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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #16
五体満足●丸山雄一郎(「日本語表現力強化コース」主任講師)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #16<br>五体満足●丸山雄一郎(「日本語表現力強化コース」主任講師)
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何度読んでも心が震えるマンガのセリフが2つある。
一つは『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎の自分の命が尽きる間際の炭治郎たちへの言葉。もう一つが『エースをねらえ!』の桂大悟の言葉だ。

藤堂や尾崎、お蝶婦人、岡ひろみたちが卒業した後の西高テニス部。インターハイ優勝に向けて関東大会を戦っていた彼らだが、藤堂やひろみたちのような圧倒的な強さを見せることはできず苦戦が続いていた。
焦ったコーチの太田やテニス部OBの島は部員たちに喝を入れてくれるよう大悟に頼む。彼は親友であった宗方仁の高校時代のある夏の出来事を静かに話し始める。

高校2年の宗方はテニス部の合宿先で重度の病におかされた少年、さとると知り合い、心を通わせる。しかし、合宿から帰り、秋が深まったころ宗方の元にさとるがすでにこの世を去ったことを知らせる手紙が届く。

「それからのあいつは コートの中で相手選手とでなく 自分自身と戦うようになっていった
自分の甘え 未熟さ トゲトゲしさ 人の心を冷たく貫く言動
そういうものを次々そぎおとして あいつは素晴らしいプレイヤーに育っていった!」
「あの夏の日を あいつは何度思い返したことだろう
あのやせた美しい目の少年を なんど思い返して 自分自身にムチ打ったことだろう!」
「そうして あいつも27の若さで死んだ みごとな生きざまだった」
「西高生よ あんたら五体満足だろう!」

僕らはいま大悟や杏寿郎の言葉を体現している人たちを毎晩目にすることができる。
甘えや怒り、絶望を捨て、使える体の一部を鍛え上げ、五感をフルに活用し、競技に挑んでいるパラアスリートたちだ。メダルが取れる、取れないなんて全然関係ない。
「もっとできる」「なぜやらない」
彼らの姿に僕は生きていく勇気をもらっている。
* * *
『エースをねらえ!』作品解説は▶こちら
   (トムス・エンタテインメント公式サイト内)

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Written by 丸山雄一郎

まるやま・ゆういちろう●日本語表現力強化コースの主任講師。学生時代からJVTA代表である新楽直樹に師事し、ライターとしてデビュー。小学館「DIME」「週刊ポスト」「週刊ビッグコミックスピリッツ」などでライター、編集として活動後、講談社「週刊現代」「FRIDAY」「セオリー」などで執筆。現在は、映像翻訳本科のほか企業の社内研修でも講師を務める。
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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!
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