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【映像翻訳者としてプロデビュー18年】修了生・幡野裕美さん

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2001年4月期英日映像翻訳 実践コース修了
【映像翻訳者としてプロデビュー18年】幡野裕美さん


 
幡野裕美さん
カナダでのスノーボードガイドの経験を生かし、米国アクションスポーツの祭典『X-Games』や『Freeride World Tour』『レッドブル・エアレース』、『FIBA3x3』『ドローン チャンピオンズリーグ』の翻訳など主にスポーツ分野で活動中。また、映画『スーパーフライ』、ドラマ『9-1-1 LA救命最前線』の字幕翻訳を手がけるほか、イベントの通訳など幅広い分野で活動している。

 
JVTA 幡野さんが、映像翻訳を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 
幡野裕美さん(以下、幡野さん)大学在学時、英語のブラシュアップのために放送通訳の講座に通っていたのがきっかけかもしれません。大学卒業後カナダに2年滞在し、現地ではスノーボードのガイドをしていました。2000年4月の帰国直後にJVTAの存在を知り、英語が活かせるスキルに興味を持ち、すぐに基礎コース(当時)から始めました。

 
JVTA まだ代々木八幡宮近くのこじんまりした校舎の時ですね! 

 
幡野さん そうです! 平日昼間のクラスだったのでクラスメートのやる気がすごくて、後押しされました。基礎コース修了時に新楽先生にお声をかけていただき、トライアルを受けてデビューすることができました。そのため実践コースは翻訳と勉強の両立が大変でした…。

 
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JVTA デビュー直後はどんなお仕事を担当されたのでしょうか?

 
幡野さん はじめは、スポーツ番組の字幕や、ニュース素材の全訳やDVDの特典映像などの仕事が多かったと思います。

 
JVTA この約20年で映像を取り巻く環境も大きく変わりましたよね。

 
幡野さん はい。私がデビューした当時はまだVHSを使っていました! バイク便で届くビデオテープで作業していましたので、ビデオデッキとリモコンを何台買いかえたことか(笑)。

 
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JVTA  大先輩とお話しすると、ガッチャンガッチャンと頻繁に巻き戻しと再生を繰り返して、ビデオデッキが壊れる話は“あるある”のようですね(笑)。かつては課題に取り組む時、ストップウォッチも使いました。ビデオをリモコンで操作しながら、タイムコードを書き取ってスポッティング…ご苦労が偲ばれます。

 
幡野さん そうなんです! 私もJVTAの仲間とVHSの話で盛り上がったことがあります(笑)。当時に比べると、本当に今は楽になりましたよね。PC上であらゆる作業ができますし、インターネット環境も整って調べものも劇的にやりやすくなりました。PCも小型で持ち運びも楽になり、通訳などで出張がある時も、今は新幹線や飛行機にも電源があるのでとても助かります。

 
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JVTA キャリアを積まれる中で仕事の幅も広がったと思いますが、最近はどんなお仕事をされているのでしょうか?

 
幡野さん 現在は最終的にネット配信される作品やオンデマンドが多いですが、テレビでの放送やDVDになるものもあり、最近では『スーパーフライ』やドラマ『9-1-1 LA救命最前線』、トニー賞やアカデミー賞の授賞式の映像などの字幕を手がけました。スポ―ツ関連も多いのですが、私が担当するのはまだ日本ではあまり知られていないものが多いんです。自然のままの地形を滑り、そのテクニックやスタイルを競う「フリーライド」や、3人制のバスケットボール「3×3」(スリーバイスリー)、「ドローン チャンピオンズリーグ」などの試合の翻訳などを手がけています。

 
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※ドラマ『9-1-1 LA救命最前線 シーズン2』DVD
※映画『スーパーフライ』DVD

 
また、スポーツの翻訳の経験を買われてイベントの通訳の仕事も請けるようになりました。具体的にいうと、テレビカメラについて選手インタビューの通訳をし、そのインタビュー映像を翻訳する仕事などです。最近はスポーツだけでなく、ラグジュアリーブランドのファッションショーや新作発表会などのイベントの通訳、ブランドが呼んだVIPのアテンドなど、さまざまな分野で通訳/アテンドの仕事をいただいています。

 
JVTA 日本ではあまりメジャーではないスポーツの翻訳は、ルールや選手名、定訳など調べものも大変なのではないでしょうか?


 
幡野さん できるかぎり、実際にその競技を自分の目で見るようにしています。エアレースはずっと日本で開催されているので、毎年見に行き選手の話を聞いたりしながら勉強しています。また、大会会場のMCの方の言葉や日本人選手が使う言葉なども吸収するようにしています。そういう意味でも通訳として現地に呼ばれるのはありがたいことです。

 
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※エアレースの会場にて

 
JVTA これまで、特に印象に残っている仕事はありますか?

 
幡野さん 初めての仕事は忘れられません。ラフォーレ原宿で開催された世界最大級のデジタル・フィルム・フェスティバルRESFEST(レスフェスト)で上映されたショートフィルムを9作品ほど担当しました。スクリーンで自分の字幕を見ることができて感動しました。

 
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※JVTAは毎年多くの映画祭をサポート。写真は「ショートショート フィルム フェスティバル & アジア 2018」アワードセレモニーの様子です。

 
JVTA 短編とはいえ、いきなり9作品も? お疲れ様でした。映画祭は今も多くの修了生の皆さんが活躍されている場です。幡野さんもこの登竜門を抜けてご経験を積まれてきたんですね。幡野さんがこれまで仕事をするうえで大切にしてきたこと、プロの翻訳者として息の長い活躍ができるための秘訣があればぜひ教えてください。

 
幡野さん 担当する作品の一番のファンになること。そして、翻訳者として最善を尽くす気持ちを忘れずに作業することを心がけています。

 
翻訳作業は頭を使うし、締め切りがストレスになって興奮して寝られなくなることがあります。何年か前に、仕事を詰め込みすぎて不眠症になりました。それ以来、徹夜はやめてジムに行くようにしています。

 
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※エアレースの会場にて

 
翻訳の仕事と通訳/アテンドの仕事はまったく違う仕事なので、両方をバランスよく請けることで常に仕事への情熱を持ち続けられている気がします。

 
JVTA 最後に後輩の皆さんへメッセージをおねがいします!

 
幡野さん 現場で知り合った方や、翻訳チームのメンバーが偶然JVTAの卒業生だった!ということがよくあります。どこかでご一緒できるのを楽しみにしています。

 
JVTA 今後のご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました!

 
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