも、悪役がとても恐ろしかったのを覚えている。やっぱり、こういうアクション映画は、悪役が強烈であればあるほど面白くなりますね。続編でも、凶悪犯がソクトと、どれだけ激しい戦いをするか期待しています。
 

予告編は、カーチェイスや、バスの中での格闘シーンなど、アクションシーンがこれでもかと続く。また、予告編の最後にソクトが男の股間をギュッと握る場面は、前作からのお約束である。前作から観ると、さらに楽しめる映画かもしれない。ドンソク演じる最強の刑事が、最狂の犯人を捕まえることができるのか? 映画館で確認してきます!
 

今回注目した予告編:
『犯罪都市 THE ROUNDUP』
監督:イ・サンヨン
出演:マ・ドンソク、ソン・ソック、チェ・グィファ
2022年11月3日より日本公開
公式サイト:https://hanzaitoshi.jp/
 

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優しき隣人はサイコパスだった! オクタヴィア・スペンサー in 『マー -サイコパスの狂気の地下室-』

【最近の私】『ミッション:インポッシブル』シリーズ新作の予告編を観ました。トムが自身で危険なアクションに挑む姿は、かつてのジャッキー・チェンみたい。公開が楽しみです。
 

俳優はヒット作で演じた役や、同じようなキャラクターを続けて演じることで、特定のイメージがつくこがある。だが、時には意外な役に挑戦する俳優もいる。今回は『マー -サイコパスの狂気の地下室-』(2019年)でオクタヴィア・スペンサーが演じたキャラクターを紹介したい。
 

物語は、夫と離婚したエリカ(ジュリエット・ルイス)が、故郷のオハイオ州に娘マギー(ダイアナ・シルヴァース)と一緒に引っ越す場面から始まる。マギーは転校した高校ですぐに友人もでき、同級生4人とパーティを行うことに。だが高校生なので店で酒を買うことができない。そこで、店の前で通りがかる人に酒を買ってほしいと頼む。日本では未成年者が見知らぬ大人に酒を買ってほしいと頼むことはあまりないだろう。だが、海外では酒やたばこを買ってほしいと大人が頼まれることはあるようだ。皆さん、頼まれても買ってはだめですよ。
 

そこで通りかかったのが、スー・アン(オクタヴィア・スペンサー)だ。彼女は高校生たちの頼みを聞き、酒を購入する。その酒をマギーたちが人けのない屋外で飲んでいたところ、警察官が来て飲酒がばれてしまう。だがマギーの仲間の1人の父親(ルーク・エヴァンス)が元警察官だったので、マギーたちは注意だけで放免となる。実は、マギーたちが飲酒しているのを密告したのはなんと、スー・アンだった。
 

今回は助かったが、また外で酒を飲み警察に見つかることを心配するマギーたち。だが、スー・アンは、自分の家の地下室を高校生たちに開放することを提案する。あっという間に、若者たちの間でスー・アンの家は有名になり、彼らの集まる場になる。
 

スー・アンは、一見優しい女性に見えるが、徐々に違う一面を見せるようになる。彼女はマギーたちに名前をインターネットで検索し、SNSで個人情報を集めていく。なぜそうするのかはここでは言えない。今の若い人たちは自分のプライベートや顔写真をSNSで公開しているので、他人がいろいろな情報を知ることができる、恐ろしい時代です。
 

オクタヴィア・スペンサーは1970年生まれで、映画デビューは『評決のとき』(1996年)。その後はTVドラマ『ER緊急救命室』『X-ファイル』や『25年目のキス』(1999年)などの映画で端役を務めている。長い下積みの後、2011年に『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』で高い評価を得て、アカデミー助演女優賞を獲得する。以降は『ドリーム』(2016年)や『シェイプ・オブ・ウオーター』(2017年)に出演している。
 

オクタヴィアは、外見や雰囲気から「心優しい人」のイメージが強い。本人もそのイメージを一新したかったのか、『マー』では出演のみならず製作総指揮も兼任している。一見優しそうな女性が、実は恐ろしかったという展開は、演じる側としても、やりがいがある役ではないだろうか。今までのオクタヴィアとは違った一面が観られる作品ですので、興味を持った方はぜひ。
 

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『ロッキー』が新たに甦る 『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』の予告編

【最近の私】Netflixで台湾ホラー『呪詛』を観ました。期待を裏切らない怖い作品でした。劇場で公開中の『哭悲 THE SADNESS』も話題になっていて、台湾ホラーは注目ですね。
 

