9月のテーマ：嵐
 

今回のテーマは「嵐」だ。「嵐」に関係をするいろいろな作品、『パーフェクト ストーム』、『ツイスター』『嵐を呼ぶ男』なども考えてみたが、結局、私が大大大ファンである『スター･ウォーズ』に落ち着いてしまった（しかもこじつけで）
 

『スター･ウォーズ』には“ストームトルーパー”という全身白い防護服で覆われた兵士がたくさん登場する。同じヘルメットをかぶり、個性はなく、量産型の一兵士として描かれている。そんなストームトルーパーであるが、『スター･ウォーズ』のコスプレイヤーにとても人気があり、多くの人がそのコスプレを楽しんでいる。そんなコスプレイヤーの中に帝国軍キャラクターのコスプレをする「the 501st Legion（第501軍団）」と呼ばれる団体がある。世界中に支部があり、コスチューミング活動を通じて、病院や施設などの慰問ボランティア、基金活動、国内・海外メンバーとのコミュニケーション、地域貢献活動を行っている。
 

そんな彼らが2007年のカリフォルニア州パサデナで行われた「ローズ･パレード」に参加する様子を描いたドキュメンタリー映画が制作された。パレードへの参加者は、世界各地のファンから送られた独自のアピール動画によって選考される。その中から厳選されたコスプレイヤーがカリフォルニアに集結。そこからはまさに地獄で、気温の高い中、コスプレをし、一糸乱れぬ隊列を組んで行進する訓練が始まる。もともと『スター･ウォーズ』ファンに体育会系のマッチョはあまりいない（と思う･･･）のだが、中には脱水症状で倒れる人もいるという。この地獄の特訓を乗り越え、パレード前日の祝賀会に参加すると、そこにはなんと、スター･ウォーズファンたちが神とも崇めるジョージ・ルーカス自らお出ましになり、参加者を鼓舞するのだ。ここまできたらテンションがあがらないわけがない。そして、本番当日は強い意志のもと、彼らはパレードを成功させる。
 

私はコスプレイヤーではないが、「the 501st Legon」をすごく尊敬している。彼らはただ、コスプレをして楽しむだけでなくそれを通してすばらしい社会貢献をし、多くの人に勇気と希望を与える存在だからだ。年末にはスピンオフ『ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー』、2017年末には『スター・ウォーズ エピソード8 』（仮）の公開が控えているので、おそらく皆さんもこれから『スター･ウォーズ』のコスプレをしている人を見る機会が増えるだろう。ひょっとするとその人たちは「the 501st Legion」のメンバーかもしれない。
 

◆501st Legion
http://www.501st.com/
 

◆501st日本部隊
http://501st.jp/
 

Written by　塩崎　邦宏
 
 

[JVTA発] 今週の1本☆　9月のテーマ：嵐
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。