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短編映画の祭典が開幕!
主催の別所哲也氏と映画祭を彩る著名人たちがその魅力を語る

短編映画の祭典が開幕!<br>主催の別所哲也氏と映画祭を彩る著名人たちがその魅力を語る

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭 「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア 2025」(SSFF & ASIA 2025)が5月28日(水)に開幕し、オープニングセレモニーが行われた。

会場は2025年3月27日にまちびらきとなったTAKANAWA GATEWAY CITY。世界各国から人が集まる国際交流拠点を目指すその場所で国際短編映画祭が幕を開けた。会場は、本映画祭の開催を楽しみにしている観客、クリエーター、それをサポートする企業や団体で埋め尽くされた。20年以上にわたり字幕制作に協力するJVTAのスタッフもその一員としてセレモニーに参加した。

オープニングセレモニーの冒頭では本映画祭の代表であり、俳優として活躍する別所哲也氏が登場。今年のテーマ「creative active generative」を掲げ、AIなどのテクノロジーの進化とともに進むクリエーターをサポートしていくことを宣言した。

前半では、いくつかの賞の発表が行われ、映画監督の河瀨直美氏、上映作品の1つである『SUNA』で脚本と監督を務めた加藤シゲアキ氏、その作品の音楽を手掛けたスキマスイッチ、『変な声』の脚本を手掛けた尾崎世界観氏などが次々と登壇し、ステージを彩った。

そして、6月11日(水)に行われるアワードセレモニーの審査員を代表して登場したのが、今年監督としてデビュー30周年を迎えた岩井俊二氏だ。以前より別所氏から審査員を打診されていたものの、タイミングが合わず実現できていなかったが、今回は念願が叶い、審査員として参加する。岩井氏が手掛けた作品として『Love Letter』『花とアリス』などの長編作品が有名だが、短編作品も多く手掛けている。ステージ上でも、できることならもっと短編を作りたいと意欲を語っていた。

短編に意欲的なのは岩井氏だけではない。2022年の米アカデミー賞で受賞した『ドライブ・マイ・カー』を監督した濱口竜介監督もその前作として3つの短編を集めたオムニバス映画『偶然と想像』を制作。この作品の英語字幕はJVTAが担当した。また『万引き家族』がカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを獲得し、世界にその名が知れ渡った是枝裕和監督も、最近、短編映画『ラストシーン』を手掛け、ストリーミング配信されている。かつて短編は「若手の登竜門」というイメージが強かったが、短い時間でストーリーを紡ぐ短編映画は、今や実績に関わらず、制作者にとって新たなクリエイティビティを生み出す場なのかもしれない。

ゲストとして招かれていた文化庁長官の都倉俊一氏は、日本のエンターテイメントを世界に広げるきっかけにインバウンドの発展が鍵になるという。

「2030年までに、日本のインバウンド客の数は6000万人になると言われています。その時には、観光のついでにエンターテイメントを体験するのではなく、日本のエンターテイメントを楽しむために来るようになっていてほしいですね」

海外からの観光客が「日本でしか上映されていない映画作品を観るために来た」となる未来もそう遠くはないかもしれない。その時には日本国内でもJVTAが手掛ける英語字幕は欠かせないものになるはずだ。

本映画祭は会場での上映は6月11日まで、オンラインでは6月30日まで楽しむことができる。短い時間の中に、どんなストーリーやメッセージが込められているのか。短編映画が身近な人たちはもちろん、これまで短編に触れたことがない人にもその深さを味わってもらいたい。

ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2025(SSFF&ASIA 2025)
オンライングランドシアター:2025年4月24日~6月30日
東京会場:2025年5月28日~6月11日
▶公式サイト

◆オープニングセレモニーは映画祭公式のYouTubeチャンネルでご覧いただくことができます。


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