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GWは気になっていたあの名作を見よう MTC 藤田庸司ディレクター 

GWは気になっていたあの名作を見よう MTC 藤田庸司ディレクター 
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皆さんは“名作映画”をどのくらい見ていますか? 名作といわれる作品のタイトルや登場人物の名前、名セリフなどは、映画やドラマ、リアリティー番組、トークショー、映画関係者のインタビューなどでよく出てくるので、映像翻訳者なら知っておくべき“常識”です。僕自身、SFはそれほど好きではありませんが『スター・ウォーズ』シリーズや『ブレード・ランナー』くらいはおさえているし、黒澤明監督の作品もなるべく見るようにしています。
 
 

昔の名作を知ると、新しい作品を見た時にも「これはあの作品のラストシーンのオマージュだ」とか、「あのシーンのパロディだ」とか分かり、作品解釈にも役立ちます。逆にこれを全く知らずに訳すと大事なフックを見逃してしまうことも。映像翻訳者なら世代に関わらず映画史に残る名作は知っておきましょう。
 
 

例えば、クエンティン・タランティーノ監督の作品にはそういう面白さが満載です。『パルプ・フィクション』は時系列を無視した細かいシーンが組み合わさっているのが特徴で、冒頭シーンが実は物語の途中のシーンだったりします。僕だったら「この手法はスタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』をリスペクトしているんじゃないかな」と翻訳する際にも意識すると思います。まさに温故知新。皆さんにもこういう面白さをぜひ味わって欲しいですね。
 

パルプフィクション

そこで今年のGWは普段はあまり見ないようなテーマに絞った作品を見るのをおすすめします。ただ見るだけでなく勉強として、シリーズものを制覇したり、巨匠と言われる監督の作品を複数見て作風を研究したりしてみましょう。女性が敬遠しがちだけれども高い評価を受けている作品を見てみるのもいいと思います。
 

★世界的に評価されている監督の作品の魅力を探る
◆黒澤明監督
馬が疾走する大迫力の戦闘シーンが魅力の『影武者』『七人の侍』などはもちろん、心理描写を淡々と描く素朴な1本『生きる』も名作です。個人的には、企業の汚職問題を描いた『悪い奴ほどよく眠る』がおすすめ。ヒッチコックのサスペンスにも似た心理描写が見事です。
七人の侍
 

◆北野武監督
『HANA-BI』『座頭市』『ソナチネ』ほか
ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞するなど、北野武監督が世界で高い評価を得ている理由は何かを考えてみるのはどうでしょう?
HANABI
 
◆デヴィッド・リンチ監督
『ブルーベルベット』『ツイン・ピークス』『マルホランド・ドライブ』『エレファント・マン』など、カルトの帝王とも言われる独自の世界を味わえます。
ブルーベルベット
 

◆スタンリー・キューブリック監督
『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』『フルメタル・ジャケット』などは、見たことがなくてもタイトルは聞いたことがある人も多いはず。この機会にぜひ本編をご覧ください。
2001年宇宙の旅
 

★アメリカン・ニューシネマって何?
アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から70年代にかけてアメリカで制作された作品で、反体制的な主人公の生きざまが描かれているのが特徴です。代表作は、『俺たちに明日はない』『イージー・ライダー』『明日に向かって撃て!』『ワイルドバンチ』『バニシング・ポイント』『ディア・ハンター』『タクシードライバー』など。ロバート・デ・ニーロやロバート・レッドフォードらの若き日の姿も一見の価値ありです。
明日に向かって撃て!
 

★大人気シリーズを制覇する!
昨年から『スター・ウォーズ』『ターミネーター』『マッドマックス』『ミッション:インポッシブル』『ジュラシック・ワールド』など長年のシリーズものの最新作が目白押し。シリーズものは過去の作品の決まり文句やお約束のシーンが多く、映像翻訳者なら必須の知識といえます。個人的には『ゴッドファーザー』3部作も外せません。邦画ならもはや国民的作品と呼べる『男はつらいよ』、せめて2,3本は見ておきたいところです。
マッドマックス怒りのデス・ロード
 

★フランス映画の巨匠を知る
おすすめは、サスペンスの帝王と称されるアルフレッド・ヒッチコック監督に強く影響を受けたフランソワ・トリュフォー監督。代表作は『大人は判ってくれない』『ピアニストを撃て』『柔らかい肌』などです。またトリュフォーと同時代に活躍し、85歳の現在も現役のジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』なども必見です。
大人は判ってくれない
 

★往年のスターの軌跡を知る
ジェームス・ディーンは、1950年代の鬱屈した若者の象徴であり、『エデンの東』や『理由なき反抗』が有名ですが、もう一つの傑作『ジャイアンツ』をご存じですか? 3時間以上に及ぶ大作で、2人の男性と1人の女性の約30年にわたる複雑な関係性が描かれています。共演はロック・ハドソンとエリザベス・テーラーという豪華な顔ぶれ。映画に携わる人はぜひ見ておきたい名作です。邦画なら70年代、80年代に活躍し、今もカリスマ的な人気を誇る松田優作の出演作もおすすめ。代表作は『野獣死すべし』『蘇える金狼』『ブラック・レイン』などのハードボイルドアクションです。
ジャイアンツ
 

いかがですか? タイトルは知っていても実は見たことがない作品も多いのではないでしょうか? これはほんの一例ですが、皆さんもそれぞれのテーマを決めてぜひじっくりと名作に向き合ってみてください。必ず翻訳の役に立ちますよ。

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