映像作品ファンの意識を調査!SNS企画「みんなはどっち派? #JVTAなんでもアンケート」を実施!
「映画やドラマを見ることが好き」と一言で言っても、その楽しみ方は人それぞれだ。「事前にレビューを見るか見ないか」、「配信ドラマを一気に見るか少しずつ見るか」など、人によって好みが分かれる。また「字幕か吹き替えか?」も人によって異なるだろう。
日本映像翻訳アカデミー(JVTA)では2023年2月~3月にかけ、公式Twitter(JVTA_TOKYO)にて、フォロー&リツイートキャンペーン「みんなはどっち派? #JVTAなんでもアンケート」を開催した。
全4問の2択の投票で総数は279票。投票理由を投稿してくれた人も多く、それぞれの映像作品の楽しみ方が垣間見えた。
Q1:自分が翻訳に関わるなら「字幕」派?「吹き替え」派?
字幕派が81%と吹き替えを大きく上回った。投稿された理由には、「限られた文字数の中でセリフを最大限表現することが楽しい」「原語で聞く人が感じるおもしろさを、限られた字数の中で伝えられるよう考えたい」など、映像翻訳学習者らしい回答が並んだ。
吹き替え派を選んだ人からは、「プロの声優さんが、作ったセリフに命を吹き込んでくれると思うとワクワクする」という理由が届いた。JVTAでは、この投票直後に「みんなで吹き替え!プロの声優×翻訳講師と一緒に大勉強会!」という吹き替え翻訳に特化した特別セミナーを開催した。生配信で披露されたプロの声優の技に参加者は大興奮。このセミナーの後に投票を行ったら、結果が大きく異なったかもしれない。
JVTAへの入学を検討する層としては、「まずは字幕翻訳をやってみたい」という人が多い。しかし吹き替え翻訳の需要も年々高まっている。ながら見(家事や他の事をしながら視聴できる)ができる、文字を読むよりも疲れない、一般社会の活字離れなどの理由から、大手エンタメ配信業者を筆頭に、吹き替え版が増えているのだ。字幕と吹き替えの両方に対応できると、映像翻訳者としての仕事の幅が広がってくだろう。
★「みんなで吹き替え!プロの声優×翻訳講師と一緒に大勉強会!」セミナーレポートはコチラ
Q2: 映画のレビューは事前に「見る」派?それとも「見ない」派
こちらは票が割れる結果となった。
「歴史背景を知らないと楽しめない映画は、理解を深めるため先にあらすじや解説サイト見る」「見るかどうか悩んでいる時は『見た方が良い』的なコメントに背中を押される」という意見が投稿され、「レビュー=ネタばれ」ではない使い方で楽しんでいる方もいることが分かった。
JVTAのYouTubeチャンネルでは、プロの翻訳者が「いい作品の見つけ方」を紹介している。「次は何を見よう?」と悩んでいる方がいたら、ぜひ参考にしてほしい。
★【コンテンツ特集】翻訳者なら必見!いい作品の見つけ方とは?
★JVTA修了生の鈴木純一さんによる連載コラム「戦え!シネマッハ!!!!」もおススメ。新作の「予告編」や「悪役」といった切り口で映画作品を紹介している。普段とは違う視点で作品に出会えるかも!
アーカイブはコチラ▶「戦え!シネマッハ!!!!」
★ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラなど特撮作品を見るなら、JVTA修了生、田近裕志さんのコラム「明けの明星が輝く空に」が必見。過去作のオマージュや制作側の想いに関する話が満載!
アーカイブはコチラ▶「明けの明星が輝く空に」
Q3: 配信ドラマを見るなら 「全話一斉配信」派?それとも「毎週配信」派?
結果としては8割が「全話一斉配信派」だった。「一気に集中して見たい」という方もいれば、「先が気になってたまらないので、時間と体力が許す限り見る」という強者も。とはいえ「正確には3~4話ずつを一気に見るのが好き」など、必ずしも「一気に見る」というわけではなく、各々が自分のペースで楽しんでいる様子がうかがえた。
ちなみにシリーズものの翻訳の際には、登場人物の固有名詞や口調、呼称にシリーズを通した統一が必須になる。各話で口調が変わったり、自分のことを「俺」と言っていた主人公が途中から「僕」になったりすると、視聴者に違和感を与えてしまうからだ。そこで映像翻訳者は口調や呼称の統一表を作成し、ブレがないように翻訳作業をしている。ドラマを見る際、「自分ならどういった口調にするか?」などを考えながら視聴するのもおもしろいかもしれない。
★ドラマが好きなら、JVTA修了生の土橋秀一郎さんによるコラム「“Viewer Discretion Advised!”これがイチ押し、アメリカン・ドラマ」をぜひチェックしてもらいたい。注目の最新作や人気シリーズを独自の視点で解説し、先日100回目を迎えた人気コラムだ。
アーカイブはコチラ▶「“Viewer Discretion Advised!”これがイチ押し、アメリカン・ドラマ」
Q4: エンドロールは「見る」派?それとも「見ない」派?
こちらは90%以上が「見る派」と、全4問の中で最も大きく差がつく結果となった。「エンドロールを見ながら余韻に浸る」「エンドロールまで含めて作品」という意見から、「(洋画の)エンドロールで日本人の名前が見つかるとうれしい」という意見も。また、「昨今の映画はエンドロールで終わるとは限らない」という、近年の作品事情を踏まえた意見も興味深かった。
洋画の場合、エンドロールがすべて終わった後に「字幕 ●●」のように映像翻訳者の名前が出ることが多い(昨今は上映前に出るケースも見られる)。そのため、映像翻訳者、もしくは映像翻訳を学んでいる人は、ついエンドロールまで見てしまう傾向にあるようだ。
そんな「映像翻訳者あるある」については、ぜひJVTAのYouTubeチャンネルにアップされている動画「映像翻訳者が主人公のドラマ『それでも僕らは走り続ける』の翻訳者像に物申す?!」を見てほしい。映像翻訳者が主人公となっている珍しい韓国ドラマを見ながら、プロの映像翻訳者たちが「こういうことある!」と語り合っている。
★動画「映像翻訳者が主人公のドラマ『それでも僕らは走り続ける』の翻訳者像に物申す?!」
一人で楽しむこともできる映画や海外ドラマの鑑賞では、他のファンがどのように作品を楽しんでいるかを知る機会がなかなかないだろう。今回の企画を通して、参加者の皆さんが新しい映像作品の楽しみ方を見つけてくれていたらとても喜ばしいことだ。今後もJVTAのSNSでは、情報発信だけでなく皆さんが楽しめる企画を考えて実施していく。今回の企画に参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。
★映像翻訳に興味を持った方は、ぜひJVTAのオープンスクールや個別相談にご参加ください。「見て楽しむ」側から、「作品に関わって楽しむ」側へ、一歩踏み出してみるのはいかがでしょうか? 多くの映画好き、ドラマ好きの仲間と出会えるチャンスです!