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★JVTA修了生 今井祥子さんがベルリン国際映画祭に国際審査員として参加!(後編)

★JVTA修了生 今井祥子さんがベルリン国際映画祭に国際審査員として参加!(後編)
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ベルリン国際映画祭は「世界三大映画祭」の一つとして、世界中が注目する一大イベントです。そんな華々しい舞台に今年、JVTA修了生の今井祥子さんが国際審査員として参加してきました!
 

前編では、現地の街の様子やテディ賞について、世界の映画人との交流について伺いました。
前編はこちら
 

後編ではいよいよ、日本初のテディ賞の審査員特別賞を受賞した『彼らが本気で編むときは、』(荻上直子監督)の反響や授賞式の様子を迫ります!
 

◆今年は『彼らが本気で編むときは、』(荻上直子監督)がテディ賞の審査員特別賞を受賞し、日本映画初の快挙となりました。この作品を観た他の審査員の評価や会場の反響はいかがでしたか?
 

今井祥子さん(以下 今井さん)私たちが見た初回の上映には舞台挨拶やQ&Aがなかった(まだ“『彼編む』チーム”がベルリン入りする前だった)ので、正直なところ会場の反響ははっきりとは分かりませんでした。ただ、一緒に見ていたドイツの雑誌「Männer」の読者審査員のみなさんにとても好評だったので、これからの上映に期待できそうだなと思いました。
 

※『彼らが本気で編むときは、』公式サイト
http://kareamu.com/
 

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テディ賞のオープニングパーティーにて。審査員が1人ずつ呼ばれてステージへ
 

他の審査員は、見た直後は「今マジで日本食が食べたい。あのキャラ弁っていうのを食べたい」とか「日本人って本当においしそうにビールを飲むよね」とか、とにかく食べ物の話ばかりでした(笑)。数日たったあとでも「スーパーでオニギリを見かけたよ」とか言っていたので、よほど印象に残ったんでしょうね。
 

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テディ賞の授賞式にて。審査員もみんなここぞとばかりにドレスアップしてスター気分
 

審査会では、柿原りんかさん演じる主人公トモの演技力の高さや、小道具やセリフなどのディテールのユニークさが評価されていました。トランスジェンダー女性としてのリンコの描かれ方にはそれぞれ意見があり議論にも発展したのですが、他の作品と相対してのクオリティーや、幅広い層にアピールできるエンターテインメント性などから、何らかの賞は与えたいという気持ちが全員にあり、最終的に審査員特別賞ということになりました。
 

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テディ賞のトロフィーと私たちの審査員バッジ。トロフィーは小さいけれど、とっても重い!
 

◆同作の荻上監督とは何かお話をしましたか?
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『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子監督(写真右)と。このトロフィーはその後、日本公開初日の舞台挨拶でお披露目されたそう
 

今井さん 授賞式のあと荻上監督はたくさんの人やカメラに囲まれて大忙しだったので、「そのトロフィー、意外と重いですよね。スーツケースに入れて持って帰るんですか?」みたいなことしかお話しできませんでした(笑)。荻上監督がパノラマ部門のディレクターのヴィーランド・シュペック氏に「また次の作品で必ずベルリナーレに戻ってきます!」と言っているのを目にして、世界を視野に入れて映画を作っている荻上監督の志の高さを感じましたね。
 

◆日本の作品が高く評価されたのは本当に嬉しいですね。そして、いよいよクライマックス、授賞式の様子を教えてください!

 

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審査員代表の2人が審査員特別賞を発表するところ。And the award goes to…
 

今井さん 授賞式の会場は1000人収容の大劇場で、ドイツの政治家たちや映画俳優のウド・キア、歌手のコンチータ・ヴルスト、さらにノミネート作品のキャストやスタッフなど豪華な面々が集まりました。歌やダンスなどのパフォーマンスを間にはさみながら各賞が発表されていったのですが、さすが社会派映画祭のベルリナーレだけにLGBTの人権や女性映画人の地位向上を訴える力強いスピーチが多かったです。授賞式のあとには、ベルリナーレの数あるパーティーの中でも最大の規模を誇るテディ賞のアフターパーティーが行われました。ダンスフロアは「ここでシラフになったら負けだ!」と思うくらいの盛り上がりで、審査員の任務を終えて身も心も解放された私たちは明け方までお酒と汗にまみれながら踊りまくりました(笑)。
 

授賞式の様子はYouTube(https://youtu.be/qaGmgSsdn3o)でフル視聴できるので、興味のある方はチェックしてみてください。
 

◆大役を無事に終えて、お疲れさまでした。最後にベルリナーレでのこの経験で、今後のレインボー・リール東京の展開で変わりそうなことはありますか?
 

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審査員仲間&テディ賞のスタッフとパノラマ部門のオフィスにて
 

今井さん ベルリンで見た作品のいくつかを今年のラインナップに入れたいと思っています。あと、これまでアジアやオセアニアの映画祭とは交流があったのですが、今回のベルリナーレで欧米や中東、アフリカにもネットワークが広がったので、さらに多くの国で日本映画が上映されるように積極的に紹介していきたいですね。
 

※今年の「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」は7月、東京・青山のスパイラルホールほかで開催予定です。お楽しみに!
 

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