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アイスランド発の話題作『たちあがる女』が劇場公開! 字幕は修了生の岩辺いずみさん

アイスランド発の話題作『たちあがる女』が劇場公開! 字幕は修了生の岩辺いずみさん
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北欧アイスランドから届いた話題作『たちあがる女』が、3月9日(土)から劇場公開されます。この作品は、2019年のアカデミー賞でアイスランド代表作品に選ばれたほか、2018年のカンヌ国際映画祭では批評家週間の優秀な脚本に贈られるSACD 受賞しました。さらに、カナダ、スペイン、ドイツ、イスラエルで開催された国際映画祭でも高い評価を受けています。日本語字幕を担当したのはJVTA修了生の岩辺いずみさん。岩辺さんはこれまで『ハートストーン』『オレの獲物はビンラディン』『世界にひとつの金メダル』『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』『イーダ』など多くの劇場公開作品の字幕を手がけてきました。

 
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主人公は、アイスランドの田舎町でセミプロ合唱団の講師をしているハットラ。しかし、一方で彼女には、手つかずの自然を守る謎の環境活動家“山女”として、地元のアルミニウム工場に対してたった一人で攻撃を続けているという一面もあります。そんな彼女に届いたのは、念願だった養子縁組の申請が認められたというニュース。夢の実現のためにハットラが取った行動とは…。

 
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◆日本語字幕を担当した修了生・岩辺いずみさんに見どころを聞きました。

 
『たちあがる女』の英題は”Woman at war”で、闘う女性の話です。邦題を聞いた時は、うまいな~と感心しました。題字の「女」をよく見ると、弓を引いている女性のモチーフになっています。闘うと言っても、主人公のハットラはセミプロの合唱団を指導していて、普段はにこやかな女性。だけど社会に対して怒りを抱いていて、自分の力でなんとかしたいと密かに行動しています。これがかなり過激で引いちゃうレベル。「1人の女性がこんなことできるんだ!」と、驚きます。日本の一般的な女性に比べるとハットラはかなりたくましいですが、それでも超人でもないのに頑張る姿は、胸に迫るものがあります。

 
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実は主人公と同年代のせいか、ハットラのいらだちやモヤモヤとした気持ちは、ちょっと分かるんです。彼女の場合は、それが社会全体への大きな怒りとなって過激な行動に出てしまいますが、それがイタくもあるし、小気味よくも感じる。彼女が自分の中の怒りと、どう折り合いをつけるかというのが大事なテーマになっています。社会との闘いですが、自分との闘いでもあります。

 
BGMを演奏するブラスバンドとウクライナの合唱隊がスクリーンに登場し、ハットラの気持ちを代弁するように絡みます。これが何とも味があっていいんです。ハットラ率いる合唱団も何度か歌声を披露しますが、監督の意向で歌詞の字幕はつけていません。春らしく明るい曲調が多いので、アイスランド語の響きを楽しんでください。

 
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アイスランド映画を訳すのは4本目ですが、相変わらずアイスランド語はできません。今回も英語の字幕を基に翻訳しています。意味が分かりにくい時は、アイスランド語のスクリプトをGoogle翻訳で英語に訳して確認しました。たまに英語字幕とGoogle翻訳が一致して笑っちゃうことも。ただ、今回は強力な助っ人がいました! 高校時代にカナダ留学で一緒だったアイスランド人の友人と、フェイスブックでつながったのです。おかげで彼にアイスランド語の意味を聞くことができました。さらに、以前私が訳したアイスランド映画に、彼がちょい役で出ていたことも分かり、世界は狭いとつくづく感じました。悪いことはできませんね。

 
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ジョディ・フォスターが本作をいたく気に入って、彼女の監督・主演でハリウッドリメイクが決まっています。彼女ならハマり役だと思いますが、北欧独特のゆったりしたリズムが失われるのは寂しい気がします。皆さんには、ぜひ両方観て比べていただきたいです。アイスランドの田舎町の風景と、その周りのダイナミックな自然が本当にステキなので、スクリーンでどっぷり浸ってください。私はこのところ猛烈にアイスランドへ行きたくなっています。

 
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主人公のハットラを演じるハルドラ・ゲイルハルズドッティルは、2018モントリオール・ニューシネマ映画祭と2018 年バリャドリッド国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。自然と音楽を愛し、幸せをつかむために真っすぐに行動する女性を魅力的にときにはコミカルに演じています。ぜひ、劇場でご覧ください!

 
※初日の3月9日(土)は劇中で歌われた曲などが楽しめるアイスランドの合唱のイベントがあります。詳細はこちら
https://www.unitedcinemas.jp/yebisu/information.php?info=64604

 

『たちあがる女』
3月9日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
公式http://www.transformer.co.jp/m/tachiagaru

 

監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン『馬々と人間たち』
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル、ヨハン・シグルズアルソン、ヨルンドゥル・ラグナルソン、マルガリータ・ヒルスカ
2018年 / アイスランド・フランス・ウクライナ合作 / アイスランド語 / 101分 /
カラー / 5.1ch /英題:Woman at war / G / 日本語字幕:岩辺いずみ  
後援:駐日アイスランド大使館
©2018-Slot Machine-Gulldrengurinn-Solar Media Entertainment-Ukrainian State Film Agency-Köggull Filmworks-Vintage Pictures

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