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バーチャル世界の番人 ヒューゴ・ウィーヴィング in 『マトリックス』

バーチャル世界の番人  ヒューゴ・ウィーヴィング in 『マトリックス』
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【最近の私】12月に開催される東京国際ろう映画祭で、参加作品の字幕翻訳を担当しています。
静岡市とカンヌは姉妹都市、映画や文化芸術を楽しむイベント『シズオカ×カンヌウィーク2021』(略してシズカン)が開されます。ろう映画祭とシズカンが提携を結んでいて、前回のろう映画祭で自分が字幕を担当した『事件の前触れ』が11月6日に清水マリンパークで上映されます。お近くの方はイベントを楽しんでください。
https://www.facebook.com/shizuokacannes/

 
『マトリックス』(1999年)はSFに日本のアニメーション、カンフーアクションを融合させた作品として注目され、ヒットを記録した。続編『マトリックス リローデッド』『マトリックス レボリューションズ』(共に2003年)も制作されている。今年の12月に新作『マトリックス レザレクションズ』(2021年)の公開が予定されているが、今回は第1作目で登場した悪役を紹介したい。
 

『マトリックス』の舞台は21世紀の初め。コンピューターが人工知能により意識を持つようになった世界を描く。コンピューターによる反乱を恐れた人間は、エネルギーである太陽光線を遮断した。だがコンピューターは人間の身体が電気を生み出すことを知り、人間をカプセルのような機械に閉じ込め、培養している。そして人間はそれに気づかぬまま、コンピューターによって作り出された仮想現実の中で生きていた。
 

主人公のネオ(キアヌ・リーヴス)、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)たちは仮想現実から目覚め、コンピューターに戦いを挑む。これが『マトリックス』の基本ルールになります。ネオたちは現実から仮想の世界に潜入し、反乱を起こす。一方、仮想の世界を守り、人間たちを探して抹殺しようとするのが、エージェントだ。
 

エージェントは、パソコンの中のウィルスを探知して安全を守るセキュリティソフトに近い。エージェントは黒いスーツを着て、サングラスをかけている。その姿は『メン・イン・ブラック』(1997年)の黒スーツの衣装に似ている。エージェントの中でリーダー格が、スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)だ。
 

スミスは、格闘技に強く、壁を砕くほどのパンチ力を備えている。また跳躍力も高く、ビルからビルへ飛び移るほどの身体能力を身に付けている。さらに、銃弾を素早くよけることができる。また仮想現実の世界に暮らす人々の身体に乗り移ることができるのだ。かなり手強い悪役なのだが、スミス自身は仮想の世界で人間を追うことに疲れており、早くこの任務を完了させて自由になりたいと告白している。セキュリティにも人格があり、ストレスもあるようだ。
 

本作でスミスを演じたヒューゴ・ウィーヴィングは1960年ナイジェリアで生まれ、十代でオーストラリアに移住。オーストラリア映画『プリシラ』(1994年)でドラァグクイーン役を演じて注目を浴びる。その後は『マトリックス』シリーズ、『ロード・オブ・ザ・リング』(2001年~2003年)三部作に出演してきた。また、地元のオーストラリアでの作品に多く出演していて、『マトリックス』もオーストラリアで撮影されている。
 

『マトリックス』は設定や悪役も魅力なのだが、アクションの斬新さにも注目したい。ワイヤーを使ってのアクションでは宙を飛び、壁を伝い、銃弾をよけるという場面は、仮想現実の中なら何でも可能だ。どんな発想も映像化はできることを証明した作品でもある。その斬新なビジュアルとアクションを組み合わせた点が、今も多くの人たちを魅了していると言える。新作『マトリックス レザレクションズ』でも強烈な悪役が登場することを願っています。
 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

 
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