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キラリ Vol.190
「炎と向き合った3年間」 

キラリ Vol.190<br />「炎と向き合った3年間」 
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ここ数年、熱中するほど打ち込めるような趣味がない生活が続いている。時間がないからと自分に言い聞かせているが、無理に時間を作ってでも趣味を見つけたほうが仕事もプライベートも充実するのではないかと思っている。実現できている人を見てもそう思うし、僕自身もかつてはそういう時期があった。

 
子供の頃から手先が器用なほうで物作りが好きだった。プラモデルはもちろんのこと、空き缶や針金など適当な素材を使ってオブジェ(?)を創作するなど、芸術家もどきのようなことをして楽しんでいた。学生時代は音楽に偏っていたが、社会人になってからまた創作意欲が湧いてきて、知人の紹介で前から興味のあったガラス工芸の教室に通うことになり、自分でも驚くほどどっぷりハマってしまった。僕が選んだのは吹きガラスではなく、バーナーで棒状のガラスを溶かしてビーズやトンボ玉を作るバーナーワーク。色とりどりのガラスを混ぜ合わせたり重ねたりすることによって複雑な模様を生み出すことができる。800℃に熱したガラスは液状化し、作業している間はとにかく扱いづらい。なのに、一日冷ましたら固体に戻り、色も形もまったく違う宝石のようなビーズに生まれ変わる。そんなガラスの不思議な性質に魅了され、それからというもの取り憑かれたように暇さえあれば何時間でもバーナーの前に座り込み、ひたすらガラスを溶かし続ける日々が3年ほど続いた。

 
もちろん働かず趣味にふけっていたわけではない。仕事とのバランスさえとれれば、単なる娯楽ではなく生活のあらゆる面においてもメリットがあると思う。当時は貯金するために複数の仕事を掛け持ちして必死だったが、趣味のために時間を作るようになり仕事と両立できていたので、むしろ生活にメリハリがついて睡眠時間の短さなども一切苦にならなかった。今携わっている映像翻訳の仕事においては、いつどんな素材が飛んでくるか分からないので、あらゆることに興味を持って常日頃から趣味の幅を広げることに越したことはない。そのためにも、仕事で忙しいと言い訳をせず、新たに熱中できる何かを見つけたいと思う今日この頃である。

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Written by 相原 拓
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[JVTA発] 発見!キラリ☆ vol.190 7月のテーマ:熱
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。同じ目標を見つめる修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

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