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【SSFF&ASIAアワードセレモニー】「字幕を手がけた作品の受賞の瞬間に鳥肌が立ちました!」

【SSFF&ASIAアワードセレモニー】「字幕を手がけた作品の受賞の瞬間に鳥肌が立ちました!」

6月16日(日)、世界最大級の短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019 (SSFF & ASIA 2019)のアワードセレモニーが明治神宮会館で開催されました。JVTAはこの映画祭を毎年字幕でサポートしており、約200本上映作品のほとんどの字幕を修了生が担当しています。この日は、各部門の受賞作品が発表され、トロフィーが授与されました。関係者や招待ゲストのみを対象に開かれるこの華やかな会場に、JVTAスタッフと翻訳を担当した修了生の一部が参加させていただきました。

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鮮やかなレッドカーペットが敷かれた会場には、代表の別所哲也さん、フェスティバルアンバサダーのLiLiCoさんをはじめ、審査員のかたせ梨乃さん、安藤桃子監督、中江有里さん、永瀬 正敏さん、とよた真帆さん、ホラン千秋さんらが登場。

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米国アカデミー賞公認のこの映画祭のグランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」に輝いたのは、ツェンファン・ヤン監督の『見下ろすとそこに』(中国・フランス合作)。砂時計をモチーフにしたトロフィーが贈られました。グランプリは、オフィシャルコンペティション部門3部門(インターナショナル部門、アジア インターナショナル部門、ジャパン部門)の優秀賞から選出され、同作はアジア インターナショナル部門の優秀賞も受賞しています。

 
◆SSFF&ASIA2019 グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」受賞作品
アジア インターナショナル部門 優秀賞  受賞
『見下ろすとそこに』(ツェンファン・ヤン監督)

見下ろすとそこに
日本語字幕を手がけた修了生、戸田いずみさんのコメント

この作品の魅力は、その独特の空気感にあると思います。淡々と流れていく映像と、ドラマを感じさせる音声との対比。登場人物の会話から感じられる、倦怠感と緊張感の対比。そういった様々なコントラストが不思議な空気感を生み出しています。翻訳時には、その独特の空気感を壊さないように意識しました。シンプルな言葉で淡々とした雰囲気を表しつつ、ストレートに伝わる言葉を交え、緊張感が伝わるようにしています。
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※ツェンファン・ヤン監督代理の方にトロフィーを手渡すかたせ梨乃さん

グランプリ受賞という知らせを聞いて、この作品の映像や音声が、一瞬のうちによみがえってきました。数々の力作の中からグランプリ受賞となり、大変うれしく思います。このような作品を翻訳する機会を与えていただき、感謝いたします。
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映画祭は、翻訳者もイベントを支える一員なのだと実感できる貴重な場です。この日の会場には、自分が字幕を手がけた作品が受賞するという劇的な瞬間に立ち会えた翻訳者がいました! 修了生の小坂志保さんと嶋谷麻子さんです。お2人に話を聞きました。

 
◆インターナショナル部門 優秀賞
『兄弟愛』(メリアム・ジュベール監督)

1兄弟愛
日本語字幕を担当した修了生 小坂志保さん

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『兄弟愛』はチュニジアの多くの若者がシリアへ渡り過激派組織に加わってしまうという複雑な社会問題がテーマの作品です。シリアから突然帰ってきた息子と父親の間に走る緊張感と、温かく迎え入れる母親と兄弟の様子が対照的に描かれています。父親の心の動きと葛藤が印象に残る物語で、息子を誤解していたことに気付いた父親が、息子の名前を何度も叫び続けるラストシーンは、父親の後悔が痛いほど伝わってきました。

 
字幕制作では、ストーリーの背景にある社会問題ができるだけ分かりやすく伝わるように工夫しました。また、言い争う場面や、息子の妻の告白シーンでは、セリフの緊迫感や衝撃が最大限に伝わるように、インパクトのある字幕にすることを意識して言葉を選びました。
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自分が担当した作品がインターナショナル部門の優秀賞に選ばれるとは夢にも思わなかったので、会場のスクリーンに作品名が映し出された瞬間、心臓が止まるかと思うほど驚き、鳥肌が立ちました。しばらく信じられない気持ちでしたが、ビデオメッセージでメリアム・ジュベール監督の喜びのコメントを聞き、ようやく受賞を実感しました。授賞式に出席できただけでうれしかったのですが、感動の瞬間にも立ち会うことができ、夢のような時間でした。

 
アワードセレモニーに参加させていただき、すごく豪華で非日常の光景に圧倒されましたが、同時に、華やかな世界につながる仕事に携わっていることを再認識することができました。また、いつもお世話になっているディレクターさんや翻訳者の方々とお会いでき、いろいろとお話しできたことも大変嬉しかったです。
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◆ノンフィクション部門 supported by ヤフー株式会社 優秀賞
『ドゥルセ』(ギレ・イサ監督)
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日本語字幕をした修了生 嶋谷麻子さん

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『ドゥルセ(原題:Dulce)』はコロンビアの海岸沿いの村で貝採りをして生計を立てている母が、娘のドゥルセに泳ぎを教える話です。泳ぎを早く覚えさせようと、娘に厳しく接する母ですが、それには気候変動で水面が上昇しているからという理由がありました。字幕では、娘を案じる母親の気持ちがうまく表せるよう心がけました。

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ノンフィクション部門は10作品ほど鑑賞しましたが、どれもクオリティが高かったので、本作品の受賞が発表された瞬間は本当に嬉しかったです。「あまり身近に感じることのない温暖化現象を、身近に感じさせてくれる作品」と審査員からのコメントがありましたが、親子の日常を通して、環境問題やサステナビリティに関して深く考えさせられる作品です。この受賞をきっかけに是非多くの方に見ていただきたいです。

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※ギレ・イサ監督とホラン千秋さん ※ギレ・イサ監督と原田眞人監督

アワードセレモニーに参加させていただいたことで、200作品上映された本映画祭の規模の大きさを実感しました。翻訳者として、このような素晴らしい映画祭に少しでも協力できたことが嬉しいです。また、受賞された監督方のスピーチやビデオメッセージを生で聞くことができ、作品の裏にある思いや苦労、また作品への愛を垣間見ることができました。このような場に出席することができ、本当に光栄です。ありがとうございました。
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上記の3作品とジャパン部門の優秀賞『マイリトルゴード』(見里朝希監督)の4作品は、第92回アカデミー賞短編部門のノミネート候補になります。今後の展開も要チェックです。

 
受賞式に参加したJVTAスタッフと翻訳者の皆さんもレッドカーペッドで記念撮影
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自宅で作業する翻訳者は、なかなか同業者同士で顔を合わせる機会がないのが現状です。イベント終了後は名刺交換をしたり、翻訳の悩みを話し合うなど交流を深めていました。地方から駆け付けてくれた方もいて、特に映像翻訳Web講座で学んだ皆さんからは、翻訳者仲間と知り合える、いいきっかけになったという声も。映画祭は製作者や観客を身近に感じられる貴重な場です。皆さんもぜひ、積極的に足を運んでみてください。JVTAはこれからもSSFF & ASIAをサポートしていきます。

 
【関連記事】開演前のレッドカーペッドの様子はこちら

 

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