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80年代悪役メモリアル③ シリーズ第2弾の敵はインドの邪教集団! アムリッシュ・プリ in 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』

80年代悪役メモリアル③ シリーズ第2弾の敵はインドの邪教集団! アムリッシュ・プリ in 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
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【最近の私】『ベイビー・ドライバー』を観ました。前評判通り、最高の映画でした。音楽も良く、サントラが欲しくなりました。
 

前回は最新のアドベンチャー・アクション映画『ザ・マミー/失われた砂漠の王女』の予告編を紹介させていただいた。遡って1980年代のアドベンチャー映画といえば、スティーヴン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード主演で製作された『インディ・ジョーンズ』シリーズが有名だろう。今回はシリーズ第2作目『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)でアムリッシュ・プリが演じた悪役を紹介したい。

 
『魔宮の伝説』の舞台は1935年。考古学者のインディアナ・ジョーンズ(通称はインディ、演じるのはハリソン・フォード)が、インドの村の長から、ある宮殿について話を聞く。その宮殿には邪神カリを崇める邪教集団が存在し、人間をいけにえにするという。ある日、邪教集団が村に来て、聖なる石を奪い、子どもたちを大勢連れ去ってしまった。インディは、村長から子どもたちと聖なる石の奪還を依頼される。

 
インディが宮殿に到着すると、歓迎の晩餐会が開かれる。だがそのメニューが、ヘビの中にうなぎを詰めた料理、皮を剥いだ昆虫、何か動物の目玉が浮くスープ、最後は猿の脳みそのシャーベットと、悪趣味極まりない。1980年代のインドのイメージとは、未知の国のような扱いだったのかもしれない。そのせいかインド政府がこの脚本に難色を示し、本作はインドでの撮影ができなくなった。

 
宮殿の中には秘密の場所があり、儀式が繰り広げられていた。邪教の司祭モラ・ラム(アムリッシュ・プリ)は、いけにえとなる男性の胸に指を当て、ズブリと差し込んでいく。そして抜き出した手には、男性の心臓(まだ動いている)があった。いけにえの男性はまだ生きているのだが、溶岩の中に入れられて骨も残らない状態に。ホラー映画並みの描写である。

 

邪教集団は、5つで揃う聖なる石を集めている。3つは集めているが、残りの2つは宮殿の地下にある墓場に埋められている。そのため、教団は村から誘拐した子どもたちに地下を掘らせ、聖なる石をすべてそろえようと企む。石をそろえ、世界征服を狙っているのだ。

 

『魔宮の伝説』は邪教とオカルトを扱っているからか、残酷な描写が多い作品になっている。スピルバーグ監督が「製作者のジョージ・ルーカスが、2作目は暗い作風にしようとした。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』みたいにね」と話している。『スター・ウォーズ』(1977年)の続編『帝国の逆襲』(1980年)は、確かに暗い内容だった。その上、ジョージ・ルーカスも「当時は自分の離婚があって、内容が暗くなった」と認めている。製作者の私生活も映画に反映するのだ。

 
『インディ』シリーズの特徴として、悪役が悲惨な死に方をするという共通点がある。人の顔が溶けたり、爆発したり、人食いアリに食べられたり、秘宝の呪いでミイラになるなど、例はいくらでも挙げられる。この『魔宮の伝説』でも、モラ・ラムは崖から落ちて、下の河にいるワニに生きたまま食べられてしまう。シリーズ屈指の恐ろしい悪役の最期である。

 
シリーズ1作目『レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』と比べると、ドラマよりアクションの連続の展開となっている。だがインドの神秘、邪教なども盛り込まれたサービス満点の映画として、個人的には好きな作品である。特に、アムリッシュ・プリ演じたモラ・ラムは、アジアの秘境ムードを高めるキャラクターとして、本作で貢献している。

 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

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