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いま、孤独が、最強の武器となる。『ザ・フォーリナー/復讐者』の予告編

いま、孤独が、最強の武器となる。『ザ・フォーリナー/復讐者』の予告編
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【最近の私】『カメラを止めるな!』を観ました。前半のあれが、ああいう展開になるとは! 面白かったです。

 
ジャッキー・チェンは70年代から現在まで、体を張ったスタントで観客を魅了し、世界中にファンがいる。彼の持ち味はアクションとコメディの融合にある。今回は、ジャッキーが得意のコメディを封印してシリアスな演技を見せる(であろう)『ザ・フォーリナー/復讐者』の予告編を紹介したい。

 
予告編は、ロンドンから始まる。中国系移民でレストランのオーナー、ミン(ジャッキー・チェン)が娘を車で学校まで見送る。だが娘は爆発に巻き込まれ、ミンの目の前で命を落とす。ミンも爆風で吹っ飛び、顔面血だらけの姿に。この爆発は北アイルランドの解放を訴える組織(IRA)によるテロと予想される。ミンは北アイルランド副大統領リーアム(ピアース・ブロスナン)に爆発の犯人を教えてほしいと懇願する。だがリーアムは「テロリストなど知らない」とミンに答える。だがミンは知っている。リーアムが犯罪組織と関係があることを。犯人の名前を要求するミンに、リーアムは「知らない」と押し通し、ミンを追い返す。だがミンが帰ったあと、副大統領のいる建物で爆発が起きる。その爆発の犯人はミンだった。

 
ミンの正体を探る副大統領。ミンは今でこそレストランを経営する一般人だが、実は特殊部隊の出身者だということが判明する。ここから予告編は、「平凡な普通の人だと思われていた主人公が、実はすごく強い人だった」という私の好きな映画の流れになっていきます。副大統領はミンを捕まえようとするが、逆にミンに翻弄される。「あんな老いぼれごときに、先回りされている」といらだつリーアム。

 
ジャッキー・チェンは新宿の歌舞伎町を舞台にしたバイオレンス作『新宿インシデント』(2009年)でもコミカルな演技を封印し、シリアスな演技を披露している。不法移民として日本に住む主人公にジャッキーが扮し、生き残るために犯罪に手を染める男を熱演していた。公開時にはシリアスなジャッキーに対して否定的な感想もあったが、今までのジャッキーとは違う面が観られて、個人的には好きな作品です。『ザ・フォーリナー』では、老けメイクも施し、娘を愛する父親を熱演。その娘を失った男の復讐の姿は、観る者の心を打つだろう。ハリウッドでの『ラッシュアワー』シリーズなどでジャッキーが演じたユーモアはなさそうなので、アメリカや他の国の観客にはどう感じられたのか、知りたくなる。

 
予告編の終盤は、副大統領の放った軍団とミンの激しい攻防戦が繰り広げられ、銃撃、爆発もある。また屋根から柱を伝って飛び降りるジャッキーお得意のアクロバットなアクションも登場している。次々と登場する刺客と戦う場面では、ジャッキーは60代とは思えない身体能力を披露しています。副大統領が「我々を甘くみるな、後悔するぞ」とのセリフに対して、ミンが「分かった。お前もな」と返す。

 
本作の監督はマーティン・キャンベル。『007/ゴールデンアイ』(1995年)でピアース・ブロスナンとタッグを組んでいる。またキャンベルは『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)でも再びメガフォンを取り、ダニエル・クレイグを新ボンドに迎え、リアルなスパイアクションに仕上げていた。香港アクションのレジェンドともいえるジャッキー・チェンと、ボンドを演じたピアース・ブロスナン。そしてアクションを得意とするキャンベル監督のトリオが作り上げた作品として、ジャッキーのファンとしては見のがす理由がありません。娘を失った孤独な男の復讐は果たされるのか。映画館で確認してきます!

 
今回注目した予告編
『ザ・フォーリナー/復讐者』
監督:マーティン・キャンベル
出演:ジャッキー・チェン、ピアース・ブロスナン
2019年5月3日より公開
公式サイト:http://the-foreigner.jp/

 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

 
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