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「字幕はデザインの一部」注目の映像作家・柴田剛監督が語る英語字幕

「字幕はデザインの一部」注目の映像作家・柴田剛監督が語る英語字幕
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柴田剛監督待望の最新作『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』が、7月15日(土)から渋谷のユーロスペースで1週間限定上映されます。この作品の英語字幕をJVTAの修了生、杉崎やよいさんが手がけ、5月にドイツで開催された日本映画の祭典、ニッポン・コネクションでヨーロッパ初公開されました。
 

★衝撃の“エクスペリメンタル・ロードムービー”
『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』とは?


 
『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』は、映画制作クルー「ギ・あいうえおス」が謎の発光体を追って、映画を制作していく過程を描くモノクロのロードムービー。山口情報芸術センターの映画制作プロジェクトの一環として、主に山口県で撮影されました。旅の途中で出会うさまざまな人たちとの交流やインタビューがドキュメンタリータッチで映し出されています。マイクで拾った風のノイズや自然が奏でる音などもリアルに収録され、唯一無二な世界観を持つ実験的な作品です。シリーズ第1弾の『ギ・あいうえおス -ずばぬけたかえうた-』(2010年)から7年ぶりの第2弾として、注目されています! 柴田剛監督は英語字幕制作にもこだわりがあり、通常字幕では使わないフォントが使われています。

 

★まずはトレイラーでその世界観をお楽しみください! 英語字幕やインタータイトルに注目です。


 
東京での一般公開でも英語字幕付きで上映されるそう。柴田監督に英語字幕へのこだわりを伺いました。
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◆『NN-891102』や『おそいひと』や『堀川中立売』など柴田監督の作品の多くが国際映画祭で上映されていますが、これまで英語字幕はどのように作成されていたのでしょうか?

 

『堀川中立売』

『堀川中立売』


柴田剛監督 英語が堪能な友人数人のチームを組んでもらい、英語字幕を作成していました。スポッティングも同様です。

 
◆『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』で、字幕にはあまり使わないフォントを使用されたこだわりを教えてください。

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柴田監督 字幕は読むためのものだけでなく、映画の画面全体のデザインの一部にしたいと思い、このフォント(ヘルベチカのボールド)を使うことにしました。ここに至るまでほかにも数十種類試してみました。

 
◆作中で一部、日本語字幕と英語字幕の併記をしているシーンがありますね。

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柴田監督 取材相手が一人で長く語ってくれているこの箇所は映画には重要です。しかし、内容は一聴して理解するのはなかなか難しく、また、聞き取りづらい録音状況でもあったので、日本語字幕と英語字幕を併記することにしました。画面に文字があふれてしまう印象をおさえるために、文字間と行間と意味の配列に気をつけてフォントを置く作業でしたので、たいへん気を使いました。何度も試していまのカタチにおさまりました。成功したのではないかと思っています。

 
◆無声映画のインタータイトル(映画の途中で編集によって挿入される、印字された文章を撮影したコマ)のように黒バックにタイトルのような文字が白字で挟み込まれている箇所が多くあり、興味深く拝見しました。こちらの英語表記にもこだわりがありそうですね。
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柴田監督 はい。例えば、日本語でのインタータイトルとその英語訳をそのまま併記せずに、英語訳にはちょっとニュアンスのちがう(拡大解釈した)訳でインタータイトルを名付けました。影響を受けた映画や音楽の1フレーズをひろいあげて名付けました。このほうが映画を観たお客さんに発見してもらうもうひとつの楽しみができると思ったからです。

 
 ギ・時の翼に乗ってまス
Gui On The Wing of Time:s


 
 ギ・目には見えない世界が好きでしたス
 Gui Loved The World Invisible To The Eye:s


 
 ギ・世界を見て回って心がお留守ス
 Gui Where Is My Mind:S


 

◆それはぜひ注目してほしいポイントですね! ドイツで開催されたニッポン・コネクションでの反応はいかがでしたか?