映画が完成して公開された後、監督が再度編集をして「ディレクターズ・カット」として公開、DVD発売をすることがある。今回は『ロッキー4/炎の友情』(1985年)を監督・脚本・主演のシルベスター・スタローンが再編集した『ロッキーVSドラゴ:ROCKYⅣ』(2021年)の予告編を紹介したい。
 

『ロッキー4』はすでに観ている方もいるだろうから、ネタバレ気味になる場合があります。予告編は、ロシア(公開当時はソ連)のボクサー、ドラゴ(ドルフ・ラングレン)がアメリカにやって来る場面から始まる。ドラゴはロシアの科学技術を集結して肉体を鍛えられた超人的なアスリートだ。ドラゴは現チャンピオンのロッキー(シルベスター・スタローン)との試合を求める。ロシアのボクシングの強さを見せつけるためだ。
 

その挑発に、かつて王者で今はロッキーの親友であるアポロ(カール・ウェザース)が、「俺は勝てる」とドラゴに挑もうとする。ロッキーは「俺たちの時代は終わった。もう戦う理由はない」と反対する。だがアポロは「これで最後だ。力を貸してくれ」とロッキーに協力を請う。
 

そしてアポロ対ドラゴの試合が始まる。ドラゴの圧倒的な強さに、リングに倒れるアポロ。「これ以上は無理だ」と試合を中断しようとするロッキーに、「戦わせてくれ」と反対するアポロ。その結果、アポロは帰らぬ人となる…。
 

自分が原因でアポロが死んだと責めるロッキー。自分にできることは、これしかないと、ドラゴとの戦いを決意。「人生には何かをやり遂げなければならない時がある。他の皆が反対しても、自分にとって正しいことなら、すべきことをする」と反対する家族に伝える。ロッキーVSドラゴの試合は、ロシアで行われることに。アウェイの試合、現地の観客ばかりとなる不利な状況でロッキーは戦いに挑む。
 

ロシアに着いたロッキーは、雪山の中を走ったり、大木をかついで歩いたりと、ドラゴの化学的なトレーニングとは対照的な訓練を始める。ロッキーの持つパワー、そして家族への愛で厳しい練習を続けるロッキー。そしてロッキー対ドラゴの試合が始まった…。
 

『ロッキー4/炎の友情』を再編集、しかも40分を越える未公開シーンを加えたバージョンである。オリジナル公開版は上映時間が91分だから、さらに40分を足すと130分近い作品になるのかと思った。だが今回の『ロッキーVSドラゴ』は94分。ということは、半分近くが新しいシーンで構成されており、ほぼ新作といっても過言ではない。
 

オリジナル版の公開時はアメリカとロシアが冷戦状態にあり、ボクシングで両国が対決する展開にさすがに強引さを感じた人も多かっただろう。ただ、『ロッキー』シリーズ1作目から登場していたアポロが死ぬという第4作はファンにとっても特別な作品と言える。そして2015年には、アポロの息子がロッキーの指導でボクシング選手になる『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)が制作された。さらにアポロの息子とドラゴの息子が対決する『クリード 炎の宿敵』(2018年)もある。シリーズの要となる4作目がスタローンの手で新たに甦るとしたら、ファンとしては期待しますよね。新生『ロッキー』を映画館で確認してきます!
 

今回注目した予告編:
『ロッキーVSドラゴ:ROCKYⅣ』
監督・主演:シルベスター・スタローン
出演:ドルフ・ラングレン、カール・ウェザース
2022年8月19日より日本公開
公式サイト:
https://www.culture-ville.jp/rocky4

 
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復讐に燃える犯罪者 ニコラス・ツェー in 『レイジング・ファイア』

【最近の私】『ロッキー4/炎の友情』(1985年)が、スタローン監督が再編集して『ロッキーVSドラゴ ROCKY Ⅳ』として8月に公開されることに。これは観たいです。
 

「昨日の友は今日の敵」という言葉がある。映画の中には、この言葉のように、それまでは仲間だったが、現在は敵対する関係になる展開が見られる。昨日の敵は今日の友というパターンもあるが…。今回は『レイジング・ファイア』(2021年)で、ニコラス・ツェーが演じた悪役を紹介したい。
 

