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発見!キラリ☆
言葉と心

発見!キラリ☆<Br>言葉と心
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1月のテーマ:イベント
 
 

かれこれ3週間ほど経つだろうか。年明けから出張でロサンゼルス支社にて勤務している。3月頭までの予定で、ビジネストリップにしてはやや長めの滞在となる。
 

若い頃、ジャック・ケルアックに憧れて、バックパック1つとギターを片手にアメリカを3カ月ほど放浪したことがあったが、一つ場所に腰を据えて、しかも仕事のために、この大国に長期滞在するのは初めて。僕の人生においては間違いなく一大イベントと言えるだろう。
 

海外に身を置くといつも感じることがある。言葉もさることながら、その人が持つコミュニケ―ション能力が重要になってくるということだ。アメリカでは、さまざまな人々が同じスペースで生活している。民族や文化も違えば、宗教も違い、言葉、生活習慣、肌の色、目の色、英語が堪能な人、少し喋れる人、全く喋れない人…。100人100色なので、基準というものを定めにくい。各々が違うので明確にラインが引けないのだ。
 

そんな社会で生活していると、英語が意志疎通を図る便利なツールであることを痛感する。ただ、たとえ自分がいかに流暢に話せても、相手が英語を理解できなければ、コミュニケーションが図れるとは限らない。そのため、相手を尊重し、相手の意見をよく聞き、相手を理解しようとする姿勢が必要とされるのだ。
 

そう考えると、日本人同士で話すには何の不自由もないはずだ。しかし、皮肉なことに、家庭内、友人関係、職場などでのコミュニケーションが破綻する場面にしばしば遭遇する。もしかしたら、言葉をツールとして操れば操れるほど、コミュニケーション能力は低下していくのかもしれない。
 

バックパッカーとして放浪していた頃、全くと言っていいほど英語が話せない日本人の中年男性とユースホステルで出会った。彼の発信する言葉は“単語の羅列のような英語”ではあったが、宿に来る世界中の人間とすぐに打ち解け、みんなに好かれていたのを思い出す。一方、同じ宿にいた流暢に英語を話す日本人は「あのおじさんの英語って無茶苦茶だね」と小ばかにしていたが、その人には誰も寄りつこうとしなかった。言葉はたしかに便利だ。でも、言葉というツールの向こう側、根底にある“心”が通じなければ、それはツールとしての力を発揮しきれない。
 

JVTAでは、これからのグローバル・コミュニケーションについて考えるサイト「GCA※のカタチ」をオープンしたばかり。「GCA」とはGlobal Communication Artsの略でArtsは「総合的な教養科目」というような意味だ。語学力にコミュニケーション力が加わると、どういった化学反応が起こるのか? 今から楽しみでならない。
 

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Written by 藤田 庸司
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[JVTA発] 発見!キラリ☆  1月のテーマ:イベント
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。同じ目標を見つめる修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。

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