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柴田監督 良かったです。やはり多くの質問をくれるのが海外映画祭の醍醐味と感じます。よくぞ聞いてくれました!といった質問に囲まれてうれしかったです。

 

◆特に印象に残っている質問があったらぜひ教えてください。

 
柴田監督 はい、例えば、「『ファイヤー・ウォーク・ウィズ・ミー』と章立てのタイトルのひとつにあるのを見つけました。これは『ツイン・ピークス』からきているのですね。柴田さんはこのドラマが大好きですか?」と聞かれ、「愛しています。高校時代からの刷り込みでずっと僕の中にいまも流れています」と親指でグーサインをしました(笑)」。

 
◆字幕に込めた監督の想いがちゃんと伝わっていたんですね! 

 
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柴田監督 はい。他にも「『ウェア・イズ・マイ・マインド(マインズ)』というのも章立てタイトルにありましたね、これはバンドの曲名ですよね」という声もあり、「その通り!。ぼくはピクシーズが大好きです!」とまた親指でグーサインをだしました!

 
◆一瞬の字幕に込めた製作者の想いをきちんと受け取ってくれていることを実感して、嬉しいエピソードですね。

 
柴田監督 こちらにとっても新鮮な発見もありました。「この映画チームの名前、『Gui』というのは一見するとフランス語のようにみえるのですが、これは果たしてどういう意味でそう名付けたのかちょっと教えていただけますか」と聞かれたんです。実は僕もつい最近知ったのですが、『GUi』はラテン語で『ヤドリギ』、また、フランス語圏で男性、男を意味するそうです。まったく意識せずに付けた『ギ』なんですが、男ばかりの撮影集団、『ギ・あいうえおス』にはぴったりですよね。これは、第1弾を作ってから7年目にして初めて知った驚きの発見でした。くしくも観客からの質問でこのエピソードを披露することになり、「よくぞ聞いてくれました!」と思いましたね。

 
◆字幕の力を改めて感じますね。国際映画祭だけでなく、国内での上映でも英語字幕を付けて上映していただけるとのこと。ありがとうございます。その経緯やこだわりを教えてください。

 

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柴田監督 先程も伝えたとおり、この映画には台本がなく、一聴して理解するにはなかなか難しいのではないか?というような内容が散りばめられています。しかし、この内容は映画撮影の旅の道中で出会った本当のことでもあります。そこで、なるべく分かりやすくするためには、英語字幕も併記し、その情報が画面全体を構成するデザインのひとつであるように見せるフォントを選びました。プロデューサーとよく話し合って、これを国内外上映の共通の完成版にするという同意見に達し、決定しました。

 
◆最後に、英語字幕を作成する日英映像翻訳者にメッセージをお願いします。
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柴田監督 この作品の内容を、よくぞここまで映像翻訳していただきました! まるでトンチくらべのような時間だったのではないでしょうか。出来上がりの映像翻訳を手渡されたとき、うなずけるニュアンスに、“プロフェッショナル”」を感じました。この作品がまたひとつ世界に広がるんだなあ、と映画の画面に翻訳文字を自ら打ちこみながら感慨深く作業していたのが今も思い出されます。

 
こうして丹精込めて共同でつくっていく作業はとても楽しいものですね。心強く共にあれることを映像翻訳の作業ではいつも実感しています。伝えることの大事さ、大事にされていることの喜びを感じています。いつもありがとうございます。これからも互いに精進していきましょう!

 
◆東京の一般公開での反響が楽しみですね! ありがとうございました!
映画祭以外で英語字幕を見られる貴重な機会です。ぜひ、ご覧ください!


 
★『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』
・1週間限定上映(英語字幕付きで上映されます)
7月15日(土)~21日(金)ユーロスペース(渋谷)
詳細は公式サイトをご覧ください。
http://gui.shibatago.com/index.html

 
★ギ・あいうえおスのシリーズ第1弾
『ギ・あいうえおス -ずばぬけたかえうた-』が石巻で特別上映されます!
【日時】7月22日(土)23日(日)
【時間】22日→①14:00~ ②18:00~
    23日→①14:00~
【場所】スイスイ(宮城県 石巻市中央1丁目4)
https://m.facebook.com/suisui.ishinomaki/

 
★山下敦弘監督、松江哲明監督をゲストに迎えた先行上映&トークショーの様子はこちら
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http://www.jvta.net/tyo/gi-aiueo-s/

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