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アルクのイベントにJVTAがゲストとして登壇! 映像翻訳のレクチャーを行いました!

アルクのイベントにJVTAがゲストとして登壇! 映像翻訳のレクチャーを行いました!
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5月18日、神田で開催されたアルクのイベント「第5回 ALC Learners’ Club(ALC2)」にJVTAの代表、新楽直樹とディレクターの藤田奈緒がゲストとして登壇しました。JVTAはアルクと共に映像翻訳Web講座を開講しています。「ALC2」とは、「1000時間ヒアリングマラソン」をはじめとするアルク通信講座受講生の方を中心にした英語学習者の方々の学びをサポートするイベント。英語学習のアドバイザーに個別で相談ができるほか、学習者の交流の場となっています。

 
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会場には、「1000時間ヒアリングマラソン」をはじめ、アルクの教材や英語学習本などがディスプレイされ、自由に閲覧できます。JVTAが執筆した「はじめての映像翻訳」やJVTAが取材に協力した「翻訳というおしごと」を手にしている方もいました。

 
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同社によると、通信講座で学ぶ皆さんの年齢層は上がっており、70代の方もいるとのこと。昨年35周年を迎えた「1000時間ヒアリングマラソン」は、何十年も続けている方もおり、高齢者のためにテキストの文字を少し大きくするなどの改善も検討しているそうです。

 
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この日のイベントはアルク英語プログラムディレクター、ベン・トーマスさんによるスピーキングのワークショップからスタート。2人一組で会話形式のレクリエーションを行いました。

 
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続いて、JVTA代表の新楽直樹が、特別レクチャー「映像翻訳の世界へようこそ~その奥深い世界とこれからの可能性~」に登壇。新楽は「20数年前にJVTAを開講した当時、実務翻訳や産業翻訳がメインで映像翻訳の市場はそんなに大きくないと言われていました。しかし、現在はNetflixやAmazonなど動画配信サービス、国内のAbemaTVなどにも海外の映像コンテンツが多く流れるなか、コミュニケーションの中心が動画になっており、字幕や吹き替えの需要は確実に増えています。ドラマや映画だけでなく、企業や自治体のPR動画などの依頼も増加。JVTAでは現在、小学校から中学高校、大学で正規の授業として映像翻訳の指導を行っています」と業界の現状を語りました。

 
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そして「AIで映像翻訳はできるのか?」というテーマに話は進みます。「日本のAIの開発者とお話をしていても、AIが映像翻訳をできるようになるにはまだまだ時間がかかるだろうと言われています。人と人とのコミュニケーションや映像翻訳においてはまだまだ開発が必要で、“AIが脅威であり、1、2年したら翻訳者の仕事がなくなる”という状況ではありません」と新楽は解説。具体的には同じ映像を字幕と吹き替えで見る違いや、日本のアニメや時代劇についた英語字幕、ポール・マッカートニーの日本公演でJVTAが担当したMCのリアルタイム字幕などの例を紹介し、広がる市場について語りました。

 
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そしていよいよ翻訳ディレクター藤田奈緒による、日本語字幕の体験レッスンへ。この日は18名(男女比は半々)の皆さんが参加しました。キャリアウーマンの女性を主人公とした映画を題材に、字幕作りに挑戦。最初に作品の内容とこのシーンに至るまでの過程を解説した上で、まずは該当箇所の8つのセリフを各自で訳します。まずは書いてある英語をすべて日本語に訳すのですが、これがないと字幕としてブラシュアップすることはできません。表情やジェスチャーなども注意深く見ながら、そのキャラクターに合った自然なセリフを考えていきます。

 

藤田は「前の場面のやりとりを受けて、指示語の”that”が何を指しているのかなどを考えるのがコツ。”jealous”のニュアンスをどう日本語で表現するか、雑誌名など固有名詞をどのように出すのか、アメリカでは有名なものでも日本では知られていない場合はどうすべきかなどを考えてみましょう」と解説しました。

 
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また字幕のルール(基本の目安は1秒4文字、1行あたり14文字で2行、句読点は使わない)を簡単にレクチャー。今回は初めての字幕レッスンということで、字数はそれほど気にせずに取り組みます。

 
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こうした準備を経て、いよいよ、実際に字幕を映像にのせてみる体験へ。8つの字幕を6つのチームに割り振って、担当箇所の字幕を各チームで完成させます。プロが使う字幕制作ソフトに初めて触れ、各チームの皆さんの熱気も高まってきます。

 
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最後は各チームの皆さんが作った字幕を組み合わせて画面上で再生。予想以上にまとまりのある仕上がりに歓声があがりました! しかし、字幕は劇場では1回しか見ることができないので、パッと見て前後のセリフとの関連性なども理解できなければなりません。より伝わる表現や読みやすさを追求すべく、講師の解説と共に、さらにクラス全体でブラッシュアップをしていきます。藤田講師は、課題のシーンにおいて、仲のいい女友達同士ならどんな言葉を使うのか、このセリフからどんなニュアンスを出したいのかを解説しながら、少しずつセリフに手を加え、全体の流れを整えて一連のセリフを完成させました。プロの映像翻訳者が字幕をつくる流れを体験した皆さんはさらに映像翻訳への関心が高まった様子。ワークショップ終了後も講師やスタッフに積極的に質問をしていました。

 
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映像翻訳はただ英語から日本語に訳すだけでなく、登場人物の関係性や性格などセリフの背景も理解した上で字幕をつくることが大切です。その奥深さを改めて体感していただく機会となりました。

 
「第5回 ALC Learners’ Club(ALC2)」
https://www.alc.co.jp/seminar/detail/180519.html

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