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字幕翻訳を通して大学生たちが難民問題と向き合う

字幕翻訳を通して大学生たちが難民問題と向き合う
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日本映像翻訳アカデミーは、明星大学人文学部国際コミュニケーション学科の「映像翻訳フィールドワーク」で字幕制作の指導を行っています。一年を通して、映像翻訳の手法を学び、1つの作品に字幕をつけ、特別上映会を企画・運営するまでが学生たちのミッションです。11月23日(土)に特別上映会が開催されました。
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※上映会のPRも学生が担当。ポスターも自らで制作しました
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※不備がないよう講師がアドバイス
 
上映作品の『ミッドナイト・トラベラー』は、今年のベルリン国際映画祭でパノラマ部門エキュメニカル審査員賞を受賞した話題作です。主人公は、アフガニスタンの平和をテーマにした作品を作ったことがタリバンの怒りを買い、その首に懸賞金をかけられた映画監督。母国を追われ、妻と2人の娘と共に安全な場所を求めてさまよう姿を追ったドキュメンタリーです。
 
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※主人公のファジリ一家
 
降りしきる雨の中、学生、ご父兄の方、大学外部の方々などが来場しました。まずはクラスを代表して2名の学生がプロジェクトを通して学んだことを発表。学生たちは字幕の作業は奥深く、単にセリフを翻訳するのではなく、作品の背景や登場人物の心情を読み取ることが重要であることを知りました。そして、そのシーンにぴったりの字幕が出来た時は感動さえ覚えたと語ります。
また、ほとんどの学生は、難民問題に触れるのが初めて。作品を通して、紛争や社会情勢の悪化により母国から逃げざるを得ない難民たちの苦悩と過酷な生活を知り、学生たちは自分たちの毎日が決して当たり前ではないことを実感したそうです。
 
いよいよ、学生が制作した字幕で作品が上映されます。
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上映後は認定NPO法人難民支援協会(JAR)で広報を担当する伏見和子さんをゲストに迎えて、日本の難民を受け入れている現状について話を伺いました。まずは今回の上映作品の感想として『ミッドナイト・トラベラー』は3台のスマートフォンで撮影されているため、登場人物との距離が近く、起きている出来事を追体験することができる作品であると伏見さんは語ります。
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※認定NPO法人難民支援協会(JAR)の伏見和子さんがゲストで登壇
 
進行役の学生からは日本での難民受け入れに関する現状について、率直な疑問が投げかけられました。「日本ではどのくらい難民がいるのですか?」という最初の質問に対し、伏見さんは日本の難民認定数が他の国と比べて圧倒的に少ないことに言及。難民として認定されたとしても、日常生活や就労における保障がないこともこれからの課題であると語りました。
 
最後に「自分たちに何ができるのでしょうか?」という学生からの問いに対し、「日本にも難民の方々がいるという事実を社会に伝えてほしい。若者が得意とするSNSを使って私たち協会の活動などを拡散してくれると嬉しいです」と伏見さんがアドバイス。「普段からSNSを使っているので、早速活用してみたい」と学生からの頼もしい答えが返ってきました。
 

来場者からの質問をいくつか受けた後、上映会は無事に終了しました。学生たちは、翻訳を通して海外だけではなく、日本での難民問題を知る機会となりました。
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