【最近の私】「したまちコメディ映画祭 in 台東」で上映される『ゲット・アウト』『IT／“それ”が見えたら、終わり。』が面白そう。劇場公開が楽しみです。

 
前回の悪役コラムでは、ハリソン･フォード主演の『インディ･ジョーンズ』を取り上げた。今回はハリソンが1982年に主演した『ブレードランナー』の35年ぶりの続編、『ブレードランナー 2049』の予告編を紹介したい。

 
『ブレードランナー』は、フィリップ･K･ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか？』が原作のSF映画である。2019年のロサンゼルスを舞台に（今から2年後！）、逃亡した人造人間（レプリカント）を追う捜査官“ブレードランナー”の物語だった。この作品における近未来の都市の描写は『フィフス･エレメント』や日本の漫画『AKIRA』『攻殻機動隊』など数多くの作品に影響を与えている。

 
予告編は、前作同様の未来都市、巨大な建物が登場する場面から始まる。空中を飛ぶポリスカー“スピナー”も出てきて、このあたりで前作を観た人は、記憶が呼び起こされると思います。

 
今作の主人公は若きブレードランナーであるK（ライアン･ゴズリング）。彼はレプリカント絡みの捜査を行っているようだ。次に着物のような服装のジャレッド･レトーが登場。「あらゆる文明は、使い捨ての労働者で成り立つ」と語る。続編でも、レプリカントの悲惨な状況は変わっていないようだ。ジャレッド演じる人物はタイレル社の人間なのか。彼の眼は義眼なのか。首すじに光るパーツが埋め込まれているので、もしかしたらレプリカントなのかもしれない。

 
前作では日本語の看板や、英語以外の言葉を話すキャラクターが登場し、近未来は混沌とした世界になっていた。本作でもおなじみの日本語の看板の他にも、韓国語など、世界感は継承されているようである。また、前作は酸性雨が降りしきるロサンゼルスが主な舞台だったが、今回は砂漠化した都市、雪が降る描写など、様々な場所が舞台になるようだ。

 
前作の監督はリドリー･スコットだったが、続編を任されたのはドゥニ･ヴィルヌーヴ。サスペンス『プリズナーズ』や賛否両論の『複製された男』、緊張感あふれる『ボーダーライン』、宇宙人との交流を描く『メッセージ』など、個人的には新作は必ず観たい監督である。次回作が『砂の惑星』リブートとなっており、これからも注目したい。

 
予告編には、ハリソン･フォードが前作で演じた、かつてのブレードランナーも登場する。ハリソンは『スター･ウォーズ／フォースの覚醒』にも出演していたが、これから『インディ･ジョーンズ』シリーズの新作にも出演するという。今年で75歳だが元気ですね。

 
予告編を見る限り、まだストーリーなど作品の情報が少ないので不明な点が多い。『ブレードランナー』は画面の隅々まで凝った映像や、複数の解釈が可能な展開があり、そこがファンにとっては魅力で、何度も観ていたのかもしれない。続編の予告編も、あれこれと深読みし、物語を予想するのが楽しい。どんな続編になっているかは、映画館に行って確認してきます！

 
今回注目した予告編：
『ブレードランナー 2049』
監督：ドゥニ･ヴィルヌーヴ
出演：ライアン･ゴズリング、ハリソン･フォード、ジャレッド･レトー
10月27日より公開
公式サイト：http://www.bladerunner2049.jp/

 
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Written by 鈴木 純一（すずき・じゅんいち）
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ！