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不惑のjaponesa(ハポネサ)inCO

第21回 スペイン+放浪記 その7(セビリア編)

第21回  スペイン+放浪記 その7(セビリア編)
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【最近の私】
沖縄へ移住することに。住居や職場環境が変わったためか疲れがピークに達している。上唇がアンジェリーナ・ジョリーばりに腫れ上がってしまった(泣)
 

行き当たりバッタリの「Que sera sera(ケセラセラ)」な勢いで企画したハポネサ(日本人女性)2人のセビリアへの旅。
 

高速列車Renfe(レンフェ)で2時間20分かけてセビリア駅に到着。日本語教師Nさんセレクションのホテルへすぐに向かう。そこは音楽をテーマにした「ホテル・アマデウス」というホテルで、女性客に人気の高そうなところであった。内壁はスペイン南部アンダルシア地方特有の、幾何学模様のスペインタイルで覆われている。特にこの地方は8世紀初頭にイスラム教徒が多く住んでいたため、その影響がかなり色濃く残っている。ロビーにはピアノが、そして壁には所狭しにバイオリンが飾られている。部屋の鍵もバイオリンの形をしている。
 

このフラメンコの街セビリアに‘バイオリン好きのホテル’とは。どうもミスマッチング。音楽とは無縁(?)だが、ロビーには常に”vino de naranja”(オレンジワイン)が置かれ、宿泊者であれば誰でも楽しめた。養命酒っぽい濃い目の味だが、んー、この雰囲気で飲むオレンジワインは格別。「花よりダンゴ」な私は、別の意味でNさんによる宿泊施設のセレクションを褒めちぎるのであった。
 

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チェックイン後、すぐにオレンジワインを試飲

チェックイン後、すぐにオレンジワインを試飲

音楽をテーマとした装飾が随所に

音楽をテーマとした装飾が随所に

■一見さんお断りの「カセタ」
セビリアにわざわざやってきたのは、Feria de Abril(フェリア・デ・アブリル=セビリアの春祭り、フラメンコ祭り)を観るためだった。
 

ファジェス(バレンシアの火祭り)、サン・フェルミン祭(パンプローナの牛追い祭り)と共にスペインの3大祭りのひとつに数えられる。発祥を辿れば1847年まで遡るほど、歴史のあるイベントである。復活祭後に3つの会場に分かれて実施され、私とNさんはそのうちの一つ、El Real de la Feria(エル・レアル・デ・ラ・フェリア)へ向かった。
 

会場といっても広さはなんと450,000㎡(東京ドーム約10個分)! その中は24ブロックと15通りに分かれ、「カセタ」と呼ばれるブースのようなものが1047個も設置されている。このカセタの持ち主は、家族や会社、町内会等で、招待客のみがそのカセタに入れる。
 

カセタの中は、飲めや、歌えや、踊れやの大騒ぎが昼夜を問わずおこなわれる。観光客用のカセタもあるらしいが、それを見つけるにも、この果てしない広さだとちょっと難しい。日中のためか人通りが少なく、カセタの中で踊っている人たちも少ない。宵っ張りなスペイン人らしく、祭りは夜から盛況になるのだ。そこで、夜にもう一度ここに戻ることにした。
 

El Real de la Feria(エル・レアル・デ・ラ・フェリア)会場の入り口

El Real de la Feria(エル・レアル・デ・ラ・フェリア)会場の入り口

カセタで踊る人たち

カセタで踊る人たち

カセタが連なる通り

カセタが連なる通り

■きゃー、超好み!
「せっかく来たのだから、劇場でもフラメンコでも見ようよ」
下調べをしてきたNさんが、知り合いからの情報を教えてくれた。フラメンコが鑑賞できる劇場は至る所にあり、大抵が30ユーロ。夜3回ほどおこなわれるので、予定の立て方によってはフラメンコ鑑賞のハシゴもできるらしい。
 

「大御所が出演するフラメンコもあるし、小劇場系で若手やインディペンデントの演者が出るフラメンコもあるらしいよ」
 

私は断然、若手演者のフラメンコを選んだ。完成度の高い大御所の踊りよりも、きっと勢いがあって荒削りな部分も残っていそうな若手の踊りに興味を抱いた。入場料も安く15ユーロ程度。控えめな値段である。若手の上演を観てからEl Real de la Feria(エル・レアル・デ・ラ・フェリア)に戻ることにした。
 

パティオ(中庭)を利用した小劇場に入場すると、真ん中には高さ10cmほどのステージがあった。それを囲むようにコの字型に3列、100人程度が座れる観客席がある。観客と演者が近く、互いの呼吸で作品の世界観を作り上げるスタイルに、私の胸が騒ぐ。
 

上演前にステージに上がった一人の男性がスペイン語、英語、フランス語、ドイツ語で注意を呼びかける。「上演中は飲食、タバコ、携帯、写真撮影は禁じられています。上演終了後に撮影の時間を設けています」。劇場によっては、観光客向けに写真撮影を許可するところもある。(本気で観たい人には迷惑な行為だ)と常々思っていた。そのため(ここは本気で上演するところなのだ)と、ますます期待感が高まる。
 

幕が上がった。カンタオール(男性の歌い手)、バイラオール(男性の踊り手)、バイラオーラ(女性の踊り手)、そしてトケ(ギター演奏者)の4人編成だ。悲壮感溢れる歌、踊り、そしてギターの音色。すべての観客が微動だにせず、ステージに引き込まれていく。
 

一方、私はトケに夢中になっていた。細身の長身、ちょい長髪で母性本能をくすぐるような甘いマスク。ずばり、私のタイプだ。ギターの腕前も申し分がない。正装とはいえないジーンズの出で立ちではあったが、彼の全てを許せた。
 

上演終了後のフォトタイム。名さえ知らないトケに夢中になってしまった私は、彼をしっかり写真に収めておきかった。2列目だった私は、前に座る男性の反射板の如き頭頂部を何とかよけながら撮影を試みたものの、ピンボケ写真ばかりになってしまった(泣)。会場を出てロビーを見渡す。演者がロビーで客を見送るのを期待したが、トケはいなかった。トホホ。
 

Nちゃんにトケのことを話したら、
「彼みたいな若手って、食えないから女にたかるしかないよね。甘いマスクだから女は尽きないと思うよ」とピシャリ。冷や水を浴びせられた気分だ。確かにそうかもしれないけどさぁ・・・。
 

それでも興奮冷めやらぬ私は、El Real de la Feria(エル・レアル・デ・ラ・フェリア)見物どころでは無くなってしまった。これ以上フラメンコを観たら眠れなくなりそうだ。近くのバルに飛び込み、ビールとワインでクールダウンするのであった。
 

右から2番目のトケが超私好み!

右から2番目のトケが超私好み!

 
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