花と果実のある暮らし in Chiang Mai プチ・カルチャー集 Vol.90 タイ料理の組み合わせ術

★「花と果実のある暮らし in Chiang Mai」
インパクト大の写真をメインにタイのリアルなプチ・カルチャーをご紹介しています。
パートナーとつきあって数年のある夕食のこと。私は日本食が食べたいので、パートナーには、別に大好物のもち米とガイトート(鶏のから揚げ)を買って帰りました。あー、さぞ喜ぶだろうなと思って食卓についたら一言。「あれ、ナンプリックターデーンはないの?」


ナンプリックというのは、タイの家庭の味といった調味料で、唐辛子やにんにくなどの材料を臼で叩いて作ったディップのようなもの。野菜や肉、もち米などにつけて食べます。各家庭でも作りますが、市場にもスーパーにも何種類ものナンプリックが並んでいます。それぞれにナンプリックにはそれぞれに合うメニューがあり、セットとして食べるのが一般的で、一緒に食べることで味のハーモニーやメリハリが生まれるのです。ガイトートやムーピン(豚串焼き)にはナンプリックターデーン、揚げたプラートゥー(鯵のような魚)とチャオム(アカシヤの新芽)のオムレツと揚げた茄子のセットにはナンプリックカピ、ケップムー(豚の皮の素揚げ)や蒸し野菜にはナンプリックオンやナンプリックヌムといった感じです。そう、ナンプリックは脇役っぽいのに重要な役割を果たしている一品なのです。ですので、ナンプリックは和食のお味噌汁、もしくはカレーのらっきょうや福神漬けみたいな存在で、ないと物足りない感じがしてしまうのです。チェンマイ料理は奥が深い…。20年近くもいて、ようやくそんなチェンマイ料理の良さに慣れ親しんできた私。今夜も夕食にあるスープのお惣菜を買って食卓に並べたら…「これには塩漬け魚が合うんだよ。」との一撃が!チェンマイ料理初段の私もそろそろ自分に活を入れるかな。

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Written by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美