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JVTAが3本の字幕を担当 ポーランド映画祭が20日(金)東京都写真美術館ホールでスタート

JVTAが3本の字幕を担当 ポーランド映画祭が20日(金)東京都写真美術館ホールでスタート
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11月20日(金)、ポーランド映画祭が東京都写真美術館ホールで開幕します。JVTAは毎年この映画祭を字幕でサポートしており、今年も3本の作品の日本語字幕を修了生が担当しました。映画祭の監修を務めるのはポーランドの巨匠、イエジー・スコリモフスキ監督。9回目を迎える今年は、ポーランド初のローマ教皇、ヨハネ・パウロ2世のドキュメンタリー『ヨハネ・パウロ2世 あなたを探し続けて』をはじめ、クシシュトフ・キェシロフスキー監督の585分の連作集『デカローグ』、ポーランドのアカデミー賞とされる「2020 Orly Eagle Awards」で作品賞ほか11部門を受賞した『聖なる犯罪者』など新旧の話題作が一挙上映されます。

 
JVTAが字幕を担当したのは、特集「マルツェル・ウォジンスキの世界」の3作品です。マルツェル・ウォジンスキ監督は、ポーランドを代表する記録映画監督。今年80歳を迎えるウォジンスキ監督が手がけた短編映画『マイクテスト』『なにがあっても大丈夫』『配達されなかった手紙』が同時上映されます。日本語字幕を手がけた修了生3人にお話を聞きました。

 
『配達されなかった手紙』
日本語字幕翻訳:修了生・佐伯由依子さん

配達されなかった手紙
ポストに毎日のように投函される大量の手紙。その中には宛先不明で配達できない手紙もたくさんあります。大切な人に宛てた手紙、神様に宛てた手紙…。それらの手紙に込められた思いはどこへ行くのでしょうか。

 
手紙が運ばれてゆく様子を淡々と追いかけた14分間の映画ですが、何とも言えない切なさを感じる作品です。セリフはほとんどないですが、テロップで読ませる流れになっており、今まであまり手がけていなかった新たなスタイルの字幕作成を体験することができました。とはいえ、字幕は少なめですが、そんな切なさが伝わればいいなと思っています。

 
『なにがあっても大丈夫』
日本語字幕翻訳:修了生・廣澤万里さん

なにがあっても大丈夫
6歳の少年が、見ず知らずの老人たちに、思いのまま疑問を投げかけていく物語です。6歳の少年らしい無邪気な質問に、人生の経験を積んだ老人たちが真摯に向き合い答えます。前向きで純粋な心を持った少年と、人生を達観した老人の物事の捉え方の違いが一つひとつの台詞によく表現されており、テンポよく会話が進んでいきます。

  
私自身の子どもも現在6歳ですので、今回の翻訳は6歳児の言葉らしい台詞になるよう、意識しながら字幕を作りました。しかし、すべての台詞を子どもらしい簡単な語彙でまとめてしまっても、主人公のトメクらしさが消えてしまいます。彼は洞察力が鋭く、自分の意見や疑問をうまく言葉で表現が出来る子なので、そのニュアンスを消さないことにも気をつけました。彼が大人に近づこうと少し背伸びしているニュアンスを残すことに注意して翻訳をしています。

 
少年と老人の会話がメインの作品ですので淡々とはしていますが、とても心が温まる作品です。多くの方にご覧いただけるとうれしいです。

 
『マイクテスト』
日本語字幕翻訳:修了生・山田祐子さん

マイクテスト
本作は1980年に制作された作品で、社会主義体制下のとある工場で働く人々の本音と建前に迫る、短編ドキュメンタリーです。ポーランドは1989年の総選挙を機に社会主義から資本主義へと歴史的な体制転換を遂げますが、そこに至るまでの激動の時代に「普通の人々」はどのような思いでいたのかを垣間見ることができます。

 
翻訳するにあたっては、そもそも社会主義って何だろうから始まり、歴史的な背景や当時の社会情勢を理解する作業にかなりの時間を割きました。また、突撃インタビュー形式のドキュメンタリーなので、言い淀んだり内容が整理されていなかったりする発言もあります。「つまりこう言いたいんでしょ」と簡潔にまとめてしまいたくなっても、発言を丸めすぎないよう、あるいはとがらせすぎないよう、登場人物の代弁者ではなくあくまでも翻訳者として、作品におけるセリフの強弱に沿った翻訳を心掛けました。

 
40年も前の、しかも社会主義国の話なので、遠い世界のことのように感じますが、組織における個人のあり方という、いつの時代にもどんな社会にも共通するテーマを扱っているように感じます。多くの皆様にご覧いただければ幸いです。

 
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ちなみに、『なにがあっても大丈夫』の少年は監督の息子さんだそうです。
上記3作品は、特集「マルツェル・ウォジンスキの世界」で同時上映されます。ぜひ、字幕にも注目しながらご覧ください。

 
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ポーランド映画祭2020
11月20日(金)~11月26日(木)
東京都写真美術館ホール
※11月24日(火)は休館
公式サイト:http://www.polandfilmfes.com/


 
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