News
NEWS
戦え!シネマッハ!!!!inCO

No.1は誰だ!武術家チャンピオン連続殺人事件! ワン・バオチャン in『カンフー・ジャングル』

No.1は誰だ!武術家チャンピオン連続殺人事件! ワン・バオチャン in『カンフー・ジャングル』
Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page

【最近の私】ドニー・イェン主演作は『イップ・マン3』が来年春に日本公開される予定。こちらも楽しみにしています。
 

先日、香港の俳優ドニー・イェンが、ハリウッドのチャイニーズ・シアターに手形と足型を刻んだ。香港のアクション俳優としては、ジャッキー・チェンに続いて2人目。ドニーは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にも出演し、これからハリウッドでもブレイクする可能性がある。今回はそんなドニーを祝して、彼が2014年に主演した『カンフー・ハッスル』に登場する悪役に扮した、ワン・バオチャンを紹介したい。
 

映画は、警察の武術教官だったモウ(ドニー・イェン)が、他流試合で相手を殺害してしまったと警察に自首するシーンから始まる。そして、モウの服役中に、武術の達人が撲殺される事件が起こる。「これからも被害者は増える。捜査に協力するから、ここから出してくれ」と警察に懇願するモウ。もちろん警察は取り合わないが、モウの予想した通りに第二の殺人事件が起こる。ようやく警察はモウを捜査に協力させるが、さらに第三の事件が…。ちなみに、収監されている犯罪者が事件の捜査に協力する映画といえば、『羊たちの沈黙』『レッド・ドラゴン』を思い出す。モウはカンフー版ハンニバル博士というところだ。犯罪者が犯罪者の心理が分かるように、武術の達人なら達人の心理を理解できるということか。
 

やがて、容疑者としてフォンが浮かび上がってくる。フォンは左右の足の長さに違いがあるというハンデがありながら、独学でカンフーを学ぶのだが、そのうち常軌を逸した訓練を行うようになる。例えば、塩を顔にすりこみ、打たれ強くなるようにしたりするなど、これが自虐的で凄まじい。こうしてフォンが修行している間、彼の妻がガンを患う。そして、どんどん症状が悪化していく妻をフォンは殺してしまうのだ。映画では詳しく描かれていないのだが、これはフォンが妻を病の痛みから解放するために命を絶ってしまったと思われる。妻を殺した後、「俺は妻を亡くして強くなれた」と言うなど、強さに取りつかれたようになるフォン。「カンフーは殺人技だ。命をかけて戦うべきだ」と語る彼は、武術の達人たちを倒すことで、自分がカンフーの真の王者であると証明するべく、頂点を目指す。
 

フォンを演じるワン・バオチャンは、子どもの時にジェット・リー主演の『少林寺』を観て少林寺で修業を積んだという。何だか映画を地でいく人である。それだけにアクションシーンは、本物の迫力があります。
 

この映画を観て思ったのは「力が強い者が真に強いのか」「戦うために強くなるのか」という疑問である。試合で人を殺してしまったモウは、刑務所に入り、罪を償おうとしている。彼は強さを目指す危険性を理解しているからだ。一方、フォンは自身が最強だと証明するためにカンフーの達人を次々と殺していく。映画の終盤、2人は道路のど真ん中、トラックや車が行き交う中で戦う。それぞれの思いを拳や蹴り技にこめて、力の限りを尽くして死闘を繰り広げる。「本当の強さとは何か」と考えさせられる名シーンだ。ラスト13分に及ぶ2人の達人の戦いの結果は、ぜひ本編を見ていただきたいです。
 

—————————————————————————————–
Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
—————————————————————————————–
 

戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 

Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on FacebookShare on TumblrPin on PinterestDigg thisEmail this to someonePrint this page