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「カンヌ 監督週間 in Tokio」が日本初上陸 今世界が注目する監督の最新作を一挙上映!

<strong>「カンヌ 監督週間 in Tokio」が日本初上陸 今世界が注目する監督の最新作を一挙上映!</strong>
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「カンヌ 監督週間 in Tokio」が12月8日にヒューマントラストシネマ渋谷で開幕。このイベントは、特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO[ヴィーポ])が主催となり、「カンヌ国際映画祭」の独立部門である「監督週間(Quinzaine des Cinéastes/ Directors’ Fortnight)」とのコラボレーションの一環として行われるもので、今回が日本初上陸となる。2023年のカンヌで上映された世界の長編・短編に加え、VIPOセレクトの日本映画など、全17作品が一挙上映される。JVTAはこのイベントに協力し、4作品の日本語字幕を5人の修了生が手がけた。

カンヌ国際映画祭の「監督週間」は作家性や芸術性の高い作品を称揚するため、1969年に創設された。これまで、ソフィア・コッポラやスパイク・リー、ジム・ジャームッシュ、グザヴィエ・ドラン、大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、西川美和(敬称略)などの名監督をいち早く見出したことで知られる。今回日本からは、西川美和監督、オダギリジョー主演の『ゆれる』のほか、今世界の映画祭で高い評価を受ける平井敦士監督と深田隆之監督の短編も上映される。さらに三池崇史監督の『極道恐怖大劇場 牛頭』を特別上映。今後の活躍が期待される今注目の監督の傑作ばかりがセレクトされたラインナップとなっている。

そんな世界の映画関係者が注目する最新作のなかでJVTAが字幕を制作したのは4作品。今回は、いち早く作品を堪能した翻訳者に『グレース』と『マンバール・ピエレッテ』、『スイート・イースト』の見どころと翻訳で意識したことを聞いた。

『グレース』と『マンバール・ピエレッテ』を担当したのは、修了生の後藤美奈さん。前者はロシアで後者はカメル―ンと国もジャンルも異なる2作品だが、共通するテーマは「家族」だ。

◆『グレース』

『グレース』

広大なロシアの地を赤いバンで移動する父と娘。言葉数が少なく無骨な父と、10代の多感な娘が窮屈な車で2人きり、車上生活をしながら荒涼とした道をひたすらに進むロードムービーです。セリフが少ない作品ですが、思春期の少女の揺れ動く心情が繊細に描かれているのがとても印象的でした。翻訳作業をするにあたっては、無機質でありながらリアリティのあるセリフのニュアンスを削がないように、また変に味付けをしないように気をつけて訳しました。少女が感じている閉塞感と、どこまでも広いロシアの風景との対比。寒々しさの中に光る美しさに、家族とは何かを考えさせられる作品です。(後藤美奈さん)

◆『マンバール・ピエレッテ』

『マンバール・ピエレッテ』

カメルーンに暮らすマンバールは、3人の子供を育てながら仕立て屋を営むシングルマザー。生活は厳しく、子供の学校道具を買い揃えることもできないほど貧しい日々。次から次へと困難が降りかかる過酷な状況の中、女手一つで奮闘する一人の母親の物語です。リアルな会話劇が多い作品だったので、字幕も極力ナチュラルな井戸端会議に見えるよう気をつけながら訳しました。マンバールと仕立て屋に来るお客さんとの会話の中で、カメルーンの男性社会に対する批判や世代間における価値観の変容など、さまざまな社会問題が浮き彫りになっていくのが印象的でした。絶望しそうな生活苦の中でも、マンバールがつくるドレスはカラフルで、袖を通した人は皆笑顔になります。ただでは転ばない女性のたくましさに勇気をもらえる作品です。(後藤美奈さん)

一方、『スイート・イースト』の日本語字幕は、長尺作品のため池田由香さんと佐藤清子さんが2人で担当した。一つの作品をチームで手がける場合、全体の流れやトーン、キーワードとなる言葉の統一などが必須となる。池田さんと佐藤さんは全体的に違和感のない字幕にするため、お互いに意見を出し合いながら、細かく調整を繰り返したという。

◆『スイート・イースト』

『スイート・イースト』

「ちょっと冷めた目で世の中を見ている物憂げな主人公が、あるハプニングを機に修学旅行先で同級生と離れ、様々な人と出会いながらアメリカ東海岸を渡り歩くストーリー。風変わりな登場人物たちと、予測不能な展開が見どころかなと思います。クセが強いキャラクターのオンパレードだったので、翻訳時はそれをなるべく表現することを心がけました。ものすごい勢いで続くマシンガントーク部分は解釈にもリズムにのせることにも苦労したので、訳ができた時の達成感がすごかったです。

主人公がよく使う口癖のワードがあり、そちらが随所でいろいろな含みで登場したので、どんな訳で統一するかは佐藤さんと試行錯誤しました。解釈で意見が分かれるシーンもあったのですが、何度も意見を交換し合い納得のいく訳に落ち着くことができました。」(池田由香さん)

「『不思議の国のアリス』になぞらえる本作は、どこか冷めた視点を持つ高校生のリリアンが行き当たりばったりの旅をするロードムービーです。リリアンは強烈な個性を持つ人たちと次々に出会いますが、舞台となるアメリカ東海岸はまさにワンダーランド。陰の部分がシニカルに描かれており、そこが見どころの一つかと思います。翻訳においては文学に触れた場面がとても難しく、つまり何が伝わらなければいけないのか解釈を深める必要がありました。池田さんとはたくさんすり合わせさせていただきましたが、主人公の独特なトーンにおいては軽い語尾調整でシームレスにつながれたのでよかったです。気ままな冒険の末にどんなリリアンの姿があるのか、ぜひ見届けてください。」(佐藤清子さん)

「カンヌ 監督週間 in Tokio」は、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と共に世界三大映画祭と言われるカンヌ国際映画祭で今年上映された珠玉の作品に出会える”事件的”な2週間。上記の字幕にもぜひ注目してほしい。作品によっては英語字幕のみのものもあるので、事前に公式サイトでチェックしておきたい。

◆カンヌ 監督週間 in Tokio

2023年12月8日(金)〜21日(木) 〈2週間限定〉

ヒューマントラストシネマ渋谷

公式サイト:https://www.cannes-df-in-tokio.com/

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