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【インタビュー】今、“映像翻訳”が求められている 世界最大級の日本映画祭「ニッポン・コネクション」6月1日オンライン開催

【インタビュー】今、“映像翻訳”が求められている 世界最大級の日本映画祭「ニッポン・コネクション」6月1日オンライン開催

「Nippon Connection(ニッポン・コネクション)」とはドイツ・フランクフルトで毎年開催される、日本の映画やアニメ、カルチャーのファンのための映画祭だ。2019年開催回の来場者数は会期6日間で1万7,000人と、その規模は世界最大級とされている。
 

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【2019年開催回の様子】
 

第21回「Nippon Connection」(2021年6月1日‐6日)は昨年に引き続き、オンラインで開催。2010年からアワード・スポンサーとして、日英字幕翻訳やワークショップでサポートしてきたJVTAも、今年も参加する。世界最大級の日本映画祭のデジタルトランスフォーメーション(DX)は何をもたらすのか? 同映画祭プログラム部門長、フロリアン・ヘアさんに話を聞いた。
 

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【フロリアン・ヘア(Florian Höhr)さん】
 

映画祭で大切なのは、観客とクリエイターの交流
「まず、2021年のニッポン・コネクションの見どころから。2回目のオンライン開催となる今年は、上映する作品の多さ・多様さが魅力です。また、横浜を拠点とする現代影絵の専門劇団“劇団かかし座”と組んでワークショップ・公演をお届けします」。
 

JVTA:昨年に引き続き、オンラインでの開催となりました。コロナ禍は映画祭にどのような変化を与えましたか?
 

「個人的には、観客とクリエイターの交流は映画祭で欠かせない要素だと思います。でも、オンラインだとそれが難しい。そこで、作品についてリモートで対話できるQ&Aセッションを例年よりもたくさん行い、不足してしまった部分を補っています。とはいえ、日本の特に若手クリエイターの皆さんには、来年こそはオンラインではない『ニッポン・コネクション』に参加していただきたい。多くの場合、それは初めてのヨーロッパへの旅であり、皆さんにとってどれだけ意義のあるものになるのだろう、と考えると、とても嬉しくなるのです」。
 

コロナ禍を超えて
「世界的なパンデミックで、私たちはステイホームせざるを得なくなり、気軽に旅行もできません。一方で、リモートが当たり前となり、世界はお互いにより近づいたようにも思えます。私が家を一歩も出ずに、カンヌや香港の映画祭に参加できたのが良い例です。それに、オンライン開催だといつもなら遠くてドイツまで来られない記者たちにも見てもらうことができます。ニッポン・コネクションの知名度を高めることができました」。
 

JVTA:今後、映像コンテンツやカルチャーを介したコミュニケーションはどう変化していくと思いますか?
 

「デジタル化の加速は、確かに世界との距離を縮めました。でも、リモートでの対面は“実際に会って話すこと”には敵わない。コロナ禍が終わった時、リアルとデジタルの適切なバランスが見出されていたら良いと思います。映画も同じで、やっぱり劇場で観る方がずっと楽しい――そのことを忘れないでいてほしいです」。
 

JVTA:今、“映像翻訳”はどんな役割を果たすと思いますか?
 

「この時代になって、動画配信サービスは隆盛を極めています。楽しめる作品も急増しました。映像作品のグローバルな市場において、字幕翻訳・吹き替え翻訳は必要不可欠でしょう。特にドイツでは、映画やドラマを吹き替え版だけで観る人が多くいます。映像翻訳は、できるだけ多くのオーディエンスに届けるためには重要なのです。もちろん、ニッポン・コネクションも例外ではなく、以前にも増して大切な役割を担っています。作品だけではなく、監督から観る人に向けてのビデオメッセージにも映像翻訳は求められます」。
 

JVTA:今年も、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)はNIPPON VISIONS JURY AWARD のアワード・スポンサーや、日本語を学ぶ大学生と共に日本の短編映画を字幕翻訳する「海外大学字幕プロジェクト(Global University Subtitling Project〈GUSP〉)」、ワークショップなどで映画祭に参加します。
 

「JVTAは長年、ニッポン・コネクションをサポートしてくれています。ワークショップなどの参加者は常に多く、映画祭参加者にとってどれだけ魅力的なのかがよく分かります。特にGUSPは、私にとって最も大切なコラボレーションのひとつです。ベルギーのゲント大学、ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学に協力してもらいました。学生たちが字幕翻訳を通して多くのことを学ぶだけでなく、その成果を映画祭で発表できること。とても誇らしいです。また、NIPPON VISIONS JURY AWARD は、もしかしたらこの映画祭で最も重要な賞かもしれません。受賞したクリエイターは賞品として、JVTAから次回作の英語字幕を獲得します。若い映画監督にとっては、国際映画祭に出品する際にとても役立つはずです」。
 

映画祭に関する紹介は→こちら
 

「ニッポン・コネクション」公式サイト
https://nipponconnection.com/ja/start/