RF5
※『レイジング・ファイア』公式サイトより
https://gaga.ne.jp/ragingfire/
 

舞台は香港。警官チョン(ドニー・イェン)は、麻薬組織を逮捕するために部下を連れて麻薬取引の現場に向かう。だが逮捕作戦の途中に、仮面をかぶった武装グループに襲撃を受け、チョンは仲間を殺害されてしまう。その武装グループは、元香港警察の警官たちで、リーダーはかつてのチョンの部下だったンゴウ(ニコラス・ツェー)だった。
 

ンゴウたちは4年前、銀行の会長が誘拐された事件を捜査している時、警察副総監から「どんな手を使ってでも犯人を捕えろ」と命令を受ける。そのため、誘拐の容疑者を取り調べている時に誤って殺害してしまう。その後、ンゴウを含む警官5人は裁判にかけられるが、副総監に「どんな手を使ってなど指示していない」と見捨てられる。服役中も、じぶんたちが逮捕した犯罪者に復讐され、顔に傷を負うンゴウ。出所後、ンゴウたちは自分たちを陥れた警察に対して復讐を誓う。
 

ンゴウ率いる犯罪グループは、冒頭の襲撃事件を手始めに、大量の武器を準備して警察への復讐を遂行する。ンゴウは仲間に「もしミスをしたら、それが神だとしても許しはしない」と言う。その言葉通り、計画を失敗した人間に対しては冷酷な面を持っている。
 

ンゴウを演じるニコラス・ツェーは、1980年に香港で生まれる。7歳でバンクーバーに移住し、英語が堪能だ。また、芸能活動を始めてからは、一時埼玉県に住んでいたこともある。ニコラスは『ジェネックス・コップ』(1999年)で注目され、『レイジング・ファイア』の監督ベニー・チャンが手がけた『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年)でジャッキー・チェンと共演する。ベニー監督作品にはその後も『インビジブル・ターゲット』(2007年)、『新少林寺/SHAOLIN』(2011年)と出演を続ける。『インビジブル・ターゲット』ではかなり過激なアクションを自身で挑戦しており、かなりハラハラした覚えがある。ちなみにドニー・イェンとは『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(2006年)以来の競演となる。
 

ニコラスが2000年代に作品に出ていたころは、ジャッキー・チェンを次の世代となるアクション俳優になるのではと予測していた。だが『ビースト・ストーカー 証人』(2008年)で暗い過去を持つ刑事、『密告・者』(2010年)では囮捜査に巻き込まれる元犯罪者など、陰りのあるキャラクターも増えていく。そして、ニコラスも40歳を超えて、アクションだけではなくその年齢に応じた人物を演じられる俳優になった。『レイジング・ドラゴン』はもちろん迫力ある銃撃戦やカーチェイス、それにドニーの格闘シーンも見ものだ。だが、ニコラスが円熟味も加わって演じた悪役も、見どころのひとつになっている。かつては仲間だった男たちの戦いを見届けてほしいです。
 
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電話が鳴る 『ブラック・フォン』の予告編

【最近の私】『トップガン マーヴェリック』を観ました。36年ぶりの続編ですが、トムのこれまでのキャリアと年月が作品に厚みを加えていました。そしてヴァル・キルマーに再会できたのも感動です。
 

イーサン・ホークは80年代から俳優として『いまを生きる』(1989年)や『トレーニング デイ』(2001年)、『ビフォア・サンセット』(2004年)など、数多くの作品に出演してきた。またシリアスなドラマから、ラブストーリー、アクションなど、さまざまなジャンルにも挑戦している。今回はイーサンの出演最新作『ブラック・フォン』(2022年)の予告編を紹介したい。
 

予告編は、ある街の風景からはじまる。フィニー(メイソン・テムズ)とグエン(マデリーン・マックグロウ)が住む街では、少年少女が誘拐される事件が発生していた。ある日、フィニーが道を歩いていると、路上に止めた車から、1人の男が出てくる。その男(イーサン・ホーク)は「僕はマジシャンだ。マジックを見る?」とフィニーに話しかける。男は黒ずくめの服で、顔は白く塗っている。普通なら怪しい外見で、絶対に近づきたくない。フィニーが油断した一瞬をついて、マジシャンは彼を車に押し込んでしまう。そう、このマジシャンこそ、誘拐犯だった。
 

誘拐されたフィニーは、見知らぬ部屋で目覚める。その部屋には、黒い電話が壁にかかっていた。フィニーが受話器を手に取り電話をかけようとすると「その電話は通じないよ」とマジシャンの声が。電話線が切断されている。声がした方をフィニーが見ると、そこには怪しげなマスクをかぶったマジシャンの姿があった。
 

誘拐されて絶望するフィニーだが、そこに使えないはずの黒電話が鳴る。フィニーが受話器を取り、「誰?」と話しかけると、彼の後ろに血を流す少年がいた!その少年は、マジシャンに誘拐されて殺された霊らしい。「ここから出るんだ」という少年の言葉で、フィニーは脱出を試みる。
 

一方、妹のグエンは、兄の夢を見て、その夢から彼のいる場所を探しだそうとする。グエンには予知夢を見ることができる能力があるようだ。兄を探すグエンだが、彼女の前にも、誘拐事件で犠牲になった子どもたちが姿を現す。だが監禁されているフィニーに残された時間はわずかだった…。
 

電話がサスペンスの要素として登場する作品は多く作られている。電話から聞こえる声だけで誘拐事件を解決しようとする『THE GUILTY ギルティ』(2018年)や20年という時間を越えて電話で会話をする『ザ・コール』(2020年)などがある。電話を使ったサスペンスは、いつその電話が切れてしまうか分からないという展開がお約束だ。そして電話が外部に繋がっていることを犯人に知られてはいけないという緊張感も加わる。『ブラック・フォン』でも、霊の助けを借りながら、フィニーの脱出劇、また妹が兄を救おうとする二重の物語が同時に進行してハラハラが盛り上がると思います。
 

本作の原作は、スティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒルである点も注目だ。ヒルはホラーやファンタジーなどの作品を発表しており、『ブラック・フォン』は彼の描いた短編が原作となっている。フィニーと霊の脱出は成功するのか、また妹は兄を救うことができるのか。映画館で確認してきます!
 

注目した予告編:『ブラック・フォン』
監督:スコット・デリクソン
出演:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ
2022年7月1日より公開
公式サイト:
https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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二大ベテラン俳優の激突! ロバート・デ・ニーロ in 『ヒート』

映画の見どころとして、ドラマやサスペンス、アクションは重要だ。それ以外にも、俳優同士の競演が、さらに作品を盛り上げていく場合もある。今回は、『ヒート』(1995年)でアル・パチーノ扮する刑事と対決した、ロバート・デ・ニーロが演じる犯罪者を紹介したい。
 

物語の舞台はロサンゼルス。ニール(ロバート・デ・ニーロ)が率いる犯罪者グループが、白昼に現金輸送車を襲撃する。そして市警のベテラン警部ヴィンセント(アル・パチーノ)がこの事件を担当することに。現場の様子から、ヴィンセントはこの襲撃が周到に計画された、プロの犯罪者たちの手口であると見抜く。そして、ヴィンセントの捜査班が、ニールたちを捕えるべく、捜査を始める。
 

ニールは強奪にあたり細かく計画を練り、冷静に進めていく。ニールの家族のことは描かれていないが、仲間の家族のことも気にする一面も持っている。仲間は信頼しているが、裏切りは決して許さない。冒頭の強奪事件で、仲間の1人が警備員を射殺してしまうという計画にないミスが起こり、そこからニールたちに警察の手が伸びていくのだった。
 

ロバート・デ゙・ニーロについて、今さら書くことはしません。デニーロとパチーノがそろって出演したのは『ゴッドファーザーPARTⅡ』(1974年)以来である。だが『ゴッドファーザーPARTⅡ』では2人の登場する時系列が違うため、同じ場面での共演はなかった。『ヒート』でも、刑事と犯罪者という関係から、2人はなかなか接触する機会はない。だが終盤、カフェでついに2人は対峙する。
 

このカフェでのシーンは、ただニックとヴィンセントが座って会話するだけなのだが、とても緊張感にあふれている。ここで2人は気づく。自分たちは同じタイプの人間だと。それは、自身の仕事にすべてをかけて打ちこむという点だ。ニールは犯罪者として、強奪を繰り返す。だが、自分の身に危険が及ぶのが分かれば、30秒で姿を消すことができる。ニールには恋人がいるが、ニールは言う。その彼女さえも捨てて逃げると。一方、ヴィンセントは刑事として捜査に人生をかけている。これまで2回結婚しているが、彼が家庭を顧みないことが原因で、離婚で終わっている。今も3人目の妻と彼女の連れ子がいるが、その生活も壊れかけている途中だ。ヴィンセントは言う。「犯罪を続けるのなら、お前を殺す」。それに対してニールは「邪魔をする者は殺す」と答える。
 

そしてニールと犯罪者グループが銀行強盗を決行し、それを阻止するべく出動したヴィンセントたち捜査班がついに激突。ロサンゼルス市内で大銃撃戦が幕を開ける。本作の山場の一つであるこの銃撃戦は、まさに市街戦。今でも、ガンアクション映画を語る上で、必ずといって挙げられる場面でもある。この映画が公開された時、映画館でこのシーンを初めた時、耳のそばで銃が撃たれたような音響は衝撃だった。ニールとヴィンセントの、プロとしての命をかけた戦いとして、ふさわしい場面でもあります。
 

『ヒート』が公開されてから25年以上経つが、今回観直しても色あせない魅力を放っている。その理由の一つに、2人の競演があるのは間違いないでしょう。
 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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こんなはずじゃなかった! 『アンビュランス』の予告編

【最近の私】藤子不二雄Aさんが亡くなりました。『まんが道』を初めて読んだのは高校生の時でした、今でも読み返しています。たくさんの作品をありがとうございました。
 

アクション映画では、メインの物語が進むにしたがい、予想外の危機が起こり、さらにサスペンスとしての迫力が募る展開になる場合が多い。今回はマイケル・ベイ監督の新作アクション『アンビュランス』の予告編を紹介したい。
 

予告編は、ダニー(ジェイク・ギレンホール)に、ウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)が助けを求める場面から始まる。ウィルはアフガニンスタン帰還兵で、妻の病気の治療に23万ドルが必要だった。そこで、血のつながらない兄ダニーと一緒に、銀行強盗を企てるが、すさまじい銃撃戦に…。逃走するために、走っている救急車(アンビュランス)を止めるダニー。だが、その救急車には、ウィルが撃った重傷の警官が乗せられており、病院へ搬送される途中だった。同乗していた救急救命士キャム(エイザ・ゴンザレス)を巻き込み、簡単な強盗だったはずの計画が、ド派手な逃亡劇になっていく。
 

負傷している警官が乗っていることで、警察は突撃することができない。一方、救急車内では、キャムが警官の命を救おうとしている。おそらく警官の命を救うためには、逃げ回るわけにはいかない。悪化する状況の中、「こんなはずじゃなかった」「それでも家族の元に帰ろう」と焦るダニーとウィルは逃げ切れるのか…。
 

本作の監督はマイケル・ベイ。『ザ・ロック』(1996年)、『アルマゲドン』(1998年)、『トランスフォーマー』(2007年)などを手がけている。監督の特色は、派手な爆発とアクション。これまでも、数多くの作品で爆破と銃撃、カーチェイスを手がけてきた。新作の予告編を観るかぎり、銀行での銃撃戦、パトカーとヘリコプターを巻き込んでのカーチェイス、次々と怒る爆発など、マイケル印ともいえるシーンがこれでもかと山盛りである。
 

『アンビュランス』のインタビューで、本作がデンマーク映画『25ミニッツ』(2005年)のリメイクだという話については、マイケル自身は「リメイクではない。『25ミニッツ』は観たことはない。プロットは似ているが、別の映画だ」と話している。
 

公式サイトで本作のメイキングも観ることができる。撮影では、ドローンを使うことで、自由な視点から撮影を行っている様子が分かる。ドローンを操作して空を飛びながら、いろいろな角度や場所から撮ることができるのだ。CGとは違った、新しいテクノロジーを使用してアクション映画に迫力を加えることが可能となっている。興味を持った方はぜひこちらの動画も観てほしいです。
 

さらに俳優陣も要チェックである。主演のジェイク・ギレンホールは『ドニー・ダーコ』(2001年)に出演後、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)、『ブロークバック・マウンテン』(2005年)など、作家性の強い作品から大作まで幅広く活躍している。共演のヤーヤは『マトリックス レザレクションズ』(2021)、エイザは『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年)に出演しており、ジェイクとの組み合わせも期待したい。そして何と言っても、アクション大魔王のベイ監督が手がけるド派手な作品である。映画館で観ないと迫力が激減するかもしれないので、スクリーンで見届けてきます!
 

今回注目した予告編:『アンビュランス』
監督:マイケル・ベイ
出演:ジェイク・ギレンホール、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、エイザ・ゴンザレス
2022年3月25日より公開
公式サイト:
https://www.universalpictures.jp/micro/ambulance
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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